第二十八話『サブ機?とやってきた奴』
「ジャンク屋にやって来たぜ!」
「よぉ兄ちゃん!買ってくかい!?」
ここはジャンク屋。言い方悪いけど、BAって高く売れるんだよねぇ……。主にぶっ壊れた後のガラクタだけど。しかし俺の目的はそこじゃなくてだな。
「あぁ。ちょっとね。……『ガラクタの七輪』」
「……裏口はこっちだぞ」
『
『これなら男も着れるんじゃねぇ?』
『確かに!』
って感じで作ったのがコレだ。さて今の段階はどうなってるかなっと。まぁそこまで凄い訳じゃないだろうが……。
「ワァッ凄い出来上がってる!?」
「まぁ元は出来合い品だからな!それをくっつけてるだけだし!……。それより、さっき俺が着てみたんだけど、全然ダメだ」
「そうか……。ダメなのか」
「いや、しかしな?ちょっと気になるパーツを見つけたんだ、作ってる時に……」
そう言って、オッサンはBAのコアを見せてくる。コレのどこがおかしいのか?と、一瞬俺も思った。だが間違いなくこいつは異常だ。なぜかセーフティーが付けられている。
「セーフティーロックか……。誰が何のために付けたんだ?」
「だよな?俺も流石にこいつは変だと思ったんだよな……。しかし解析しようと何個か見てみたんだけどな?……全部解剖しようとした瞬間ぶっ壊れた」
「はぁ?!んな事あるか!?」
「そうだ!こいつは何かウラがあるよ!と言う訳で、一個お前にやるよ」
……。これか。開けたら爆発するんだっけ?ヤバいじゃん……。範囲は多分それほどでも無いんだろうなぁ。この裏ショップで開けて問題が無いんだから。
「なお一層目は俺らでも攻略出来たんだが、二層目以降は更に爆発するらしいんでやめにした」
「……威力は」
「この前お前が戦ってたスタジアムがドン!するレベル」
「誰だよ作ったの」
名前は……書かれてるんだよな、普通は……。いや書かれてるな……、この名前を見た事がある……。でもコレは……。いやあり得ない。だってそんな訳無い……。
「なぁオッサン」
「なんだ?」
「会社名は『
そう、この前でてきたBAカンパニーの本部、そして葛実が建てた会社である……。鋼鉄王!あっ思い出したらなんか腹立って来たなぁ!
「お前のぉ?」
「あぁ。あいつはもう……金の亡者だ!嫌い!もうほんと大っ嫌い!!」
「よ、よっぽど嫌いなんだな、そいつの事……。何があったの?」
「吸収合併を繰り返して中小企業を全部粉々にした?」
「何やったの?」
まぁ例え理由があっても、あのBAカンパニーの関係者って時点でロクな人間じゃねぇ!例え会社的にいい奴だろうが、俺はその一点だけであいつを一発殴ってやりたいよ!一発どころか何十発もな!
「ま、まぁそれならそれの解剖はお前に任せるよ、うん」
「悪い。じゃあ俺帰る……。あ、それ見つかるなよ?ド違法だからな、資格もない奴がBAを作るのは」
「分かってら!んじゃぁまたな!」
とりあえずこれから買い物をします。母さんに『一週間は私の用事以外で家を出るな』と言われているからね……。いや、悪かったって。腹に風穴空いたのは不可抗力でもあるから……。
「買い物はどうせすぐ終わるでしょ」
「よぉ、久々」
「あ、絵夢か。なんだ?」
「風穴開けられた時どういう感じ?」
お前真顔でそれ聴くか?普通……。人の腹に穴が開いた事を聞くな!と言うかどっから見てたんだお前は……。そう言えば。今何してんだよお前は……。
「くそ痛かったぞお前……。流石に死ぬからな?」
「だよね!死んじゃうよネ!気持ちいいよねぇ?!」
「今からお前に同じことしてやろうかぁ?ん?」
「え、してくれるの?本当に……?」
「しねぇよ」
まぁいいや、ちょっと聞いてみるか。コイツが今何やってるのかに関して。色々聞きたい事ばっかりだし。本当に。確か銀の父親……葛実だったか、葛実の奴のところにいたっけ。
「なぁ、お前葛実のとこになんでいたんだ?」
「仕事?M欲と僕の欲を満たせるところだからさ……」
「何言ってんだお前。てかマジで鋼鉄王のところにいるのか?」
「まぁね~。と言っても、裏稼業だけど……っと、これ以上言うと仕事クビになっちゃう。いやまぁ別に僕的にホームレスも楽しめるんだけどね?それ以上にアソコの仕事は楽しいと言うか」
「もういい。もう」
頭痛くなって来たぜ……。こいつはもうMをはき違えてるんじゃないか?単なるヤバい奴なのではないのか?一発ぶん殴って……。いやこいつを喜ばせるだけか。
「腹パンよろしく!」
「お前ホントクソだからな?死ね!」
「お゛っ゛!!!……フゥ……。死ぬかと思ったぜ……」
「死ねよ」
帰るかぁ……。どうせ買うもん買ったし……。母さんからレインが増えてきたし。おいおいおいメンヘラ女でもこのレイン量は無いぞ!?バカ多いぞ!?
「分かった分かった帰る帰る!じゃあな!」
「さて、じゃ僕も帰るね」
しかしこの辺は人が多いよなぁ……。んまぁ都会も都会、大都会なので当たり前だな!……嘘つきました。俺の地元に人はいますが、家の近くには何にもありません。
「まぁその辺も魅力か」
「うおわぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!???どいてけれそこの
「なっ、なんだァっ!?」
自転車じゃねぇか!?あっこのコースは直撃するっ!BA!防御!って修理終わってなかったわ。ワハハ!
「ごぼぉっ」
「す、すすすすすすすみません!!!!こっずの不手際で迷惑かけてすません!!!!」
「い、いやいいんだよ、それよりおれのいえすぐだからちょっとまずいこきゅうがとまりかけて」
ヤバい死ぬ!呼吸が出来ない!骨が折れてるかなぁ!?と言うか誰だ!?少なくともこの街にいる奴で無いのだけは分かるんだけどなぁ!?見ろ!俺の体だ!
「誰かぁ!誰か助けてけれぇ!」
し、死ぬ……。
「大丈夫か?」
絵夢……?なんでいる……いやその前に助け……。
「ハッ!?なんだここは!?病院か!」
「大丈夫?」
あっ母さん。
「ま、まぁ大丈夫だと思うが……。また骨折れてる?」
「折れてるって。全く、どうして毎回毎回こんなにケガするの?」
「もうそう言う星の元に生まれてきたとしか……」
……ねぇ?今回のは事故だし……、いや待て、そう言えば俺を轢いた奴はどこに行った!?
「おい!俺を轢いた奴は!?」
「す、すまんかったぁ!
「……名前は!?」
「わ、私は『
「……方言女子!」
クッ!俺は何を言っているんだ!?ぶつかったショックで頭がおかしくなったのか!?いやにしても方言がひどい!どっから来たんだお前!?と言うかなんであの場に絵夢が……。
「あぁ、紹介するよ。コイツは大屋。僕の会社に入社予定の子」
「えっ年上?」
「いや、同学年」
「……コネ?」
「ウチの会社は実力主義」
え?こいつじゃあ下手すりゃ俺より強いの?そんなに強いの?!そうは見えないけどなぁ……。いや見た目は別か、そもそも俺の前に作った腕にしかBAが付いていないようなBAを作ったけど、アレアホすぎて酷かったし……。
「専用機持ち?」
「うん。名前は……」
「わ、私の機体の事、言わんでけれ!それにまだ私も全部使えつる訳やないんで……。そ、それより!何か出来る事あれば私に何でも言ってけれ!」
「コラ!女の子がそんな事気軽に言っちゃダメでしょ!」
何でもするなんて簡単に言っちゃダメだぞ!見ろ絵夢を!何でもするって言われてモルモットにされた経験ありだぞ!まぁ普通に帰って来たけど。あの時はなんだったんでしょうねぇ。
「うぅ……」
「なら私から」
「あっ母さん」
何をするんでしょうか。
「全治二週間の間、白銀を看病してください」
あっ、怒ってる。
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