いじめの結末:7
翌日、慶郎は
「
過去に、週刊誌の記者や
しかしそれでも弱みを見せる訳にはいかないのか、慶郎に対する態度は上からの高圧的だった。
「誰ですか
「名乗るような身分ではありません、ただのお
「……はい? なんなんですか」
半ば無視する形で車に乗り込もうとする三枝輝義に、慶郎は身を寄せて
「本日、娘の千春さんへ警察が接触します。それに
その言葉を聞いて、身を固くした三枝輝義が目を
「……分かりました」
いつかこの時が来ると、この男も予期していたのだろう。三枝輝義はバカではない。
しかし、どうしても一点だけ
「なぜ、貴方はそれを私に――?」
記者ならそのネタに値段を付けてくるか、更なる揺さぶりをかけて来そうものだが、目の前の男はそのどちらでもない。これでは、まるで
三枝輝義は慶郎の正体を、どうしても知りたかった。
「わざわざそれを私に言いに来てしまっては、貴方の身も危ないのでは」
「僕に利害関係はありませんよ。ただ――」
「ただ?」
慶郎は
「千春さんには輝義さんの言葉が必要です。お父さんとして、しっかり娘と向き合って下さい。警察が介入してからでは遅いんです」
「それは……」
「あの子は警察官が相手でも反抗的でしょう、どこまでも
三枝輝義は視線を落とした。
恥ずかしさ極まりない性癖を娘に発覚されておいて、今更どのようにして娘を説教できるのか。いや、考えるのも苦しい。
輝義は見知らぬ男の前で、
娘の犯行を知らぬフリは簡単だ。しかし、警察に目を付けられた以上、いずれはこの身もメスが入るのは避けられない。千春の口から父親も利用者だと証言されれば、遅かれ早かれ必ず証拠が出る。
日本の警察がその事実を見落とす筈もなく、確実に
色んな事が頭をかけめぐる。
それを見て、慶郎が厳しい口調で語る。
「申し訳ありませんが、時間が無いですよ。僕は貴方にチャンスを与えてる訳ではない。千春さんに
それを聞いて輝義は視線を上げるが、
「貴方の立場が弱くなれば、今まで沈黙していた学校側も千春さんを
実はこの時の慶郎は適当だ。犯罪とはいえ、さすがに小学生が晒し者になることは無い。いま大切なのは、この父親が娘と向き合う為の
ここで大きく息を吸った輝義は、未だ正体の
「つまり私がすべき娘への話とは、互いの
慶郎は
「――分かりました」
輝義は車に乗り込みエンジンをかけると、ウィンドウを下げて慶郎を見上げた。
「どなたかは存じませんが、
今にも雨が
あとは、信じるのみ――。
それが慶郎の
三枝輝義の車が去り、慶郎も次なる行動へ足を向けようとした
「判ってるとは思うけど、魍魎が動き始めたわよ」
「はい」
慶郎は
あとは、
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