第十一話~瑠璃視点~『瑠璃VS税豪?』
「ん、アレは白銀のBAではないな」
「先手必勝!吹っ飛べ!」
あっ避けた。まぁ当てる気で放ってないからいいんだけど、やっぱ見たことない機体だね、専用機だ。それも白銀も見たことないって言ってたから……、注意しないとね。
「お前は伝令か何かか?」
「いいや!あんたを潰すために来た!」
「そうか。どうやら専用機らしいが……、私に勝つ気でいるのか?」
「当然」
「!」
また避けた!完全に不意打ちで放った狙撃なのに……!けど今ので体制は崩せた!狙撃ユニットだから本体が動けるんだよなぁ!がら空きの腹にこぶしをぶち込んでやる!
「ぬぅっ」
「ぐっ!」
カウンターで爆発を当ててきやがった!あいつ腕にもブースターをくっつけてるのか!爆風食らっちゃったけど問題はない、それより問題なのは奴の動きだね!こっちの攻撃が見えてるみたいに、ことごとく避けられる!
「成程。流石に冗談を言う程には強いらしい。ではこちらも敬意を表し……本気でツブさせてもらう」
「しまった部下を!」
「よそ見などしていいのか?」
「くっ!」
部下が飛んでいった!けどまだ学校の中には専用機を持ってる子がいるはずだから、気にしなくていいとはいえやっぱり気を取られる!そしてこのパンチは、足のブースターを起動して逃げる!
「ふむ、今のも避けるか」
「機体の性能が違うのよあんたとは」
「だろうな。ではこちらも本気で行くとしよう」
「いや何を……ッ!?増えた!?」
えっ四人に増えたんだけど!?何、分身出来るの!?忍者!?忍者かな!?いやそんなこと考えてる場合じゃない!流石に四人も相手するのは厳しいんだけど!?
「「「「どうやって倒すのか見させてもらう」」」」
「ぬぅっ……!」
四方向からの攻撃は流石に厳しい……けど!遠距離ユニットを潰しておかなかったのはそっちのミスだよね!アプデパッチの一つにあるんだよねちょうどいいのが!
「ぬうっ!?」
「透明な遠距離ユニットだこの野郎」
後ろからの攻撃を透明の遠距離ユニットで封じ、残り三方向は……実力でぶっ飛ばす!右からのは裏拳!左からのはキック!正面から来るのはさっきのキックから回し蹴り!
「どうよ?なめるんじゃないわよ?」
「「「「成程、中々やるようだ。だがお前との戦闘はただ時間を無駄にするだけだ」」」」
「だったら実力で退かしてみなさいよ!やれるのなら!」
「あぁ。そうさせてもらう」
ッ!分身した三人が他の所に、止め……ッ!ヤバいモロに蹴りが!
「ぐあっ!」
「お前を足止めする程度なら一人で十分だ」
「何が一人で十分だよ……ッ!なめてんじゃねーぞ!」
あぁもう!使いたくなかったんだけどねこいつは!武器を生成!巨大な剣を作る!
「む?」
「こいつは私が作った武器なんだけどね。ちょっと出力のレベルを上げすぎてたのよ」
「はぁ」
「ドピーキーなマシンだけど……あんたに対してなら十分でしょ?」
避ける?受ける?全部不可能だ、これの発動はただ一つ、おおきく振りかぶって……切る!それだけだ!
「ぐ……ッ!?」
「ちょっと強すぎるくらいでしょ?機体どころか肉体まで切っちゃうから使いたくないのよ」
「そのようだな。確かに効いたぞ今のは」
このマシンは『ブレード・ハイ』。あんまりにも出力を上げすぎて、相手の機体ごと切っちゃうから公式戦じゃ絶対使えない武器。まさか役に立つとはね、こんなのが。地面ごとぶった切っちゃったけど、まぁいいでしょ。
「ところで、さっきの分身……機械なのね?あんたがそうであるように」
「あぁ、そうだ。先程の四体のうち、三つは機械。この私もその一つ!」
「だったら遠慮なくコレを振るう事が出来るって訳ね!」
こいつは切っても問題ない奴だ!ならぶった切らせてもらうわね!腕の一本はもう切ったけど……
「おいお前。そのBAの機体を貸せ」
「はい。右腕程度ならどうぞ」
「あー仲間がまだいたわね」
直せるのねそれ。だから普通に食らった訳ね。だったら横に切られるのは、どうよ!
