第15話 今後の天望
そして、二人は宿の外へ出て、月を眺めながら会話する。
「アルフレッドさんのあの…力、デクスターさんは知っているんでしょう?アレはなんなんです?」
デクスターも頭を抱えながら、言葉を返す。
「俺も詳しくは知らないんだ。ただ、アルフレッドの父親のタルフレッドに、固く口止めされている。あの力のことはまだ、アルフレッドにも、誰にも話すなとな。」
疑問めいた顔をする、アーサー君。思わず、なぜ、僕を信用してくれるのか、デクスターに尋ねた。
「それは、アルフレッドの友達になれそうだからさ。俺は冒険者になれなかった男だ。だが、何はともあれ、アルフレッドのあの力で俺はあの忌々しい国から出ることができたんだ。それだけでも、アルフレッドには、一生分の感謝ができたよ。」
「…そこまで、アルフレッドさんを思っているのですね…」とアーサー君は、何か、物欲しげにアルフレッドを羨む。
「いいなぁー、アルフレッドさんは、お父さんにも、デクスターさんにも、大事にされて、僕の父や兄は僕がどうなろうと、一切関わりはないというような様子なのに…。」
「たしかに、そうかもな」と納得するデクスター。さらに続ける。
「アーサーは、これからどうしたいんだ?」
デクスターの問いに、顔をクシャクシャにさせながらこう言った。
「僕はアルフレッドさんやデクスターさんと、旅がしたい、冒険がしたい、みんなで強くなりたい、それが僕にとって1番の幸せだと思うから」
デクスターは納得の笑みを浮かべながら、「ああ、そうだな」と、今後への期待を抱かせて、今日はもう休むことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます