第23話  アタッシュケースの行方は・・・?

 それから、街道沿いを進んでおくと、三度の盗賊やヴィッツ・コージュへの怨み目的の襲撃に遭遇した。

 そのせいもあって、アスタナシヤを抜けると、北上し森林地帯を東へ進むことにした。


「鬱陶しいなぁ、じめじめして」


「誰のせいだと思ってるの!?あんたのせいでしょ!!リッセルドがいなければ、さっきの襲来は分からなかったわ」


 そうなのだ。

 この旅で目立たない所で役だっているのが、リッセルドである。


 ダイチは剣士としては、ピカ一だった。

 どうどうと、盗賊や襲撃人と渡り歩いている。

 シベールも火の魔法を使って、撃退していた。

 手慣れたもんだった。


 僕といえば、とどめに皆に水をぶっかけて、退散させるという役。

 僕の精霊に変な事を、させたくないからだ。


 リッセルドは、竜らしく人の聞こえないものを聞き、見えないものが見えるため、盗賊や、暗殺の襲撃の前触れを知らせてくれたのだ。


 先ほどの襲撃もリッセルドの、機転で最小限度の防御ですんだのだ。


 鬱蒼とした森の中を進むこと、二日。

 突然、リッセルドが言った。


『あ~~ あの一番高い樹に最古の鳥のランドクルーの巣がある』


「それがどうした!?」


『その巣に黒色の四角い箱があるよ』


 先頭を歩いていた大地が振り向いてリッセルドの所まで来た。


「本当か!?どうやって、あんな所まで行くんだ!?」

『僕が取ってきてあげるよ。ただし、あのおじさん達には、見られたくないの。だから、先に行ってて!。』


「くれぐれも、大事に扱うんだぞ!!最悪、あの樹のてっぺんから落ちたとしても壊れない鞄だが、もしもという場合もある。鞄が壊れたら、竜のお前でもダメージあるぞ。それくらい怖いウィルスなんだからな!!」


『フ~~~ん』


 リッセルドは、事の重大さが良く理解できてないらしく、首を傾げていた。

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