(四)-6(了)

「い、いつから?」

「あなたが病気になってから」

 幸恵さんの質問に対し、すぐにさとみママは答えた。

「もちろん並河はもう出禁にしたわ。あのクソ男、絶対に許さないんだから」

 さとみママがそう言い終わらないうちに、立木君は膝から崩れ落ちて号泣し始めた。幸恵さんも顔を両手で隠して泣き始めた。

 もちろん私も目から溢れる涙が引力で床面のタイルに衝突するのを止めることができなかった。しかも今度は声もこらえることができなかった。


(了)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の知らない彼女の秘密 筑紫榛名@5/19文フリ東京【あ-20】 @HarunaTsukushi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