かき氷(secret base~君がくれたもの~)

最初のひと口。

食事の最初のひと口にはふた口目以降にはない感動がある。


かき氷はそれを最も感じられる食べ物だと思う。


氷とシロップ、そしてそれを覆う空気で出来るひと口は、甘さと冷たさが心地よく歯に響く。


でもそれはふた口目からはどんどん重たくなっていき、最終的には僅かな苦痛に変わる。

食べるペースは少しずつ落ちていき、テーブルに置かれたばかりのときは魅力的だった山は溶けて、後悔と戸惑いの水溜まりになる。


ひと口目は美味しかったシロップも溶けてしまえば、飲むのも躊躇われる甘すぎる水になるから恐ろしい。


スプーンで何度かその残りの液体をかき混ぜるが諦めて席を立つ。

綺麗に完食された隣のテーブルの器を見て、来年こそはと思う。


そんな今日の1曲。

ZONEで『secret base ~君がくれたもの~』


2022年の夏もあと少し。

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