第9話  初めてのお仕事

「ねぇ、シベール……ホントにこっちの方向であってる!?」


俺たちは、ガルルこと、ガーランド・オクビューとシベール・ロペスと俺、山田大地と出冒険者パーティーを組んで、ラト山にあるという半妖の棲み処に向かって、歩いていた。

ところが、途中から同じ道をグルグル回っていることに気が付いた。


「これだから半妖は~~ 面倒くさいのよ!!」


どうやら、シベールがキレたようである。

先頭で進んでいたガーランドを追い越し、山の斜面に向かって、何かつぶやいていた。

次の瞬間、細い道が出来ていた。

山に生えてた木を少しずつ燃やし、一直線に頂上を目指す気だ。


これが辛かった!!!

45度の傾斜を登ってる感じだぞ。


俺よりも、ガルルのオッサンの方が辛そうではあったがな。

それより、シベールは何で汗一つ書いてないんだ~~!?


俺的には、時間の感覚なんてなくなっていた。

それでも、目的地には着くんだなぁ……。


こんな山の上に突然、レンガの家に行き当たった。


「ガルル?あそこで間違ってない!?」


「マラ山の半妖は一匹だけだそうだ。こんな山奥に結界まで張っておくのは半妖くらいだろ!?」


仕事慣れしている二人は、これからの手順を話し合っていたが、俺は違うことを考えていた。


何でこんな山奥に、レンガの家なんか建てるんだよ? 木でも良くないかぁ~~

ん? ドアは木製かぁ~と見てると、シベールがとんでもないことをしやがった。


ドアに火を付けて、お宅訪問してやがる。


「シベール、ここはまず話し合いが先だと思うんだけど?」


「はぁ!? 半妖が人の言う事を聞くと思ってるの!!」


「でも、半分は人間なんだよね?話し合えば分かり合えるはず……」


「邪魔すると、あんたも燃やすわよ。」


ひっ!!


シベールの目は完全にイッチャッてました。

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