第16話

アン子が働いてるネカフェを一度見てみたかった俺は、夜にその場所まで自転車をこいで偵察してみる事にした。


中に入ると、


「いらっしゃいませ~」


服装はスタパみたいだ。どうやらカウンターでは無いらしい。


俺は個室を選んで2階に移動したその時!


アン子が部屋から出てきた。


「よおアン子」


「なっ…何なん⁉」


制服を着たアン子は貴重だ。レアだ。


「どんな事してるんだ?」


アン子がモジモジしながら言った。


「帰っていったお客の部屋をかたづける仕事なん」


「それって一番大変な仕事じゃん。分かった仕事を続けろ」


そう言って俺は1階フロアに足を運んだ。


「お帰りですか~」


裏からタバコくさいお姉ちゃんがやってきた。


「おい、亜暗を仕事や色んな部分でわざと無理させたりしたら、どうなるか分かってんだろうな?」


そう言うと指をバキバキと鳴らす。


「はっハイ…!」


首もバキバキ鳴らすと、ネカフェを後にした。アン子の過去のいじめは少なくはなかった。その時は毎回、俺がそのつど盾になった。


これで少なくとも、いじめは起きないだろう。闇の中を自転車の光が煌々と流れていった。

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