第二話 星の欠片と幼きエルフ2

 道端で尻もちを突いたままこちらを見続ける少女。まるで全てを見透かすような緑色の瞳が僕を見据え、何かを伝えようと小さな少女の口がゆっくりと開かれた。


「#$%&!」少女の口から発せられた言葉を文字に変換するとしたら、このように書くほかないことだろう。何を言っているのか理解出来なかった。


 何かの暗号とか? いや、そもそも人の喋る言語なのだろうか。僕も外国の言葉に詳しい訳では無いが、少なくとも先程少女が発した言葉は、少なくともこの世界の人間が喋るものの様に感じ取れなかった。


 例えば、そう此処とは文化も常識もまったく違う異世界の言語とか? そう考えれば言語が理解できないのも納得出来ると言うもの。いや、分からないからと言って、何でもかんでも異世界のモノと決めつけるのはダメだよな。


 彩香さん曰く、異世界に関わらないものでも、この世界特有の不思議現象は存在するらしいし、僕も以前依頼に出向いた時にそう言った類のモノに遭遇したことはある。俗に言うオカルトや都市伝説とかもその類だ。


 そう考えれば、この少女が異世界特有の言語を使ったのか、それとも僕が今この世界の不思議に触れようとしているのか、それを決めるのはもう少し事情を知った後に考える方が良いだろう。


 異界案件だったら後で彩香さんに報告すれば良いし、この世界特有のモノで在れば専門家に相談すれば良い。幸いな事に僕には、どちらであっても対処する術を持っている人物に心当たりがある。


 だから取り敢えず今は、この少女がどちらに属する存在なのかを知る事から始めるとするか。ただ、言葉が分からないとなると話を聞くことも出来ないし、どちらに属する存在なのか特定するだけでも難しそうだな。何かいい方法は無いだろうか。


 頭の中で試行錯誤して難しい顔をしている僕に対して、少女は何かを伝えようとする様に何度も先程の言葉? らしきものを発し続ける。


 当然何度聞いた所で少女が何を言って居るのか、僕には理解出来ない。ただ、口の動きから多分同じ言葉を何度も言っているのだろうと言う事は何となく理解出来た。まぁ、だからと言って彼女が何を言って居るのか分からない以上、僕に出来る事は何も無いのだけど。


「取り敢えず、一旦事務所まで連れて行くか」道端で佇んで考えていても答えが得られる訳でも無いし、それに日が沈んだ事で気温も下がっている。そんな状況で外に居続けてたところで、僕もこの少女も風を引くだけだ。


 それに解決屋の事務所に置いている資料の中に、この少女が異世界の住人かどうか知る手掛かりが有るかもしれないし。


 そうと決まれば早速連れて行こうと思い立ち、少女の居た場所へ視線を戻すと、そこに少女は居なかった。


「あれ? どこに」軽く周りを見渡すと、少女は事務所とは反対の方向へ、とぼとぼと歩いている後ろ姿が目に映る。流石にこんな時間に子供が外を出歩いていたら危ないだろうし、出会ってしまった以上見過ごす気にもなれない。


「待ってくれ」その小さくもか弱い後ろ姿を追って、少女の肩を掴み動きを止める。思わず力を入れて肩を掴んでしまったからか、少女は一瞬びくついた後、恐る恐るこちらに向き直る。


「大丈夫、安心してくれ。危害を加える気は無いよ」再び少女と視線に合わせる様に屈んだ後、両手を広げたまま上にして攻撃の意思は無い事をアピールしてみた。


 僕の言葉が理解出来ている保障も無いし、そもそもこちらの敵意が無い事をアピールする為にしている両手を広げる動作の意図が伝わっている保障も無い。もしかしたら逆に怖がられるかもしれないだろう。でも今の僕には、これぐらいしか少女の味方だと伝える術が思い付かなかった。


