第6話

アン子は2階で来客用の布団を用意して待っていた。


この子は一見怯えてるようで、とても気遣いの良い子だ。


「じゃあ俺もスマホいじりながら寝るわ。サンキュー」


「ユアウェルカムなの。おやすみ」


そうして、あっという間に朝になった。今日はすみれとデートの日だ。

何を着ていけば分からないのでとりあえずネクタイだけ外して、制服姿でいいかと俺は思った。


「朝ご飯、食べないのん…?」


今日は休みの日なので朝ごはん食べてもいいだろう。


「いただきますっ!」


ご飯とみそ汁、漬物と冷やっこ。シンプルだがこれが美味い。


「ごっそさん!」


そう言って玄関まで走った。心配そうに見ているアン子だったが、


「大丈夫、何にもないよ。すみれと外歩くだけだから」


そういって俺は止めていた自転車を走らせた。



待ち合わせに行くと、すみれが帽子と綺麗なワンピース姿で、思わず見惚れてしまった。


「オッドアイ君、座敷童はいないわよね?」


「いないよ。」


「じゃあ行きましょ」


腕を組んで歩きだす。


「なんで制服なの?」


「そこは突っ込まないでくれ…」


彼女が気品あふれる口調で言った。


「今日はクレープが食べたいわ」


クレープか…周囲を見回しても見当たらない。その代わりケバブの露店があった。


「ケバブ屋があるから食おうぜ!」


「けば…なんですって?」


渡されたケバブは、すみれが見た事もないキャベツと肉が挟まっているパン?のようなもので、外側にソースがかかっている。


「これに激辛ソースかけるのがいいんだよな~」


すみれは一口頬張ってみた


「からぁーっ‼」


ケバブはすみれの手から滑らせて下に落っこちてしまった。


「もったいない!」


即、地面から拾って、


「はい!」


と手渡そうとしたが、


「いらないわよ、そんな辛いの‼」


「美味いのになぁ…」


俺がケバブを2つ食べていると、すみれはとある場所を指差し、


「あそこのショッピングモール行こうよ!」


そういうと組んでた腕を引っ張って走ると、ケバブを食べていた俺は息苦しくなりながら、モールに2人は消えていった。


その後ろに怪しい影をまといし者がいたが、2人は知るすべもなかった。

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