いじめの結末:13
――であれば、徒歩で帰宅途中である筈の板野麻実よりも早くに到着した筈だが。
「居ないですね」
鶴の脚を
「道中も地上からは板野さんを感じ取れませんでした。かといって悪夢が展開されている波動も感じない」
「ワタシも同感よ。途中で姿を見付けられる可能性が高い筈だから、地上へは常に気を
二人は周囲の気配をいまいちど再確認する。板野麻実が
「鶴さんの
慶郎はあくまで真剣に可能性を
「例えば、由紀恵ちゃんが居る学校へ向かったとか」
家とは反対方向へ向かったのであれば、いくら精霊エクソサイズといえどもそこまで広範囲を感知はできない。
「そうね、とりあえず
板野麻実がなぜ家へと帰らなかったのか、その疑問を考えるのは後だ。巫女が
それに、てっきり巫女も一緒に来るものだとばかり思っていたが、どういう訳か姿が見当たらない。他になにか手掛かりを見付けていたのかも知れないと思い、慶郎たちは板野麻実と同時に、エネルギー波が巨大な巫女の気配を
× ×
板野麻実の
人としてどうかと思うその思考も、悪夢祓いのとして優秀すぎる巫女には管理者であるエクソサイズも手を焼いている。
つまり、彼女が板野麻実を発見したのは本当に
「あれ?」
鶴と共に慶郎が
「よく板野さんを見付けられましたね」
現在、板野麻実が居るであろう建造物を監視する巫女が、
「
巫女から発せられる悪夢祓いとしての大きすぎるエネルギー波は目立つ。
慶郎も巫女と肩を並べ、板野麻実が立ち入った建造物を監視する。それにしても、その場所は想定外だった。
「なぜ板野さんは警察署に……」
心配と疑問が入り混じった声を
「盗み聞き、得意だろ? ちょいと行ってみろよ」
「人聞きの悪い言い方しないで下さいよ。あくまで調査ですからね」
そう言って、慶郎は迷いなく警察署内へと侵入した。こういった時に行動が早いのは、彼が被害者の安全を想うその強さの
慶郎が離れたこの
「ひとつ
巫女の言葉は冷たい、本当に慶郎を評価していないのが判る。それに対し鶴の返答は、今までの母性のような
「彼にはしっかり目的があるのよ。それがある限り、あの人はこの宿命から決して逃げたりはしない」
警察署を監視しつつ、その大きな
「生前の行いや
「そうね。合ってるわ」
「奴ほど中途半端な悪夢祓いは長生きしねぇぞ。それを私達は何度も見てきた。アンタも
動物の姿を
「面白いこと言うのね。まぁ、これは私の趣味、みたいなものよ」
「そのふざけた趣味で“必勝の弾丸”を預ける相手を間違えるなよ。他にもっと戦えそうな魂が居る筈だろ。適任者を再選してくれ」
どうしても慶郎を認められない巫女からすれば、鶴が
「そこまで
「は? だからそこが見えねぇから指摘してんだろうが。あの男を
「
感情の判らない声質でどこまでも
「さて、あの男の得意な盗み聞きで何が引き出せるかな?」
「その前に、姿を
「逆に弱い悪夢祓いが来て
巫女の
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