第3話:雇用の充実 ①

 現在の日本では様々な仕事が存在し、それぞれに事情は異なる。ただ、1つ疑問に感じるのは非正規雇用者・特定休暇取得者などの待遇や契約に関する観点だ。


 今の日本には正規雇用従事者(法律で労働権を保護されている)と非正規雇用従事者(法律で労働権を保護されていない)という二極化を生んでいる。そのため、現在のような緊急事態の際には大きな差を生んでしまう。これらの状況を改善するには法律を改正するか、非正規雇用者保護のための特例案を出すかしかない。ただし、非正規雇用でもフリーランスや特例失業者などに関しては諸事情(オファーされていた仕事を他社(者)都合によるキャンセルもしくは延期によるダブルブッキングなど)により所得計上見込額を大幅に下回り、生活に必要な最低限の一定所得を得ることが難しいもしくは病気療養など労働不可もしくは条件付き労働可により生活限度の保証が難しいなど状況は変わってくる。そのため、テレワークを推奨する際にも全社員がきちんと平等な労働環境の提供を受けることが可能でかつ賃金の支払い条件を満たすことが可能になるようにしなくてはいけないと思う。


 今の日本では正規雇用者でなくては経済に貢献することが難しい状況にあるように感じる。そのため、正社員というのはすなわち自分たちの生活を豊かにすることにつながると考えているのだろう。しかしながら、非正規雇用であっても正規雇用であっても先行き不透明の状態に関しては共通項が存在する。だからこそ、消費の仕方も緩やかな傾向が双方に存在し、彼らの中で万が一の事態に備えて給料の貯蓄(貯金)をする事はあるが、正規雇用者と非正規雇用者では月額の貯蓄額も異なるが、最大の貯蓄の分かれ目が賞与の有無や特別手当などの臨時支給があるかどうかだ。正規雇用の社員の場合は給料の一定割合を貯蓄する人が多いが、営業職や企画職などは歩合給を貯蓄している場合が多いため、どちらかというと一定水準の給与が定期的に入ってくると考えても問題はないだろう。しかし、非正規雇用の場合は賞与などの待遇を望むことは難しい。まず、ここから正社員とその他の雇用区分の大きな差だろう。


 今の日本の場合は非正規雇用が重宝されているような印象しかない。なぜなら、会社の業績で人員の調整がしやすく、派遣社員であっても特別な事由が発生した場合には違約金が発生する場合もあるが、社員を手放すことが可能となる。つまり、正社員であると法的な観点からも人員の調整が難しく、解雇や退職させるためには財政困難などの存続に関わる状態になることが必要になる。一方で、そのため、会社によっては社員をランク付けして、下位にいる社員を濡れ衣もしくは自宅待機など直接的人事や解雇に至るプロセスを提示する過程を見せずに、会社側が不当に解雇した事実や証拠を残さないできれいに辞めさせてしまう場合もある。特に、非正規雇用の人材も多いが、一番多いのは出向などにより協力会社で勤務している場合に多く発生している。特に職場間のミスマッチングがそれらの事態を引き起こしている事例もあり、人材不足を引き起こしている業界ほど人材の選別と格差が広がり、労働者の流動性を加速させてしまっているのだろう。だからではないが、重労働の業界ほどきちんとした賃金設定と労働対価の精査、資格手当などの諸手当の従量水準の確立などが必要になってくる。


 現在、様々な求人を見る機会があるが、日本は育成文化が根付いていないために即戦力を求めることが多い。これは人材不足が進んでしまう入り口になってしまう可能性も少なくない。なぜなら、最初からそれらの提示した条件にあてはまりかつ応募してくれる人はいると思って求人を出してもそのような人は多くはないため、条件を見ただけでなかなか応募のきっかけにならないことが多い。特に各種免許を必要とする職種に関しては最初から取得者を見込むのではなく、ハローワークなどの資格取得に関する支援金制度を活用するなどして本人に自発的に取得する機会を与えなくてはいけないように感じる。そして、雇用を考える上で最も問題として上がりやすいのが、新卒の離職率と長期休暇やブランクのある社員の労働環境における整備ではないだろうか。


 特に今の日本では潜在的非労働人口の増加に伴い、人材の確保が難しくなっている傾向にある。そのため、1人にかかる負担が大きくなってしまい、そのような環境が要因となり、さまざまな弊害や労働災害などを引き起こすことで人材が一定期間人員減もしくは補填不可の状態になってしまう。

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