第2話:判断基準のズレ ②
現在は職業の多様化により本業と副業の区別が付かない状態になることが多い。例えば、本業は会社員でも副業で動画投稿者などをしていた場合に企業側はどのように思うかは各社の判断になるため一概には言えないが、ほとんどの会社は副業を認めているが、全面的に認めている訳ではないため、自分の夢を叶えるために働く人の大半は副業が制限無く出来る企業を選ぶのかもしれない。そのため、毎年採用倍率が高くなり、そこに受からなかったときにはパートやアルバイトなど自らの活動に制限のかからない雇用形態を選ぶ人が増えていくのだ。そして、一定の軌道に乗った際には副業を本業として活動していくため、企業にとっては育成などに費やした時間と費用の損失につながりかねないのだ。
企業としては長期間働いてもらえるとそれだけ会社の利益につながる。しかし、以前のように終身雇用は担保されていないため、短期間で退職する人が出てくるなどある程度の損失などの覚悟は必要になる。これは社員も同様だ。会社というのはいつどうなるか分からない面もある。だからこそ、会社の状態を常に把握し、これらの問題に対してなんらかの行動を起こすことも重要になってくる。しかし、本人の夢の実現や本人にとって肯定的な出来事が続かないと本人にとっては会社にいるメリットを感じなくなってしまう場合がある。
そして、労働対価と自主制作の時間を天秤(てんびん)に掛けて自主制作の時間に重きを置く人もいる。理由としては、下積み期間が必要になる場合など目標到達に時間を要する場合には本業と副業を並行して行わなくてはいけないのだ。ただ、このような悩みが出来る人はまだ贅沢な悩みかもしれない。なぜなら、表面化されている件数は多くないが、知らぬ間に解雇されてしまう、強制的に辞めさせられてしまうなどの外因的要因により突発的な不利益を被る場合も少なくない。本人には解決するためのプロセスや方法が見出せず、個人ではどうしようもないことが起きている現実があるからだ。私もこれらの問題は近くで見たこともあるし、聞いたこともある。だからこそ、これが労働者の権利を行使できない要因につながっていくのだ。これらの事例を紐解いていくと違法性の高いものがほとんどの事例で見受けられ、ほとんどが職権や優位性を利用した一方的な解雇や追放、本人を追い詰めて「退職します」と言わせて一身上の都合として処理することで会社側の責任を回避するなど雇用責任に対する意識が乏しく、これらの問題に対する問題意識も一定の水準に達していない場合が多くなることで慢性化することが出来るため、これらの行為を気に入らないなどと思う人材などにやっているという現状がある。しかし、これらの問題はそれらの行為を正当化した際に企業などの法人と個人ではパワーバランスが異なり、個人では会社など法人側との関係性の悪化や会社に損益を与えるなどした場合に法的トラブルに発展する事があり、場合によっては名誉毀損罪や偽計業務妨害など会社側に対して不利益を被らせること、信用を失墜させたことで業務に支障が出たなどという理由で裁判を起こされる可能性もある。だからこそ、労働基準監督署やハローワークなどにきちんとした事実を伝えて、そのような行為を受けたことがあり、会社が信用できないという状態にならないよう適正な審査を経た会社を紹介してもらうことが重要だろう。
今の日本は個性が高くても、感性が良くても、 才能が無いと採用には至らない場合が多い。そして、人気になるにも数字を出せるか?・万人受けするような人柄か?など会社にとってメリットを感じるような人になる必要がある。しかし、私はこれらの逆で良いと思っている。なぜなら、1人1人描く形は違うため、これらを全て基本構想とみなしてそれぞれの良い部分だけを組み立てていくという手段が必要だろう。もちろん、これは組織の場合だが、個人の場合はその人も1人の人間であり、その人の活動が無駄にならないように永続的な支援を必要とする。しかし、日本の場合は表に出ている内容と実際に起きている内容にはズレが生じている場合が多い。これは、他国のように会社員のように組織で働く人と自ら活動や起業をしてやっていきたいという人がいるとしてもほとんどが自力で開拓しなくてはいけない。その上、経歴などのブランドバリューや社会におけるネームバリューなどを重視する社会のため、大物や有名人が紹介するなどしないと多くの人の共感は得ることが出来ない。つまり、多くの人の共感を得ないと個人では生き残れないということになる。しかし、組織ではうまくいかない人が個人で活動することや個人でアクションを起こしたことでストレスが軽減されているという実体験が背中を押してくれるのだ。
現在の働き方の形はいくつもある。だからこそ、夢を持っている人、似た考え方を持っている人などが有効的に適材適所で活躍できるように環境の整備をする事と各企業における人材確保の柔軟性がこれからの社会が好転するか悪化するかの判断材料になってくるのだ。
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