第4話
「ほら、SIM入りケータイ買ってきてやったぞ」
俺からの超スペシャルなアン子へのプレゼントだ。ちなみに俺も全く同じ機種で18000円だがキビキビ動いている。
「すごいのん‼」
「横にあるココを押すと電源が入るだろ、そしたら何でも使えるアプリをダウンロードできるぞ。最初はやっぱり『らぁいん』からだ。これで無料通話とメッセージ送れるな」
アン子はただただ不思議そうにケータイを見ている。
「あと自宅にwifiルータ。電源に入れるだけのヤツな。これで自宅では高速で動くぞ」
「よくわからないけど、革命なの‼」
またアン子は不思議な踊りを踊り始める。どうしてもこの踊りがツボにはいってしまう。
スマホはクセになりがちで、いきなり初めて渡してよかったのだろうかと悩ましい感覚におちいっていた時。
「らぁいん入れたの!」
素早い適応力。早速俺とアン子で連絡先を紐づける。そんな中丁度すみれからメッセージが来た。
(オッドアイ君、今どこ?)
しょうもないメッセージである。俺は返した。
「アン子の自宅」
そう書くとすみれからのメッセージが途絶えた。
「SIM代は俺がカネ出すから、普通の電話は極力さけてくれよ?」
「らぁいんバイトとか、らぁいん証券とか、色々あるのんな~」
「株の運用はお前じゃ無理だろ。バイトならいいかもしれないが…」
「ゲームまであるん!」
「やるのは自由だけど課金はしないでくれよ?俺がカネ払ってるんだからな」
「無料でやるの!」
こうしてアン子の初スマホ&無線wifiデビューは華々しく始まった。
アン子特製弁当も中学から高校まで毎日かなり食べてるから、そのお返しだ。
アン子が普通のJKになるための「お勉強」とでも言っておこう。
そうして時間も忘れるほど夢中になって、帰る頃にはすっかり夜になっていたので、ライトを付けて自転車で帰るのだった。
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