第3話 口約束
モンスターの背中に乗ったアルフレッドとデクスターは王都で行われる冒険者の集いの会場へ向かっていた。ロスペゴラの村の北方へバーバン山、バーバン渓谷、バーバン村を越えて王都の街ターバンベルグ。そして王都ターバンキャッスル。モンスターの脚力なら終日で到着できる。
アルフレッドは移動中、父であるタルフレッドに色々聞きたいことがあった。
「父さん、いままでなにしてたんだ?大変だったんだぞ、ロスペゴラは頑丈だけどモンスターに殺されないか、毎朝毎昼毎夜ずっと…ずっと、怖くて怖くて。」
デクスターはアルフレッドの変わりように頭を抱えていた。
「なんだ?なんなんだこいつは、賢者のような力を振りかざしていたかと思えば、いまは怖かったと、父親に駄々をこねるありさま。どっちのこいつがほんとうなんだ…。」
頭を抱えて息が苦しくなるほど考え込んでいるデクスターを見てタルフレッドは相談にのってあげた。
「お悩みかな?アルフレッドの〝ヒミツ〟に興味があるようだけど?」
「いや、…いい。あんな…この俺が認知できそうにない得体の知れん力など知りたくもない。安心しろ、もう考えねぇことにする」
タルフレッドは「そうか…それがいい」とお茶を濁した。
「アルフレッド、冒険者の集いへ行くのが夢だったよな。しっかりやってくるんだぞ、父さんも母さんも親父も応援してるからな。」
そんなやりとりをしていた間にバーバン村まで到達した。さすがにモンスターでの移動はとても目立つ上にこのまま王都へと侵入してしまうと法を犯すことになりうるので、村までとした。
「あれ?もう着いたの、まだなにも父さんと話せてないのにー。」
「帰ったらゆっくりな」
アルフレッドとデクスターはモンスターの背中から降りて、タルフレッドとはここでお別れした。アルフレッドは王都の街ターバンベルグへ向かった。
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