文はうきうきと その2
問2 一段落くらいで、動きのある出来事か強烈な感情(喜び・恐れ・悲しみなど)を抱いている人物を一人描写する。
私は喜びにとまどい、
その人は、最近通い始めたボイストレーニングのスタジオに突如現れ、共にレッスンを受けていた。初めは見間違いか、それとも似た人物なのかと思ったが、先生が「○○さん」と名前を呼んだので本人だと確信した。
そこは都心から私鉄で一駅ほどだったが、わりと閑静な街だった。生徒同士がレッスン中に話す事はできなかったが、私は驚きと興奮でろくに口も聞けずにいた。その日はそれで終わったが、次のレッスンにも彼はまた姿を現した。
まだ時間まで少し間があったので、休憩室のような場所のカウンターの一番端に座っていた。彼は一時期とても人気があった番組のレギュラーで、私はそれをたまたま見るようになってファンになり、彼が出演するイベントの時は地元ならもちろん、都会で開催しても何かと理由をつけて上京したり、グッズをひと通り買い集めたりする程には夢中だった。
その憧れの人が、わずか数メートル先にいるなんて。私は話しかけようかどうしようかと、胸を高鳴らせながらその後ろ姿をじっと見つめていた。
了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます