第五話『実力と言う圧倒的差』
「じゃあ一組目は誰から……」
「やる、どいて」
おっまずはパールが戦うみたいだな。確かに奴の強さは少し気になっていたからな。ちょっと見ておこ。専用機持ちって話だし。
「ぐぬぬ……負けるもんか!」
「汎用機体で勝てると思っているの?」
アレが奴の専用機、『金剛白金』か。やっぱ見た目文房具だな、あいつ。でも強いと言う噂だが……、果たして?
「遠距離ユニットが強いんだから近寄れば……!」
「無駄」
遠距離ユニットを対策して近寄ったようだが、その結果腕に付いてるアレで速攻撃破されたようだな。汎用機程度なら一撃で即破壊とは、相当な強さだな。さて次は……あ、俺らか。
「じゃ、行くとしますか!」
さて相手の機体は……、やっぱり専用機じゃないんだ。でもガッチガチにアレンジしてるな。イエロールールで壊されたBAは復活は出来ないけど、もう一度作ることは出来る。けどあのアレンジはぶっ壊されたらもう復活出来ないようだな。
「さて。先程聞いていましたよ」
「何をだ?」
「あなたの機体が自作していたと言う事をです」
「あー」
そう言えばそんなこと言ったなぁ。嘘だけど。と言う事は多分こいつは俺の機体を壊せばもう二度と作れないと思ってるんだろうな。だってそう言う目をしてるもん。明らかに俺の事を下に見てるって目だもん。なめんじゃねぇ!
「正直。あなたのような者が専用機を持っていると言うのが非常に腹立たしいのです」
「そうかい。それ以上ごちゃごちゃ言ってねぇでかかってこいよ!拳で語ろうぜ!」
「やはり男と言うモノは野蛮ですね。ここで私が立場と言うモノを教えてあげます」
「そ、それでは試合……開始!」
さっきは聞き流したが、ちゃんと先生が開始宣言してるな。さてまずは相手の動きを確認させてもらおうかね、少なくとも汎用機で戦おうって言うんだから、それなりの実力はあるよな!さてまず上に飛びまして?
「先手必勝!」
んで煙幕弾を放ちまして?成程成程、こうして目くらましした後攻撃して来ようという訳だな。それは別にいいんだけどさ、俺の武装をよく確認したか?まー見せてないから知らないだろうけど!
「遠距離ビットを射出!」
こいつは特殊兵装の一つ、遠距離ビット!大体テニスボール程度の大きさが時速50キロ程度の速度で飛んでいくと言うモノ!当然ながら当たれば大ダメージ、そうでなくともこの遠距離ビットは二つあるので実質三対一の勝負を仕掛けられると言う事だ!
「なんか動きが無いですね」
「いや、攻めあぐねているんだろうな。あの遠距離ビットが当たれば恐らく普通のBA程度なら粉々になる威力だろう。それが彼の周りをまわっているのだから、下手に飛び込めば粉砕されると言う訳だ」
「おまけに先程彼女が放った煙幕のおかげで今どこにいるのかが分かりにくくなっていますね。これは彼女の作戦負けです」
少なくとも、ここで焦って飛び込んでくるような奴じゃない。ここでやることは遠距離ユニットでの狙撃だろう。まぁ撃ってきたら即座にぶっ飛ばすだけだが。しかし何も動きが無いのだが、何を……
「ん、下か!」
よく見れば既に足元が盛り上がっている!成程地中なら煙幕の影響も、ビットによる攻撃も食らわないと言う事か了解だ、まぁ既に足掴まれちゃってるんですけど!汎用機体『
「おっ、白銀が打ち上げられた」
「成程地面か。あの装備は地面を潜るための物か」
こりゃビットを動かすのは難しいな。流石にひっくり返された状態から操作するのは無理だからな?目隠し程度ならどうにかなるけど。だったら武装を作るだけ!