 そんな僕の全力の味方ですアピールは、やっぱり伝わらなかったようで、少女はキョトンとして僕を見ている。まぁ、怖がられて居ない見たいだから、取り合えず良しとするか。


 足を止めて不思議そうな顔で小首を傾げながら、僕を見ている少女に上げていた片手を下ろして、少女に向かって手を差し出す。


「君がどこの誰か分からないし、何に困っているのかも分からない。でも君の悩みを解決してくれそうな人には心当たりがあるんだ。その人に紹介するから、一緒に付いて来てくれないか」きっと少女には、僕が言った事の全ては伝わらないだろう。


 それでも、言葉に乗せた気持ちとかそう言うものが伝わってくれたら、なんて淡い期待を乗せて語った。


 当然の様に少女は、僕が何を言っているのか分からないとでも言いたげに再び首を傾げる。その後、周囲を見渡して考え込む様に頭を捻ってから、恐る恐ると言った様子で、差し伸べていた僕の手に自らの小さな手を近付けて来る。


 信頼とまでは行かなくても、敵意を感じさせては居ない事に心の中で安堵につく。後は、出来るだけ警戒をさせないように気を付けながら、手を引いて事務所まで連れて行けば……あれ、美少女を連れて歩くジャージ姿の根暗男の図って傍から見たら犯罪者とかに間違われたりするのだろうか。


 そんな今更考えても仕方無い様な事を頭の片隅に思い浮かべていると、少女が近付けた手を止めた姿が目に映る。いったいどうしたと言うのだろうか。はっ! もしかして変な事を考えちゃったから、気持ち悪い顔とかに成っちゃってたのだろうか。子供の前では、出来るだけ笑顔で居ないと警戒されちゃう。


 自分の顔が強張ってしまって居ないかを両手で触り確認していると、少女のが恐怖を感じているかの様に怯えている事に気付く。そして、その少女が怯えている原因を見ているであろう視線の先が僕では無く、僕の頭上である事も。


「#$%&!」少女が叫ぶ、先程とは違い今度は僕に訴える様な言葉では無く、まるで危険を知らせるような。後ろに何かあるのだろうか? いったい何に怯えて居るのか気に成った僕はそのままの体勢で後ろへ振り返る。


 ゴン。鈍い音が響いた。一瞬で目の前が真っ暗に成り、何も見えなくなる。頭が痛い。身体が動かない。だらだらと頭部から地面に掛けて何かの液体が流れている事だけが、皮膚から感じ取れる。


「おい、馬鹿。そいつ血が流れて居るじゃねえか。警察が動く様な痕跡は残すなってボスに言われただろ」


「こいつにガキを連れて行く俺らの顔を見られる方が不味いだろ。とにかく、こいつが起き上がる前にずらかるぞ。俺らはオークション商品の確保さえすれば良いんだ。面倒な口封じはあのマフィア共に任せれば良いだろ」


「だけどよう」


「いいから、面倒な奴らに嗅ぎ付けられる前にさっさとずらかるぞ」


 二人の男が言い合う声が聞こえる。それと同時に何度も何度も何度も、泣き叫ぶ様に助けを求める少女の声が聞こえている気がする。


 助けないと。頭に浮かんだのはそんな言葉。優先する目的が定まったお陰か、身体中の痛みなんか気にせずに無理やりにでも起き上がる。所々まだ身体に力が入らない部分もあるが走る分には問題ない。それだけ軽く確認を終えて、正面に顔を向ける。


 街灯が照らす薄暗い夜道に、二人の男と抱えられる先程の少女を視線で捉え、そちらに向かって全力で走り出す。


 先を走る二人の男もそれなりに足が速く、距離が縮められなくて走っているだけでは追い付けそうにも無い。

だが、幸いな事に男達はさっさとずらかる事しか頭に無いのかこちらに気付いて居ないらしい。だからと言って追いかけ続けていれば、いずれこちらが目を覚まして追いかけている事がバレてしまう。


 そうなれば、相手も今以上に全力で走るか、片方が残って足止めをされるかもしれない。そうなれば少女を助けられない。それはダメだ。だったら気付かれていない今のうち相手にの足を止めさせるような何かをしないと。でもいったい何をすれば?


