第2話:いじめの結末
いじめの結末:1
資材倉庫に集まった女子児童たちが、ひとりの
「次また
グループの中で
「返事しろや、
恐怖で
「……わかりました」
「ワンって
半裸の少女は大人数を相手に抵抗できる筈もなく、ただ震えて時が過ぎるのを待つしかなかった。
「鳴けっつってんだろゥがッ!」
怒りに任せた強烈な
腹、腰、肩、そして頭を複数回に渡って強打され、頭皮は
「わんっ……わんっ……わんっ……」
鳴くしかなかった。言う事を聞かねば、この暴行はさらにエスカレートすると知っている。
「よーし良い子だ」
女帝、
「こいつの
「行くぞ。
集団は誰ひとり三枝千春に逆らわない。まるで旧世紀の権力者を思わせる
信じ
独り資材倉庫に放置された少女、
こういった精神の乱れが、
× ×
二日後の下校時、由紀恵は背後から近付く気配に怯え、
「お前の靴下、八千円で売れたぞ。世も
女帝、三枝千春が仲間を引き連れ、再び由紀恵を人目のつかない公園へと連れていく。遊具の無い公園にはベンチがあるが、今は誰も居ない。そして無人の
「クライアント様が次はお前のパンツが欲しいってよ。一万で買うっつうから、今ここで脱げ」
なかなか下着を脱ごうとしない由紀恵に、女児達が群がる。さすがに
「お前ら根性ねぇなー」
「お前って普段どんなパンツ
「へぇ、可愛いの
「あんま汚れてねぇなー。ま、いいや」
そのまま
「袋に
用が済んだら振り返る事もなく、三枝千春は公衆トイレを後にする。女児達もその後に続き、どんな顔で板野由紀恵が怯えているのか確認しようと振り向くと、そこには、しゃがみ込んで
それでも誰一人、彼女に声かける者は居なかった――。
そうして人間の目には見えない魔物、魍魎が姿を
板野由紀恵は自分の身に何が起きたのか理解しないまま、魍魎に捕らわれ、悪夢の世界へと
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