第22話  襲撃

「もっと、普通の旅の服を着てくれないかしら!?」


 ヴィッツ・コージュと、ル・ルーはとても華美な服装をして、馬に乗っていた。

 これでは目立つことこの上ない。

 しかも金も持ってる、ヴィッツなのだ。悪い奴だが、道中には追剥もいれば、襲撃される危険もある。

 出来れば 、無難な格好をして、普通の旅人のフリをしてもらいたかった。


「何があっても自己責任という事でお願いするわ……」


 最早、怒る気も無くしたシベールだ。

 身体の湯気が急速に冷めていくのが分かった。


「何を言ってるのだ。高い駄賃を払って、雇っているんだ。そっちは、四人もいるんだ。何かあったら、ギルドに文句を入れるぞ!!」


「おっちゃん。こっちはFランクが二人もいるビギナーのパーティーなんだぜ。文句言わないでくれよ~~」


 おい、ダイチ、本当のことを……。

 ヴィッツ・コージュは驚いて、シベールの顔を見た。


「確か、魔法使いが三人と剣士のパーティーだといったな!?」


「ええ、あなたも引き受け手がなくて困ってたわ。だから、私達が引き受けてあげたのじゃない!! 悪い!?」


 しれッとシベールが言った。


 とにかく、日の高いうちに出発して、ドーリアのアスタナシアに着きたかった。

 ドーリアは砂漠の国だ。

 少しだけど、砂漠を通らねばならなかった。


 案の定、盗賊団はやって来た。


 リッセルドに二人と馬を任せて、六人の盗賊相手に僕は、何をやったらいいのか分からなかった。

 シベールは、火の術で馬に威嚇をかけてるし、ダイチに至っては、馬から降りた盗賊たちのみぞおちを狙って、剣でばっさばっさと、やっつけていく。

 血が出てない所を見ると、鞘から刀身を出していないな。


「テオ、あんたも何かしなさいよ!!」


「僕はこれしかできないけど」


 そう言って、雨雲を呼んで、そこだけ土砂降りにした。雷のおまけつき。

 雨になれてない、砂漠を旅する盗賊は、それでビックリしたらしい。

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