推しに『推し活』の邪魔されるなんて
江崎美彩
第1
なかなか寝付けずに配信動画をザッピングしていたあの夜。
デビューしたばかりの現役女子高生アイドルグループを見つけたのは偶然だったのか、必然だったのか……
あの日以来、俺の世界は推しを中心に回っている。
毎朝、推しが所属するグループ公式SNSの情報は、更新の新着が無くても念のためリロードして確認している。
推しの交友関係のSNSも、推しに関わる何か新たな情報が出ていないか隈なくチェックする。
推し活で知り合った同好の士とのミーティングで情報に漏れがないか相互確認も怠らない俺は、推しの公になっている情報の全てを把握していると言っても過言ではない。
ーー推しの全てを知りたい。
それは、担当だと自負している俺にとって当たり前の心的欲求だ。
アイドルとファンの関係であればなんの後ろめたいこともない。
なのに……
なんで、君は新学期の教室で転校生として紹介されたんだ?
毎朝していたSNSチェックのルーティンも後ろめたくてしょうがない。
ーー推しに『推し活』の邪魔されるなんて思ってもみなかった……
俺は白み始めた窓の外を眺めると、ベッドにスマホを放り投げて独りごちた。
推しに『推し活』の邪魔されるなんて 江崎美彩 @misa-esaki
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