エキシビジョン作品 6月5日公開分

【Ex- 067】🦊匿名のコンテストで堅実なPV及びコメント稼ぎをする方法🐺

🦊「おっすータヌキくん……じゃ、ない?」


🐺「フッ」


🦊「誰だアンタは」


🐺「会ったことはあるはずだぜ。今朝もそう……鏡の前でな」


🦊「何だと?」


🐺「俺はお前さ」


🦊「お前が、俺……ッ!?」


🐺「俺の名はシャドーキツネ。お前の心の中に潜む影、もう一人のお前だ」


🦊「あ、そうなの」


🐺「本来俺はお前の影。今回はエキシビジョン参加で少しでもポイントを追加獲得するため、こうして表に出てきたってわけさ」


🦊「それはそれは。じゃ、ちょっと手伝ってよ。今PV伸ばす企画考えてたんだけど、相方が必要でさ。もう一人の俺ならちょうどいいや」


🐺「ほう。どんな企画だ?」


🦊「うん、他人のフンドシで相撲を取ろうと思ってて」


🐺「もう駄目そう」


🦊「いやいや、これはもう完全にWin-Winな企画だから。匿名コン参加作の中からランダムで1つ選んで、勝手にその解説をしようって企画よ」


🐺「というと?」


🦊「エキシビジョンで他作品解説をやって、元の関連作も、解説された作品もコメントが増えた事例があんのよ。後追いするしか無くない?」


🐺「色々どうかと思うけど、2次創作は規約違反では?」


🦊「解説系はセーフって判例が出てるし……たぶん大丈夫では?」


🐺「うーむ。まぁ駄目なら主宰がシャドウバンしてくれるか。やるだけやってみろ」


🦊「おっけー。それじゃ、適当なツールで1〜176の乱数を出して、と……あー、これかぁ……うーん……えーい再抽選!」


🐺「待て待て待て! 不正はダメ!」


🦊「冗談だよ冗談」


🐺「ならいいが」


🦊「わざわざ振り直しなんかしなくても、これは小説フィクションなんだから、乱数の体で自由に数字を選んでダイスを置いても全然問題ないもんな」


🐺「大っぴらに言わきゃね。言っちゃったけどね」


🦊「へーへーわかったよ。真面目にやるよー、ちゃんと乱数に従うよー」


🐺「もう何言われても心の底からは信用できないけど……よし、やってみろ」


🦊「コロコロ……169が出たから、ヤッターワンハンドレッドアンドシックスティーナイン!」


🐺「No.169、ほほう、『蒼天』か。美文で構成力も高い、中華系の良作ではないか」


🦊「良かったよなー! おじさん同士の関係性もだけど、短編の文字数制限の扱いが上手いよな!」


🐺「文字数制限の扱い?」


🦊「ほら、2500字までってもさ。完全にその中で綺麗に話を終わらせるか、描写を削って無理くり収めるか、投げっぱなしで長編のプロローグにするか、ルビで大量に文字数増やすか、色々あるじゃん?」


🐺「それで言うと、『蒼天』は綺麗に纏まっていたな」


🦊「これね、単純にプロットを調整して収めるだけじゃなく、「予言」を使うことで解決してるわけ」


🐺「予言?」


🦊「そそ。そのために中華風にしたんだろね。同じ予言系ジャンルでも、これが仮にギリシャ神話風だと、予言の成就まできっちり書かなきゃだから」


🐺「どゆこと?」


※以下ネタバレ有りのため、未読の人は一旦【No.169】を読んできてください


🦊「ほら、中国の王朝って五行思想と切っても切れない関係にあるじゃん。その辺の創作物で色の話をする時は、大体ぜんぶ五行絡みの暗示だし」


🐺「そうなの? 知らんけど適当にフカシてない?」


🦊「本作でも、作中で色が度々強調されるんだけどさ。それぞれ木・火・金・水を表す蒼・赤・白・黒は明確に出てくるのに、五行の土気を表す黄色が全然描かれないわけよ」


🐺「はぁ」


🦊「じゃあ土はどこにあんのかというと、明記はされてないけど、これ土徳の王朝なんだよね。五行で金に属する「西」に飛ばされた晶慶は金属。相対的に「東」に置かれ、「目」を失い、「蒼」天を喚んだ犀明は木属。その2人を隔てた王朝は土に属する「中央」として描かれているし、実際に作中でもそう呼ばれてるわけだ。無理に説明を差し込むと不自然だから割愛しただけで、そのつもりで書かれてるのは明白だよね」


🐺「……んー、で、予言の話は?」


🦊「犀明の処刑により、蒼天が喚ばれる。ここで五行相剋、木剋土の布石になってんの。つまり、これが現王朝の終焉の予言ね」


🐺「はぁ」


🦊「でラストシーンよ。中国の古代王朝交代は五行相生の流れで、子孫以外のより徳の高い相手に譲られるって建前なんだけど、ここで土徳の現王朝から引き継がれる正当な新王朝として、西から戻って来た宰相と、金物の太刀を持った後継者、これも金気のアピールだよね。彼らに帝位が禅譲されることを暗示しているわけ」


🐺「ええ。あれそういう話?」


🦊「そ。だからこの話は本当に、ここから先を書く必要がない。もう結果が予言されてるからね。文字数制限を逆手に取った、面白いやり口だよなー」


🐺「本当にそうならね」


🦊「ところで、もう一人の俺よ」


🐺「ん、何だ?」


🦊「カクヨムのコメント稼ぎで最も効率的な方法は何か、知っとるかね?」


🐺「誤字報告釣りじゃないのか?」


🦊「否。という一面なら、他にあるのさ」


🐺「というと?」


🦊「ずばり……コメント返し強要。こいつだ」


🐺「ああー」


🦊「連載作の第1話だけ読んで、中身のない感想コメントを書く。それだけで、相手も1話だけ読んで中身のない感想を書いてくれる」


🐺「長編の詩的な序文だけ読んで直帰してる奴もいるよな」


🦊「中には「読み合い企画から来ました」とか、読み合い企画なんか参加してないのに書いてくる奴もいるくらいだ」


🐺「圧がすごい。だが、これは匿名コンテストだぞ。相手はこちらの書いた物が判らないのだから、コメント返しは難しいだろう」


🦊「だーね。だが、こうしてエキシビジョンの関連作中で触れたら、ククク……どうなると思う?」


🐺「いやー。明らかに先方の趣味と、うちの作風合わないと思うんだけど」


🦊「乱数が悪かったかなぁ」


🐺「そもそも解説の内容で怒られるかもしんないし」


🦊「あのさあ。君、本当に俺の中のもう一人の俺なの?」


🐺「えっ」


🦊「だってさっきから、なんか話が通じないこと多いし。俺の中の俺なら、考え方はともかく、持ってる知識は共通してるはずじゃん」


🐺「……ばれてしまっては仕方ない」


  ☁ドロン!


🐼「実は僕だったポンポコ!」


🦊「ええーっ!? シャドーキツネくんの正体は、タヌキくんだったのかー!?」


🐼「ポンポコ」


🦊🐼「高評価、チャンネル登録よろしくお願いしまーす!」

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