消えた幼馴染:3
何度も
「生存者が居たわ」
前髪が
「
『なにボサっとしているの!
姿の見えない声に押されて、巫女は
× ×
魔物から逃げ回る少年が、いよいよ捕まりそうな距離にまで追い詰められた。腕を伸ばし、
死に物狂いで身を
当然その
目の前に現れた衝撃が少女だとは気付かず、余りにも強烈な落下物に少年の腰が抜ける。
魔物との間に割って入ったソレが、ようやく巫女の姿をした少女だと判った時には、少年は背中から倒れ込んでいた。
もう冷静でいられる筈がない。
「危ないからそのまま寝てて」
少年に背中を向けたまま、少女が何か言ったようではあるがその意味を理解するより先に事態が急変する。
少年を追っていた魔物は不気味な目玉を見開き、邪魔に入った巫女に
もう
次の瞬間には少女の体が
身の危険を肌で感じつつ、薄目を開けて見えた光景を
魔物の両腕が――バラバラに断ち切られている。
あまりにも速すぎる
それをお構いなしに、巫女姿の少女が頭上に刃を構え、
勢いはそれだけに
細身に見えても巨体であることに違いなかった魔物が、一瞬にして弾け飛び、肉片を巻き
少女が臨戦態勢を解き、何事も無かったような仕草で振り返る。
「悪夢は去ったわ。これで安心して」
たったそれだけを告げて、少女がこの場を去ろうとする。そのあまりにも
「あのっ、ここはどこなんですか」
必死に訴えてくる少年を尻目に、巫女は振り返る事なく言い放つ。
「もうアナタが探しているモノはどこにも無いわ。
その言葉が何を指しているのかすぐに判り、少年は引き下がる訳にはいかなくなった。いつも控えめで、気弱な少年だが、その言葉だけは認める訳にはいかないのだ。
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