第9話:労働対価の見直しの必要性 ②

現在は副業を承認している会社も増えては来ているが、そこまで多くない。副業を禁止していると起こる弊害が今回のようにテレワークの推進や非正規雇用従事者の人員整理などの緊急事態の時に職を失うことで出来る事がなくなってしまうという喪失感が起きてしまう。すると、仕事を見つけなくては生活が出来なくなるため、企業側で求人数の減少と事業の縮小などが発生してしまうと従事者側さらに求職者がさらなる経済的困窮を加速させてしまうことになり、結果として生活は成り立たない。特に、家族を養わなくてはいけない人にとって失職は家族の人生も狂わせてしまう可能性もあるため、少しでも諸待遇や給与形態の良い会社を選ぶ人が多い。


 現在は、給与の算定は労働基準法で定められている都道府県別最低労働賃金規定を基準に給与などの決定が行われている。しかし、この規定は地方部の経済状況、物価動向指数の変動などその地域における最低限の生活を営む上で必要な金額を示している。しかしながら、地方部は必要雇用数を下回る傾向にあり、この状況下では実支給賃金と労働量が反比例しており、このままでは安価雇用の慢性化などが顕著に表れ、地方の経済サイクルは崩壊をする可能性が高い。


 特に地方部は人口自体の減少の加速により、地域経済の安定を図ることが難しくなり、商業施設などの撤退や倒産など人口減少が拍車をかけてしまい、その地域での若年層の雇用を確保出来ないため、その人材が中心都市へと流出してしまっている。その結果、地方には若年層は高校生までは一定人数がいるが、大学生になると急激に減少している傾向にあり、そのまま地元には戻らずに都市などの利便性の高い場所での生活を検討してしまうのだろう。


 一方、地方では個人の出費は多いが、その出費に対する労働等による所得割合が不均衡を起こしてしまい、所得に対する消費目的が限定されてしまうなど特定の部分では消費貢献できるが、それ以外もしくは多角的に消費をしようとすると時間がかかってしまうのは賃金格差や一定水準までの到達時間の格差が生じているからではないだろうか?特に地方部は自動車や家など維持・管理をしなくてはいけない所有物が多く、それなりの所得がないと全てを賄うことが出来ない状況にある。そして、地方ほど潜在的労働人口の割合が多いこともこれらの数値が示しているのだろう。なぜなら、このような人たちが働く場所はあるが、過労や精神的なストレスにより、体調を崩して失職してしまうことも少なくはない。特に重労働を伴う分野に関しては体調を崩してしまうと業務自体に影響が出てしまうため、休職などに入ってしまうと人員の補填をしなくてはいけないが、前述の通り、地方部の労働人口が減少傾向にある。そうなると、新規の社員採用が順調に出来る可能性は低く、場合によっては採用が出来ない状態が長期化する可能性もある。すると、既属の社員や作業員で賄うことになる。このことで一人の仕事量が増加していき、業務内容によっては引き継ぎが必要な部分もあるかもしれないが、状況によっては上司などから情報を集めて、プロジェクトや企画を遂行しなくてはいけない場合もある。すると、業務量が一気に増大した場合にはドミノのように体調を崩す社員や作業員が出てくることを想定しておき、仕事を細分化しておくことも緊急時に複数の社員が同時に情報を共有できるだけでなく、労働の対価率を減らすことが可能となる。

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