第19話 協力

止めるつもりだった、まだ言うには時期が早すぎると思った…しかし学は止めるなとばかりに目で訴えてくる。


…真人は止めなかった、いやむしろ止められなかった。



「昨日、ちょうど哲哉が死ぬすこし前…」


そう言って学は、上山が生きているかもしれないこと、今もどこかにいるかもしれないこと、葬式や警察が行ったことにより、その上山が何かをするつもりかもしれないことなど…


真人が学に話した全てのことを蔵末に伝えた。



「そんなことが…あそこの家は夫も事故で亡くなってまして、真希さんまでもお亡くなりになって、奥さんは精神異常になってるのかも知れませんね。」


納得できないわけではない。


しかし…


あの生きていると言った上山母の顔は、そんな夢物語を話しているような顔ではなかった。



真人は上山は生きている、そう思えてしかたがない。



「まぁ明日にでも念の為に部下に様子を見に行かせますよ、今日はありがとうございました。」


そう言って蔵末は二人に名刺を渡した。


何かあれば連絡をくれとのこと。



「あの、そちらからも何か分かれば俺たちに連絡お願いします…上山や哲哉のことも。」


そう言って二人は携帯番号を蔵末に教える。


その事を伝えると、二人はパトカーから降り、教室へと戻るのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

まちがい探し-1st mistake- アミシィ @amisy

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