第7話~麗奈さんはサバゲーマニアです~
城門の辺りが騒然としはじめたことに、勝家は近くの兵士に聞いた。
「騒々しいが、何事であるか。」
「柴田様、何やら怪しげな乗り物に乗った若者が、城門の前で騒いでいるとの事です。」
守備兵の報告を聞き、城之内と麗奈は顔を見合せた。
「城之内さん、真弥達が戻ってきたみたいです。」
「そうで御座るな。早く出迎えに行きましょうぞ。」
麗奈と城之内は、急いで城門へと駆け出した。
二人が城門の近くまで来ると、何やら黒い物体が物凄い勢いで城門を潜り抜け、目の前で横向きに止まる。
「城之内さん、信長さんが危ないんです。急いでください。」
「桐妙院殿、少し落ち着かれよ。殿がいかがなされた?」
「信長さんと秀吉さんが、街道でコボルトに囲まれて苦戦してます。だから城之内さんに助けて欲しいんです!!」
「桐妙院殿、何を言っておるのかさっぱりわからん。『秀吉』とは誰で御座る?『こぼると』とは何で御座るか?」
「今は、説明している暇はないんです。とにかく、信長さんと秀吉さんが危ないってことだけは理解してください。」
真弥が慌てた様子で、城之内に説明をしていると勝家が兵士達を伴って城門へとやって来た。
「景光、何やら騒がしいがどうかしたのか?」
「柴田様、詳しくは解りませんがどうやら殿と『秀吉』なる人物が危ないらしいので、某が救援に行って参ります。柴田様は後程、馬の用意をお願いいたします。」
城之内は勝家に馬の用意を願うと、近くの兵士に「某の鉄砲を」と頼み鉄砲を受け取る。
「殿にも困ったものだ。考えなく町を飛び出すから、我らが慌てなくてはならんのだ。まったくあの『うつけ』が!!」
勝家が信長に対して悪態を吐くと、
「いかに柴田様と言えども、殿に対してのその暴言は謀叛ととってよろしいか?」
城之内の目が据わり、勝家に銃口を向ける。
「景光、じょ、冗談だ。本気にするな。」
「柴田様、貴方のような立場ある方がその様なことを口にすれば、冗談とは言えないで御座るよ。」
勝家が慌てて城之内に弁明をしたが、城之内の目は据わったまま銃口だけを下げる。
勝家は、城之内が銃口を下ろしたことにホッとし側にいる兵士に馬を3頭用意させる。
「では柴田様、我らは先行して殿と『秀吉』なる人物の安全の確保をしておきますので、馬の用意が出来次第追いかけて来てくだされ。」
城之内が勝家に先行する事を伝えた時、
「真弥、私も行く!!」
麗奈が、ついて行くと言いだした。
城之内と勝家は、驚き麗奈を見る。
「城之内さん、私にも銃を貸してください。」
城之内は、更に驚き
「れ、麗奈殿!?鉄砲は、危ないで御座る。ここで待っていた方が良いで御座るよ。」
「いえ、行きます!!銃はまだですか、早くしてください。」
「えっ、姉ちゃんも行くの!?」
「桐妙院殿も、心配しているようなので…」
城之内は、真弥が麗奈の心配をしていると思っていたが、真弥の次の言葉を聞いて絶句する。
「姉ちゃん、ありがとう。これで信長さんと秀吉さんの安全は確定だね。」
「小僧、それはどういう意味だ!?この娘に何が出来ると言うのだ!!」
真弥が麗奈に礼を言うと、勝家が真弥に意味を尋ねた。
「姉ちゃんは、『サバゲー同好会』に所属しているので、銃の扱いは心配要りません。」
「『さばげーどうこうかい』なるものは、鉄砲隊か何かなのか?」
「柴田さん、説明は後でいくらでもしますので、今は信長さんと秀吉さんの救出を最優先にしましょう!!姉ちゃん、スカートはちょっと…」
「じゃ、迷彩服に着替えて来るからちょっとだけ、待ってね。」
数分後、麗奈は迷彩服に着替えて来た。
城之内と勝家達はポカンと口を開けて、麗奈を見ていた。
「お待たせ。城之内さん、銃は用意出来ていますか?」
「れ、麗奈殿で御座るか?着物が違うので、誰だかわからなかったで御座るよ。」
そう言いつつ麗奈に、銃を渡す。
麗奈は、笑顔で受け取り真弥の後ろに乗る。
「えっ、姉ちゃんが後ろに乗るの?」
「急がないと、信長さん達が危ないんでしょ?なら、さっさと行くわよ。」
麗奈は脅迫するように、真弥の背中に銃を突き付けた。
びくっと肩を跳ねさせ、真弥は「リョーカイデース」と片言で返事をする。
「それじゃ、城之内さん先に行ってきます。」
真弥は、城之内にそう言ってバイクのアクセスを
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