 考えを巡らせていると背負っている鞄の存在を思い出す。色々と貴重なモノが入っているけど、ちょっとやそっとで壊れる程度のモノでも無かった筈だ。


 それに、貴重なモノだろうが壊れようと人命には変えられない。だから迷う事も無かった。鞄の存在を思い出してすぐ、走りながら背負っていた鞄を両手で持ち替え、軽くスイングして投げ飛ばす。


 頭上に飛んだその鞄が重力に従って落ちて行き、男二人の背中を襲う。鞄の重さはそこそこある。倒れないにしても二人の男は突然の背後からの衝撃に少しよろけて、走っていた足が縺れ動きが鈍った。


 僕が二人に追い付くにはそれで十分だった。よろめく二人の内、少女を抱えている方に後ろから体当たりをして、崩れかけていたバランスを無理やりにでも崩させ、倒れた男が抱えていた少女を持ち上げ鞄と共に担ぎ、路地裏に向かって走る。


 後ろから男の怒鳴り声と慌ただしい足音が聞こえて来るが、それらを無視してとにかく走った。ワザと解決屋に向かう道から離れる様に路地を突き進み、後ろを突いてくる男達の追跡から逃れる為に何度も曲がり角を使う。


 暫くの間、そうして追ってを撒くように走り続け、後ろに男達が着いて来て無い事を確認してからようやく解決事務所に戻った。


「はぁ、はぁ、はぁ。一体なんなんだよあいつら」事務所のに入り直ぐに扉の鍵を掛けた後、扉にもたれ掛かる様に背を向けて、息を整えながら座り込む。そんな僕の姿を連れて戻った少女が下から覗き込んで来る。


 少女と目が合い、彼女が無事でいる事を確認できると、何だか一気に力んでいた力が抜けた。その代わりとでも言うかの様に、今更頭の痛みが振り返して来る。


 痛みを感じる部分に手を当てるとベッタリと血が付いていた。よく見ると服にも頭から流れた自身の血液がベッタリと付いている。貧血のせいか、何だか頭もボーっとして来た。


「あぁ、これダメな奴だ」ゆっくりとだが、意識が遠退いている。その事を自覚する頃には殆ど何も考えられなく成っており、視界もぼやけだしていた。


 バタリという音が聞こえる。それが自身が倒れた事で聞こえた音だと言う事すら理解出来ないまま、眠りにつこうとしているかの様に瞼がゆっくりと閉じて行く。


 このまま死ぬのだろうか。そんな漠然とした不安に押しつぶされそうに成って居ると、何か暖かい温もりが痛みを打ち消している様な感覚を得る。


 暖かな温もりが消えると同時に、先程まで感じていた痛みも完全に消え去り、疲れさえ無くなって、身体が軽く成った。


 瞼を開けると、視界には僕の頭に手をかざす、先程の少女の姿が目の前に映る。少女がかざす両手は、指先がほんのりと薄い緑色の光が宿っており、僕が目を開けてから数秒も経たない内に光が消えた。きっと痛みが消えたのは、この少女が僕に何かしたお陰なのだろう。


「君が助けてくれたのかい? だとしたらありがとう」少女が僕の言葉を分からない事も忘れて、そんな事を言って居た。当然少女から返事が帰って来ることは無い。だけど、僕が目を覚ました事を確認した彼女は返事の代わりに、にっこりと笑顔を返して来る。


 その笑顔にこちらもお礼の言葉代わりの笑顔で返すと、突然グーというお腹が鳴る音が聞こえて来た。発生源は少女からだ。僕はすかさず鞄の中に入れていた、スーパーで買った弁当を取り出す。中身は案の定、ぶん投げたお陰でぐちゃぐちゃに成ってはいるが、無いよりはマシだろう。


「お腹が空いてるならこれを食べて」取り敢えず電子レンジで温めて、少女に食べる様に進める。箸は使えない様だが、スプーンとフォークは使い方を知っているらしく、手渡すと直ぐに食べ始めた。


 スーパーの弁当も特に警戒する事も無く食べている様子を見るに、この世界の食についての知識は持っているのだろうか? それとも単純に匂いで食べ物かどうか判別しているのだろうか? あるいは僕が食べ物と言って差し出したから迷いなく食べているのか?


 色々と考えを巡らせるが、別に答えが出て来る訳でも無い。まぁ、少なくとも彼女が異世界人である事は先程判明したのだし、今はそれが分かっただけでも良しとするか。


 この少女が僕の痛みを癒す際に使った光と似たものを僕は、知っている。確か異世界人が扱う魔力操作という技術を使用した際に発せられる光だ。少なくともこの世界に属する存在は特別な事情が無い限り、特別な装置を利用しなければ魔力操作を扱えない筈だ。


 だからこそ、装置も何も使わずに魔力操作の際に発せられる光を出したことは、少女が異世界の住人である事の裏付けにもなっている。


「取り敢えず相談してみるか」少なくとも異世界の住人である事が分かった以上、今後少女の扱いに関してどうすれば良いのかの判断を仰ぐ相手が彩香さんである事が決まったのだ。だったら、追っての存在についての対処も含めて、今すぐにでも聞くべきだろう。


 そう思い立ち、早速相談しようと携帯電話を取り出して、彩香さんに連絡を入れるが、繋がらなかった。


「まったく、自分が連絡する時は直ぐに出ろとか言うくせに、こっちが連絡を入れる時に限って、なんで繋がらないんだよ」仕方ない、彩香さんには明日帰って来た時にでも相談するか。


 彩香さんに相談するのは諦めて、資料室から幾つか異世界の住人に関する資料を持ってくる。この少女が異世界に属する存在だと言う事が分かった以上、どの種族なのか知る必要が在る。


 聞くところに依れば、魔人と呼ばれる種族の異世界人は子供で有っても街を簡単に消し飛ばす程の力を有していると聞くし、種族に寄ってはストレスを感じやすい環境というものもあるらしいからな。早い段階で知る事が出来ればそう言った対処もし易いというもの。


 だが困った事に、この少女には特別目立った特徴が見当たらない。いやまぁ、顔立ちとか整っている銀髪美少女ではあるんだけど。翼が生えて要る訳でも無いし、鱗や角が生えている様子も無いんだよな。


 異世界の住人には、この世界の人間と殆ど見た目が変わらない種族も多く存在するらしいしから、そうだとすれば特定は難しそうだな。なんて思いながらも、幾つかの資料に目を通していると、とある特徴が目につく。


「ちょっと失礼するよ」食事中の少女に一言断りを入れて、耳元を隠す髪を掻き上げる。

少女の耳は尖っていた。緑の瞳、尖った耳をした種族はエルフと呼ばれる種族の外見的特徴らしい事が資料に乗っている。だが、資料に乗っている情報はそれだけだ。


 そもそもエルフがこの世界に迷い込んだ事例が少なすぎて外見の特徴以外、資料に残っている程の情報が少ない。


「まぁ、魔人じゃ無いって分かっただけでもまだマシか」少なくとも魔人と違ってエルフは、今まで災害規模の被害を出した事は無いらしいから、身構えながら接する必要は無いと思う事にする。


 あぁ、でも何か僕が気に障る事をして、この少女が辺りを爆発させたりし出したらどうしよう。責任なんて取れないんだけど。


 考えても仕方ない様な不安に押しつぶされそうになって頭を掻きむしって居ると、食事を食べ終えたのか、少女がツンツンと僕の脇腹を突いて来た。


「あれ、どうしたの? もしかして足りなかったのかな」でも事務所の冷蔵庫には彩香さんが買い込んだお酒ぐらいしか無かったしなぁ。どうしたものかと先程とは、また別の悩みに頭を捻っていると、少女は首を横に振った。


