第14話
「ランチタ~~イム!」
すみれはなぜかタンバリンを鳴らしながら俺の教室に入って来た。
「ふぅわふぅわふうううう!」
やたら上手にタンバリンを使い鳴らしている。
「今日のランチは、うなぎ!」
「ウナギ…だと…⁉」
「さあ座敷童はほっといて屋上行きましょ」
俺はなかなか起き上がらないアン子をちょっと気にしながら、すみれの意のままに屋上へと連れていかれた。
屋上。
すみれの弁当を開けると、なんと2匹分のウナギがドーンとその迫力を見せていた。
「海外産のもんじゃないわよ、国内産天然のものだから!」
うなぎをひと口食べてみる。
「うまい!美味すぎるぞこれ!」
「もちろんよ」
すみれも自分用の弁当を開けて食べ始めた程、俺はすでに半分を食っていた。
モグモグしながら訪ねてみる。
「お前は何で『俺』なんだ?イケメンならほかにもたくさんいるだろ?」
「そうね。強さ、優しさ、フェイス、全てを備えているからよ。」
「俺は幼稚園から、小、中、高校までこんな感じだった。そして勝者はいつだってアン子だったんだ。だが…」
金髪は黙って俺の言う事を聞いている。
「アン子とは何て言うか…好きを超越してるんだ…すみれは確かにすごい。だから高校生になった俺はメトロノームのように今、感情がフラフラしてる」
「まだ高1だし、最後は本能のままに決めなさい…」
そうしてウナギの場所だけを食べた弁当を置いてきぼりにして、
「グァム楽しみだわ」
そう言ってすみれは屋上ドアを開け、去っていった。
「この弁当の残り、俺がかたずけんのかよ!」
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