(四)-5

 そういうと、幸恵さんは目を丸くして驚き、「アルバイトしてるって聞いたけど……」と返した。

「あなた、ときどきお相手をしていた人がいたでしょう」

「それって……」

「並河の方ね。あの男、最近若いかわいい子を見つけたんだって自慢げにいうから、色々聞き出したの。そうしたら、幸恵さんの携帯に電話したとき、たまたま加奈江ちゃんが出たことがあったらしいの。彼女、仕事の電話なら伝言をって思ったらしいわ。で、その並河に言いくるめられて、その後彼女、外で会ったらしいのよね。それでそのまま駅前のラブホテルに連れ込まれたみたい。でもね、その後何回か会っていたみたいよ。『彼女の方でもお金を欲しがっていたみたいだからお金を渡した』って言ってたから。昨日来たときそう話してたわ」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る