(三)-7
「ああ、ゴメンね。あいつといつも仲良くしてくれていたのに」
私はそう聞くと、我慢しきれなくて「ごめんなさい、失礼しました」と部屋を出て行こうとした。
「明日は通夜だ、尾襖のメモリアル会館ってところでやるから」
幸恵さんがそう言うのが、背中の方で聞こえた。
私は家まで走ることしかできなかった。しかもかなり早く。私は中学の頃からもともと長距離走選手ではないけど、このときはとにかく走ってどこか遠くへ行ってしまいたい、言葉にできないこのもやもやした空白の気持ちが消えるほどひたすら走りたいと思った。
(続く)
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