小説教室
kara
自分の文の響き 文はうきうきと その1
問一 一段落~一ページで声に出して読むための語りの文を書く。
・方言とか木の種類とか適当なのでそこら辺はスルーしてください
少女は坂道を歩いていた。そこは山の中だった。ぽかぽかと日が照って散歩するにはいい陽気だった。山道だが皆が通るので、凸凹は少なく案外歩きやすい。彼女はくねくねと曲がる道をてくてくと進んでいった。
「あの山の向こうには海があるさ」
祖母はそうやってよく話をしてくれた。
「山を登って頂上を超えたら、見渡す限りの地平線さあ。おめえも昔見ただろう」
そう言われ、彼女は記憶を
けれど、それはあまりにも遠くの出来事で、本当にその景色を眺めたのか定かではない。
「覚えとらんか。あんときゃ、おれもおったんだがのう」
そう言って老婆は遠い目をして思い出に想いをはせる。その懐かしそうな嬉しそうな顔を見て、彼女はそこへ行こうとそう心に決めたのだった。
だいぶ歩き疲れて、息が切れてきた。春先なのにやたら暖かく、ひたいに汗が
さっきまで草木の匂いしかしなかったのに、違う匂いが混じっている事に彼女は気づいた。潮風だ。あと少しで海が見られる。少女の心は踊った。はやる足で頂上を目指していった。
了
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