「あれ? 違ったのかな。……え!言葉分かるの」まるで少女は僕の言っている言葉を理解しているかのように頷く。そして、僕の目をじっと見たまま、ゆっくりとだけど言葉を発した。


「わ、わたし。なまえ、しーな。たすけてくれて、ありがと」拙い言葉で少女はそう口にするとペコリと頭を下げる。


「あ! えっと、僕の名前はカイザー、だよ」少し途惑いながらも、名前を伝えると少女はにっこりと笑顔を浮かべだした。


「かいざー、ありがと。わたし。かいざー、きにいった。かいざー、わたし、きしなれ」


「えっと、あ、うん」人にこんなにも見つめられるのは初めてで、どうも慣れず、思わず頷いてしまった。正直少女が喋り出した事に驚いて頭が一杯に成っていたから何を言われたのか分からなかったけど。


「うれしい。かいざー。わたし、はじめてのきし。さっそく、めいれい。ぎゅっとして」何故だか突然、シーナにそんな事を言われた。ぎゅっとって、抱きしめろって事? 等と、さすがに少し戸惑って居ると、シーナは両手を広げて「はやく」と言って来る。


「お、落ち着け。そうだ、相手は子供だぞ。大丈夫これは子守りの一環だ。だから大丈夫。だれも見てないし、犯罪者扱いもされない。だから大丈夫。」誰も居ないにも関わらず、自己暗示を掛けるが如く言い訳を続けて、ゆっくりと屈みシーナの背中に手を回す。


 彩香さんに、こんな所見られたら一生笑いものにされるんじゃ無いだろうか。晴香さんに見られたら、生田さんに見られたら。頭の中はパニック寸前に成っている。


 それと言うのも学生時代に、泣いている迷子の子供を助けた時に児童性愛者とか後ろ指を差されたトラウマが原因なのだが、今は人目が無いから昔の事は気にせずに行動に移れるが、外だったら絶対無理だなこんなこと。


 そんな事を考えながら、出来るだけ優しくシーナを抱きしめていた。一体いつまでこうしてれば良いんだろうとか考え始めたその時、ぐすんと鼻をすする音が耳元に聞こえて来た。


「かいざー。わたし、こわかった。だれも、わたし、ことばつうじない。みんな、わたしむしする。こわいひと、おいかける。でも、かいざー、たすけてくれた。ありがとう。わたしのきし」幼きエルフの少女シーナは涙を流しながら身体を震わして、そんな言葉を僕に言って来る。


 震える手は、まるでようやく見つけた希望を手放さない様にと、僕の背中を強く抱き。涙で濡れた顔を温もりを確かめるかの様に強く肩に、擦り付けて来る。その様子を、まじかで見てようやく気付く。


 異世界人が召喚される方法以外で、こちらに来る時は、本人にも周りにも何の前兆も無いものと聞く。


 実際、保護した異世界人達にこちらの世界へ来た原因を尋ねると、殆どが分からないと答えるそうだ。その人物が一人や二人で要る時、眠っている時に気付けばこちらの世界に来ていたなんて事がこの世界でも、向こうの世界でも起こり得ているらしい。この子もきっと、そうやってこ

ちらの世界にやって来た一人だったのだろう。 


 気が付けば見知らぬ土地に居て、言葉が通じず、誰も助けてくれなかったのなら、きっと心細かった事だろう。経緯や過程はまったく違うし、僕の場合は言葉は通じたけど、誰も助けてくれない事の心細さを少しぐらいは、知っている。だからなのか気付けば、こんな事を口にしていた。


「大丈夫だよ。安心して、僕は君の味方だ。僕が君を守って見せるし、安全な所に連れて行くよ」その言葉を聞いた少女は安心したように眠り始めた。


 その寝顔を見て僕は心の中で誓いの様なモノを立てる。さっきは勢いで言ってしまったところはあるけど、必ずこの子を守ってみせようと。

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