「『射撃ユニット』製造!」
「え!?射撃ユニットが出来ましたよ!?」
「隠してたのか?いや、それならビットの時点で重量オーバーだ、まともに動ける訳がない」
そして射撃!まぁ流石にかわすかこの程度は。じゃなきゃ面白くないよな!っともうすぐ地面だ無茶はしない。着地着地っと。
「げっ隙を見せないのに二回目かよ」
いやこりゃキツイって、まだこっちは片足しか地面についてないってまた吹っ飛ばされたぞ!と言うか何気に地面に潜る速度早くね!?やはり汎用機もバカには出来ないか。とは言えこっちもこっちでそれ対策は出来てんだよなぁ!
「『飛行ユニット』製造!」
「飛行ユニットまで!?」
「……アレが専用機か」
なんか外野が凄いうるさいね!そりゃ見せてないからね!そりゃそうか。さて、少なくとも地面に付くのは悪手だな。だが奴を地中から引きずり出さなけりゃ攻撃できない……。
「とか、思ってない?」
当然。作る!今回作るのは地雷ユニット!ぶっちゃけ不人気兵装だ。弱いし罠にもならないし重いしでユニットとして、武器として数える事すらおこがましい弱小武装だ。しかし今地面に潜っているなら、絶大な効果を発動するという訳だ!
「逃げ場はねぇぞ!」
突き刺す系の地雷だ!そして近くの振動を検知して爆発するのだ!やっぱこれ飛行ユニットがあれば完封できるんだから弱いわ。どうしようもないわ。うん、何の異論もなく雑魚武器です。
「チッ!」
いやいや地上に出てきたようだが、土の盛り上がり方からどこにいるか程度は理解できる!ビットを食らえ!あっ普通に防がれた。案外防御力は高いな。
「そんなに接近戦がしたいのか?」
「まぁな、少なくとも……お前のその武装、接近戦は弱いだろ」
「ならその身で体感するといい!」
って普通に爪で引っ搔いてくるんかい!考えてみれば地面を平気で掘り進められる威力の武器とか強いよな!でもやっぱり接近戦弱いだろ。ボディががら空きだ……ぜ!
「ぐぅ……っ!」
空きっ腹に本気の打撃だコラ!流石にこいつは厳しいだろ?腹部の武装は今ので粉々だぜ。まぁ流石に『コレ』は対人戦で使えないよなぁ。下手すりゃ死ぬし。
「で、どうする?」
「流石に一筋縄では倒せないか……!秘策を出そう」
「秘策?」
おっ、BAの変更ですか。汎用機とは言え二台持ちは珍しい……って、なんか変じゃないそのBA?俺みたいな融合型は初めて見たなぁ。大体がボタンを押してナノマシンで装着!って感じだから。
「こいつは隠し通しておきたかった」
「お?専用機だな?」
「一応な!」
成程ねぇ!モチーフはサムライ、ガッチガチに武装してやがる!その上あの剣だ、あの長い剣は相当凄まじい威力になるだろうな!当たればだがね。
「専用機、『
そして更に!更に言えばあの鎧だ!BAと言うメカメカしいデザインから、よくもあそこまで和風に仕上げたものだ!凄い格好いいぞ!オーダーメイドした人教えて?
「あの、先生。先生?」
「……ハッ?!な、なんですか?」
「あー。アレ、止めます?」
「む、無理じゃないんでしょうか」
ハッキリ言おう!普通に考えればあんな重い物を背負って戦えるとは思えない!しかしBAと言うパワードスーツと、ナノマシンで作ると言う自由度の高さがあればこんなロマン機体も作れるという訳だ!
「……」
「……」
恐らく、今動けばただでは済まないだろう。明らかにあの体制は抜刀術だ。そしてあのデカい剣から考えてその射程は一から二メートル程度、その範囲内に入れば、奴は即俺を切り殺しに来るだろう!
遠距離ユニット?多分撃ち落とされるよ。それに相手が接近戦で戦うと決めたんだ、そんな無粋な物を使う訳が無いだろう!この手でぶちのめす!
「範囲に入れば切られると言うのなら、その前に叩けばいい」
「そうか」
さぁ、第二ラウンドだ!
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