消えた幼馴染:7
数日後――巫女のもとに、とある男が現れた。
「あ、どうも、初めまして」
対する巫女の反応は、すこぶる面倒臭そうな顔を隠そうともしない。
場所は森に囲まれた山の中腹に位置する、とある
そんな二人が立っている場所は、神社の
――普通の人間だったらの話である。
「
「
「うるさい」
「はいスミマセン」
名刺を指差す
「それで、貴方が
「え? そこ重要ですか?」
「いいから答えろ! このっ」
「痛ってッ」
「えと、残業を終えて帰る途中、駅のホームから落ちました。帰る為の終電に乗ろうとしてまさか
えへへと
「け、
「
「え? えくささいず? ――痛ってぇッ」
屋根から転げ落ちそうになるのをなんとか
「いやぁ、実はまだよく解ってないんですよ。死んだんだなってのは理解しているんですが、その後はただ
「……はぁぁ」
巫女の強烈な
「あら、もう
「まだ」
飛んでくるでもなく現れた鶴は、
「そうやって出て来るんですね」
「あら、
「えええッ?」
そんな慶郎をお構いなしに、巫女は
「で、新人教育はどうなってる訳」
明らかに不機嫌な巫女を見ても、鶴は動じない。
「なに言ってるの、一通りは終わってるわよ」
「はあ?」
「もう慶郎さんは
それを聞いて、巫女の
「いやいやいやいやいやいやっ、確かに色々と教えてもらいましたよ! でもね、でもね、死んで間もないんですから、
身振り手振り慌てて同意を求めているが、もはや
「それで慶郎さん、今後の行動について
鶴の
背広の内ポケットから取り出されたのは
「えっと、僕に課されている任務は――指定地域の
「ちゃんと解ってるじゃない」
鶴が満足気に
「それで今から向かう先が、村田達也という男子中学生の家です。なんでも、つい最近、悪夢から生存したとか」
その名前が男の口から出たことで、ようやく巫女の表情に
「気を付けてね。あの少年、不幸なことに
真剣に語る巫女の顔を見つめ、慶郎も
「鶴さんから聞きました。
「そう、つまり村田達也を監視するあなたの役割は――」
「危険度の高いミッションですよね」
「そういうこと」
先程まで
「では、さっそく向かいますわ」
「気を付けて」
慶郎が背中を向け、
「あの男、大丈夫かしら」
慶郎を見送った巫女が
「さ、私達は
巫女と鶴も、慶郎と同じように碧い光の玉となり屋根から離脱する。
彼女達は人知れず、人々の不幸を
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