第8話 任務完了!!
ドアが燃えて開くと、俺たちはお邪魔しますも言わずに、レンガの家に乗り込んだ。
半妖の家は、一人暮らしのせいか居間が広いだけで、たくさん部屋数があるわけではない。
半妖は、突然の来訪者に驚いて、俺たちの方を見た。
その姿を見て俺は、ちびった!!
「あの……シベール……あれ何!?」
「お目当ての半妖よ」
「目が猫で、髪が蛇なんだけど・・・」
「それ以外は、人間と同じでしょ!?」
たしかに……
俺たちが来たのに驚いて、立ってるし……
服も着てる。
「さぁ、デビューよ!! 行ってらっしゃい!!」
シベールに背中を押され、半妖の前に立たされてしまった俺。
『何しに来たんだ!? 俺の家に!! 結界が張ってあったはずなのに!!』
何言ってるのか分からなかったけど、怒ってるのは分かる。
俺だって、ゲームやってる途中で邪魔されたら、知らない人が来たらビックリするし、怒るだろうな。
ん!?
よく見ると、半妖の手にキラキラ光る大きなダイヤモンドのような鉱石があった。
「それ持ち主に返せよ。お前の物じゃないだろ!?」
『これは、俺のものだ誰にも渡さん!!』
後にシベールに聞いたのだが、俺と半妖は、こんな会話をしていたとか。
「仕方ないなぁ……では、俺も本気出しちゃうぞ」
『何をする気だ!?』
「お前に恨みはないけど、お仕事終わらせないと帰れないんでね。悪く思わないでくれ」
俺は、中段の構えのまま、剣を構えた。
俺の名を持つ剣だ。重さも感じない。
「行くぞ!!」
声をかけて剣を振り下ろそうとした時に、
半妖は、ダイヤモンドで頭を庇って、しゃがみ込んでしまった。
そこにシベールが、ダイヤモンドを取り上げて、
「そこまでで良いわ。ダイチ。今回の依頼は討伐ではなく、金剛石の取戻しよ」
シベールは金剛石=ダイヤモンドをガルルに渡すと、既に帰途の準備をしている。
「良いのか!? 半妖なんだろ!! また、悪さするんじゃないのか!?」
「依頼以上の仕事はしないってことも、冒険者の鉄則よ。
まぁ、レンガの家だから、燃えないだろうけど、幻の火で脅しをかけておくわ」
シベールが呟くと、青白い火がレンガの家に放たれた。
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