山は私が生まれるずっと前からここにあって、私が死んだ後にもずっとここにあるというのに、私が子供のころに駆け回ったあの裏山はもうこの世界のどこにもない。
ここがとても好きでした。月日は無情。
手紙の送り主は誰だったのか、結局「彼」はどこへ消えたのか、何一つ明らかにはならないのに背筋の冷えるような感覚が消えない、とても良質なホラーを読んだ気分です。薄気味悪さを中盤まで徹底的に押し隠して「あれ……?」と読み手に思わせる、文章力の高さにも脱帽です。「怖かった賞」に推します!
これは、好きです
大変に大好物でしたありがとうございます
叶わぬ(叶って欲しくない)再会。しかし、事あるごとに会いたくもない罪の意識とは再会し続けるのでしょう。手紙の送り主は、もしかしたら自分なのかもしれませんね。
こわい……罪を罪と知っているのに「そうすべきだった」と語っているのに……もはや倫理の先を生きていますね。
山の薄暗さ、土の重さや汗の感じが、表わされていなくても淡々とした文の中で感じられて、とても苦しい気持ちになりました。
取り返しのつかない過ちが、いつまでも付き纏ってくる。その息苦しさがリアルでした。
どうにもできない苦味の残る余韻が好みです。
おおぉ……淡々と語るところに狂気と恐怖を感じました……! こういうお話、怖いんだけどついつい読んでしまいますね。物語に引き込まれる筆致、素晴らしいと思いました。
怖かった賞に推します!
贖う資格もない、ということ。