「陽菜と」

「はぁー、楽しかった。さて、帰ろっか」

「うん、楽しかったね」

 なにか陽菜から、いつもとは違うような。何かを感じた。

「陽菜? どうかした?」

「いや、なんでも! ちょっと疲れてて」

 そう勢いよく首を振る。

「また来たいね」

「そうだね、流依と、来年も……」

 そうして、沢山の紫陽花を見て、笑って、また来ようねって、なんでもないような会話をして帰った。



――その、三日後のことだった。

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