第8話:相互理解・承認の大切さ ②

国や経団連などがそのための環境を整備し、才能があるなしに関わらず本人の夢を応援することが労働者不足の解消もしくは既存企業の協力体制の構築に寄与することができ、双方に不利益を被らせることも少ないとみている。


 私は組織で生きることが難しい人に対してどのように仕事を与えるかも社会を含めた働き方改革も必要になると思っている。だからこそ、もう少し目線を下げる必要があるように感じる。今の日本では働けている人が多いというイメージが先行していて、働いていない人は悪人のような扱いをされる。そのため、そのような人たちが本心ではない部分に苦しみ、かなり肩身の狭い思いをすることが多い。それでは、実際に働けるようになってからの状態を維持することが難しくなる。仮に維持することが難しくなると彼ら・彼女たちは“自己承認されているのか?”という混乱を引き起こすことや自責の念が強まってしまいだんだんと追い詰められてしまい、最終的には仕事を辞めてしまう可能性があるのだ。


 だからこそ、“働く”ということが全て同じ意味を持つようなイメージであってはいけないのだ。外に出て働くことが出来る人は外に出て働くことを選ぶことで企業などに対して貢献できる。外に出ることは難しいが、さまざまなアイディアや小説などを書くことが得意な人は自分でアイディアを具現化して社会に寄与することでも、他者からの相談に対して応える個人のコンサルタントでもいいし、法人に属して幅広くコンサルタントをすることもいいだろう。とにかく、今の日本には相互協力に関する行動を含めた一連の考え方があまり好転しているようには思えない。なぜなら、本人たちが描いている夢や希望をどのように叶えるのか?どのように叶えることが近道になるのか?など個人のライフプランがどの程度安定していき、どのような設計を描くことが大事なのか?を十分に認知させる必要があるのだろう。例えば、100万人新卒の学生がいるとして、メディアなどが「今年の新卒者の全体採用人数は70万人程度の見込みです。」と伝えたとすると、70万人に入るためにさまざまなことをするだろう。ある人は志望する企業に入社するためにたくさんの資格や必要知識を覚えようとする。ある人は下の人の気持ちを知りたいと言うことで現場からステップアップしようとする人もいる。もちろん、それらは大事だが、万が一70万人からあふれてしまった際に本人たちは絶望してしまう。そして、就職失敗を起因とした自殺などが起きてしまうのだ。


ただ、今は少し前と比べると“働く”という意味合いやベクトルが異なっているように感じる。それは、今の学生はほとんどが学生時代から副業的な立ち位置でライブ配信や個人でチャンネルを立ち上げて活動している人は多い。そして、人によってはそれなりに収入がある場合がある。しかし、ほとんどの学生はそのようなことをせずに大学生活を過ごしてしまう。なぜなら、大学を卒業しているというステータスに依存してしまっているからだろう。

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