第4話:雇用の充実 ②

これが長期化することで慢性的な人員不足を引き起こし、労働基準法など労働法に遵守した労務管理が難しい。そして、今はネットの環境も整備されており、すぐに悪評が回ってしまうことも懸念材料として危惧されてきており、なかなか一歩踏み込んだ対応をすることも容易ではない。


 これは首相サイドの見解を聞いてみたいことだが、現在の労働環境の格差もそうだが、同一業界内における賃金競争の激化により、人材が流動的になっている傾向にあるだけでなく、異業種・業界への流出により、待遇や年間休日など労働と休日のオンオフが付けられる人材の偏りが発生する。そのため、就職活動の進捗を見ても大手企業や中小企業でもホワイトに近い企業ほどエントリー数が多く、応募倍率もかなり高くなっている。これは決して“有名だから”・“この会社なら間違いないから”という人だけでなく、この会社なら自分が働いていても無理をしないで済む、もしも結婚するとしても結婚相手も安心してくれるなどいわゆる“マイ・ステータス”の一環として考えている人も少なくはない。


 ただ、一方で業績に左右されるだけでなく、職場環境があまりにも悪化しているような状況も見受けられるだけでなく、日本における悪習なのかわからないが、労働内容に対して待遇を含めた労働対価の不均衡が目立ち、“労働者の安労働”を助長しているような状況も起きている。これを国もしくは厚生労働省としてはどのように捉えているのだろうか?そして、以前に潜在的労働者の水準が上昇しているだけでなく、不登校など継続的な社会拒絶などが根底にある場合にはそれらの要因を取り除き、彼らが自信を持って社会へと羽ばたいていけるように周囲も協力をしていく必要があり、いじめなどの悪質とも取れるような起因によりそれまで構築してきた事柄を用いること、安心して社会参加をする事への困難さを生んでいる。そして、仮に彼らが社会で働くことが出来ても、同じような状況に遭ってしまうと心が揺らぐだけでなく、精神的にも安定しなくなり、最悪の場合には出社が出来なくなることで罪悪感を生んでしまい、出勤できる回数が減っていってしまう。


その結果として、彼ら・彼女たち自身が自ら社会という舞台から飛び降りてしまう。そうなった場合に彼らに残された選択肢は家に引きこもるか自分の個性を見つけるための旅に出るかもしくは最悪の展開を想定するしかないだろう。


 このような状況に陥ったとしてもこのような経験を一度してしまっていることで当事者間の心の中には“自己肯定感の喪失と崩壊”が始まっているという事実がある。これは、いくら頑張っても空回りする事が多くなり、自分なりに考えながら業務をこなしていても結果に結びつかないことが増えることで自分の中にある心のブレーキも同時に壊れていき、自分という存在が右往左往してしまうのだろう。それだけでなく、彼ら・彼女たちにとっても今までやってきたことが間違いだったのか?きついいじめを受けながらも頑張って業務をこなしてきたが、そのことが正しい判断だったのか?間違っていなかったのか?様々な経験を通してそれなりに自己解決をしてきたが、自分の可能性を失うことが慢性化していることは仕方ない。という半ば諦めを強めなくてはいけない心情も湧き上がってくるのだろう。そして、そういう経験をした人が元の対面業務が難しく感じるようになり、人によってはネット動画投稿者やライブ動画配信者やブログ投稿など極力人と対面で仕事するのではなく、画面もしくは文字媒体を経由して仕事をしたいと考える人が増えていく。これは、日本が真剣に取り組まなくてはいけない問題であり、彼ら自身だけでは何も出来ない。もちろん、その人が雇用機会を得られること、自分のやりたいことが他者から共感を得られることも重要な立ち位置の変化を意味している。しかし、完全に自信を失ってしまい、立ち直れなくなるほど真っ暗な闇のトンネルの中で闘っている人も少なからずおり、その真っ暗なトンネルがどこまでつながっているのか疑問に持つ人も少なからず存在しており、これらの問題の背景に起因している人をどこまで救済対象とするのか、どのように支援をするのかという課題は残るが、まずは若年層の雇用の拡充と病気療養後の復帰するプロセスの整備と実施、個人事業主として再出発する人には一定程度の貸付などの財政的・経済的支援の実施など簡単にはいかないが、それなりの支援を検討しなくてはいけない。


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