第14話 冒険者ギルドに登録したら・・・
「言われた通りに、登録して来たぞ」
「なら、次はこっちよ」
シベールはむさい男を二人も連れていた。
「おい!! 早く、シベール!! ギルドに金を受け取りに行こうぜ」
「ごめん、ガルル。もう行くから。後をついて来て」
シベールは、僕の隣に来て、冒険者ギルドで渡された身分証を、ひったくって言った。
「え~~!? 冒険初心者のあなたが、最初からBランクですって~~!! どんな手をを使ったのよ!! ロイルの人間だから!? 神殿の差し金!?」
「どっちも違う!! 僕は神殿に認められた、ちゃんとした精霊使いだってことを話しただけだよ」
「これだから、神殿を後ろ盾に持ってると!!」
そう言われると、困る。
受け付け嬢のお姉さんに、名前を言ったらロイルの人間だとバレました……と言ったら、丸焼けにされそうだ。
「それより、シベール。相変わらず精霊を持ってないんだな。君なら簡単に火の精霊と契約出来るだろうに」
するとシベールは、僕の方を向き言った。
「大きなお世話!! 私は焼き物の里の窯元の家に生まれただけだっていうのに、魔力があるとか言って、人さらい同然に銀の森に連れてきて、学び舎に放り込まれて、精霊と契約出来ないからって、劣等生扱いされて~~ 訳の分かんない呪文を死ぬほど教え込まれて~~!!」
いらぬ方向に話が行ってしまった。
実際、シベールの魔力はある方だと思うよ。
精霊の力を借りれたら、もっとパワーアップ出来ると思うけど。
これは言わぬ方が良かろう。
「身分証がこれから行くところと関係があるのか!?」
慌てて話を逸らす僕である。
「ギルドでお金が借りられるのよ」
嬉しそうな顔でシベールは言った。
「僕に借金をさせる気か!?」
「でなきゃ、竜の坊やを早く自由にできないわよ?」
「~~~~」
シベール、苦労したんだな……ここまで性格がねじ曲がってしまうとは……
僕たちは、大きな通り沿いの灰色の建物に入って行った。
「ジェシー姉さん、ガーランド・オクビューとシベール・ロペスとダイチ・ヤマダのパーティー帰還しました。精算して下さい」
と、ガーランド。
「マラ山の半妖の件ね。さすがにBランクの魔法使いがいると、仕事が早いですね。金貨15枚の仕事だったわね?最高金貨の支払いで良いかしら?」
「私はそれでも良いけど」
「俺は飲み屋のつけも払うから金貨にしてくれ」
シベールの余裕のある態度にビックリしたが、大男の方が財布の事情が悪いらしい。
「俺の取り分は!?」
黒髪の男が言った。
誰だ!?
こんなのっぺり顔、見たことないぞ。
「何もしなかったあんたなんかに、取り分なんかあるわけないでしょ!!」
「半妖を追い詰めたぞ!!」
「そこまでしなくて良いとも言ったわ。」
こいつらの話は理解が出来ない。
一仕事終わってきたというところか。
「それより、この水の精霊使い、ロイルの神殿所属で本家に近い血筋なの。登録者ランクは、Bランクをもらったそうなんだけど、いくら前金が可能かしら!?」
僕を売るな~~ シベール!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます