(四)-6(了)

「い、いつから?」

「あなたが病気になってから」

 幸恵さんの質問に対し、すぐにさとみママは答えた。

「もちろん並河はもう出禁にしたわ。あのクソ男、絶対に許さないんだから」

 さとみママがそう言い終わらないうちに、立木君は膝から崩れ落ちて号泣し始めた。幸恵さんも顔を両手で隠して泣き始めた。

 もちろん私も目から溢れる涙が引力で床面のタイルに衝突するのを止めることができなかった。しかも今度は声もこらえることができなかった。


(了)

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私の知らない彼女の秘密 【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名 @HarunaTsukushi

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