「確かにそれは危険だが……当たらなければいい話だ」
一応見えない斬撃なんですけどねぇ?なんで平気で避けてるんですかねぇ?ほぼ溜め無しでぶっ放せる斬撃なんですけど?けど接近して来たなら……こっちの射程圏内だ。
「接近戦が弱いと思ってるの!?」
「くっ素手でも中々……」
「ブースター!」
攻撃を弾いて、がら空きのわき腹にブースター込での全力回し蹴り!ちょっと校舎が壊れるかもだけど許してね!
「な……ッ中々やる!」
「そこには既に遠距離ユニットが停止している」
「何っ!?」
「ごめんそれ嘘」
アプデパッチの一つ、遠距離ユニットを右腕に合体させる事で高威力の攻撃をぶち込む事が出来る!二度と復活できないようにバラバラに砕いてやる!
「おごぉ……ッ!」
「しゃぁっ!」
完全粉砕だこの野郎!黙って死んでいろ!さて残ったもう一人は……
「降参です。私では勝てません」
「そう。じゃあね!」
さてどこに行くべきか、って三階から火が上がってる!?よしそこに行こう!まだ誰かいるかもしれないし!でも三階には白銀が行ってて……あぁもう!
「誰かいる?!」
「ちょ、ちょっと待って!生徒!生徒だから!」
「じゃ生徒手帳出しなさいよ」
「えっーとちょっと待ってねってなんで殴って来るの?!」
「かかったわね!この学校に生徒手帳は無いのよ!胸についてるバッジで確認出来るのよ!」
「おっやりやがったなこの野郎!」
ん、こいつも専用機?にしてはなんか私たちとは全部が違うような……。なんというか、黒い?ってか、今顔を変えてなかった?!ちょっと?!
「クソが!こうなったら逃げましょ!バイバイバイバイサヨナラサヨナラ!」
「あっ逃げた!?」
と言うか途中から透明になったし!なんなの今のBA?けど生徒じゃないから気にしないでいい!多分奴らの仲間!で誰かまだいるかなぁ一応避難は完了したって感じ?
「そう言えばまだ奴の本体が見つかってないんだった」
でも説明しようにも連絡手段がね。私のスマホさっき殴られた衝撃で粉々になっちゃったし。とりあえず誰かと合流するのが先か、それともさっさとさっきの奴を探すのが先か……。
「とにかく誰かと出会う方にしよう!あっちは本気で殺しに来てる!」
けどこの階には誰も……。って上に誰かいる?!屋上……。ナナシか!いや確かに避難する必要は無いだろうけど、だからって見捨てて良いって訳にはいかない!
「うわ屋上敵めっちゃいる」
既に制圧済みって訳?そしてあいつらは生身だからこれは使えない、普通の武器は……あるじゃん!これ使わせてもらうね!
「で、ここに誰かいたってのは本当か?」
「えぇ。けど今は誰も……うっ!」
「えっ何がっ!?」
二人の顎砕いて制圧!急いで助け出さないとね!優秀な技術者を狙うとは……、許せん!
「大丈夫ナナシ!?……ナナシ?いるの?」
「あ、あ、あの……」
あっナナシはいないけど他の子がいた!ここに逃げ込んだはいいけど出られなくなったのかな?まぁいいや、とにかくここから逃がさないと!
「あっ大丈夫あなた!?」
「は、はいぃ!け、けどいま、今はその、やることが」
「何?忘れ物?後で取りにこれない?」
「だ、だめ……、むり、今すぐにでも、じゃ、ないと」
うーん、どうやら相当重要なモノみたいね。何かは分からないけど。……今から避難するにしたって、この敵襲の中を一般人を連れて搔い潜るのはちょっと無理があるね。
「しょうがない。私もここにいるからソレ、一緒に取りに行きましょ」
「あ、あの、した、下に」
「下?あっなんか扉がある」
えっ?屋上からこんなところに繋がる連絡通路あったっけ?で、ここにあるって言うの?
「あなたナナシの関係者?」
「は、はい。そうです。ナナシさんから、その、BAを、ですね」
「了解、取ってきなさい。ここはそれまで守ってあげる!」
「あり、ありがとうございます!」
さてと。どうやら更に敵襲が来たみたいね。
「どっからでもかかってきなさい!全員ぶっ飛ばしてあげる!」
何があるのか知らないけど、私以外にも強い奴がいる!それに、ナナシの関係者なら……白銀の専用機があるかもしれないここは破壊させられない!
「来い!」
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