リシアの休日 その後

「やー失敗したのだよ〜」


 家に戻ったリシアと侑花は(主に侑花は)、頭を抱えていた。


 失敗した、どころじゃないわよ。あーもーどしよ。いきなり姿出したり消えたり。もしかしたら、飛んでるとこ見られたかも。写真なんか撮られてたら、もう学校に行けない。

「大丈夫、大丈夫。一瞬だったし」

 その根拠はどこから湧いて出るのさ?

「侑花は心配しすぎなのだよ」

 む……リシアが大雑把すぎるの!

「ええ? あたしのどこが大雑把だと言うのかな?」

 全部よっ!


 カチリ。

 リシアの中で、何かのスイッチが入った。


「ほう。侑花はあたしにケンカ売るというのだね?」

 

 売り言葉には買い言葉だ。

 侑花は、リシアの挑発に即応した。


 いいでしょう。買いましょうそのケンカ。

「いい度胸だね、侑花。人間が魔女に敵うとでも?」

 私は、リシアが隠しきったと思っている、秘蔵のDVDコレクションの在処を全部知ってる。


 リシアは一瞬押し黙った。


「……いやいやそんなはずはないよ。あれは侑花が完全に寝入ってから、タンスの後ろに隠した……って、ああっ!」

 で? 人間ごときは魔女に敵わないと。

「あ……いやその」

 いいのですよ? 私にはそのDVDとやらがどうなったとしても。粉々になろうが、傷だらけになろうが。

「……すみません。言い過ぎました」

 

 魔女の力を持ってしても、人間には、特に侑花には逆らわない方がいい。

 そう決心したリシアだった。

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