エチオピア気分(えほん)

原色がまばゆい服を着て踊る人々を映すテレビ、壁に貼られたどこかに吸い込まれてしまいそうな目をした人々を描いた絵、そしてそこに集まるさまざまな国の人々。

隣のテーブルと後ろのテーブルからとでは違う言語が聞こえてくることに驚いた。


初めて行ったエチオピア料理屋は、まるで絵本のようだった。


子どもの頃の絵本といえば、1ページ1ページめくる度に必ずわたしに知らないことを教えてくれ、想像したこともない世界に連れて行ってくれた記憶がある。


階段を地下に向かって降りて開いた扉の先は、まさにそんな世界が広がっていた。


何が使われているのか、全く馴染みのない料理名の隣に書かれた短い説明からは想像もつかない料理のひとつひとつをしっかり味わう。

つい話すことを優先してしまいがちな最近の食事を、少し反省する。


初対面のスパイスの風味、普段食べない山羊肉の食感、そしてなぜかところどころにどこか感じる懐かしさ。

日本語が非常に上手なおそらくエチオピアの方であろう店主の方も物語の登場人物のようだった。


エチオピアという地に自分が立っていることはあまり想像ができないけれど、全く知らない自分ではなくなったことがとても嬉しい。


そんな今日の1曲。

Mrs. GREEN APPLEで『えほん』


わたしが大切にしている絵本の話はまたいつかさせてください。

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