第29話 相談
俺たちは道すがら今回の収穫について雑談した。
「先輩、今回はオークをちょろっと倒しただけっすね」
「善良で友好的な木こりな?」
「いやオークっす」
「豚の肉とアイツが持ってた斧とが主な戦利品だな」
「そっすね。一応あとはアタシが新しく得たスキルくらいですけど」
「そういえば、この肉売るのか?」
「どうっすかね。どっか売る相手がいればっすけど」
「販路かぁ。確かにモノだけあっても売り先が無いとしょうがないんだよな。薬草とかは冒険者ギルドで買い取ってくれるらしいが」
「ああ、そういえばそうでしたね。このお肉とかもそうなんじゃないっすか?」
「買い取ってくれるんかな。まぁ確かに窓口が集約されてるのも効率的と言えば効率的だな。人材派遣と卸売業みたいなもんか」
「そっすね。アタシたちは売る相手いませんから、冒険者ギルドで買い取ってくれるならありがたいじゃないっすか」
「それはそうだな。ゆくゆくは独自の販路も出来るのが理想だが」
「まぁそれはおいおいっすかね」
「まだ売り物も少ないしな。薬草、果実、肉、塩くらいなもんか今は」
「薬草はなんか収入は少ないっすけど安定した売り先があるのは安心っすね」
「おう、なんせ俺たち無職みたいなもんだからな。とりあえず日銭を稼げるのは良い。ただ他のものをどう売るかだよな」
「まだ塩は市場調査中なんすよね?」
「おう、だから次は果物とか野菜とか、農民スキルで入手できて、そんなに異常じゃないものの売り先を考えなきゃだな」
「市場とかで売ればいいじゃないっすか」
「まぁ市場とかそう言うのがあればいいよな。帰ったら探してみようぜ。よそ者でも参入できるといいんだが」
「じゃあ戻ったらアレックスさん達にでも訊いてみますか。せっかく恩売って仲良くなった事ですし」
「そうだな。いや言い方」
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