第5話

夜になって夕食は抜き、風呂に入って髪を乾かしていると、俺のスマホからピロン♪とメッセ―ジが届いた。


ケータイのアン子からの写真だ。暗闇の中、アン子がドアップで映っている。正直ぞくっと来た。何なんだこれは…カメラテストでもしてるんじゃなかろうか。


そしてらぁいん通話が来る。


「なんであんな写真送ってきたんだ?びっくりしたぞ正直」


「ちゃんとアン子映ってなかったん?」


「ドアップすぎだ!もうちょっとケータイを離して撮ってくれ」


また写真が送られてくる。今度は調子いいみたいだ。ホッと安堵する。

離れてそのままスマホにれていってくれ。頼むから。


アン子の家はローン完済済みなので、家賃はなかった。


「またどこかでスマホも講座したいから、今度ファミレスでもいこうぜ」


「ファミレス…」


貧乏なアン子は言った事がなかった。ネカフェも怖くて入れない。


「でも有難うなの!ハート無限大なのん!」


「もうちょっと落ち行け。な。」


「丁度すみれからメッセージだ」


(今後2人でデートしよv座敷童は不可)


やれやれまいったなぁ。


「すみれちゃんからなの?」


「ああ…デートしてくれってさ」


「それは裏切り行為なん!許しがたい暴挙なん‼」


しかしすみれとショッピングしたりご飯たべたりすることを想像すると、悪くもない。


「アン子にもプレゼント上げるから、1回だけどうしても無理か?もちろん1番はアン子だし」


「プレゼンントもらえるん?」


「ああ!服とかコスメとか色々な!」


アン子はしばらく考えたあげく、


「きょーすけとの仲は不動だと信じてる。だからいってもいいのん」 


ホッとした。すぐすみれにOKを送る。


最初のデート、どうなるかな~?


「いま超絶眠いんでアン子の部屋に泊ってもいい?」


「もちろんなん!」


そう言うとアン子は2階へ駆けていった。

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