(三)-5
翌日、私は学校を休んだ。そして加奈江の家に行ってみた。
加奈江の家は、町内のある古いアパートの一室だった。彼女は母親と二人で暮らしていた。 呼び鈴を鳴らすと中から「鍵なら開いてるよ」と声がした。加奈江のお母さんの声だった。
私は「ごめん下さい」とドアを開けた。狭い四畳程度のリビングの奥の八畳の和室に彼女の母親の幸恵さんはいた。
幸恵さんは私を見て「あら、薫子ちゃん」と言って立ち上がった。
部屋に上がらせてもらい、リビングのテーブル席に座らせてもらった。
(続く)
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