5/17(火)対バードズ敗戦 1-2 【17勝24敗1分け】
5月17日(火)21時——。神社の森球場
「ああ……負けた……」
9回裏、逆転サヨナラの外野フライが打ちあがる。あの距離からは届かない。サヨナラ負けが決まった。
「やっぱり、完全に研究されていますね」
ミスターが言う。白原さんも、井藤さんも同じ意見のようだ。特にひどいのが、尾山と坂藤。2カード前からのバードズ戦から完全に抑えられている。
「……かといって外すわけにはいかないし、どうしたらいいのやら」
選手層の薄いうちのチームには代わる選手がいないのも事実。投手が好調なだけに、打線が好調になればもう少し勝てるようになるのだが……。
「打撃練習のやり方や時間の問題ではありませんね。一昨日まで成果は出てましたから。見た感じ、配球の読みで負けているというか……」
「つまり、尾山や坂藤を抑えるパターンがあり、それを読み切れないから負けるのだと?」
「おっしゃるとおりです」
ミスターが肯定する。確かに、バッテリーが代わっても同じようにこの二人はやられている。
「やっぱり、スコアラー部門が弱点ですよね。あの二人を抑えるためのパターンがバードズにはあるのに、いつまで経ってもそれが解析されないのは問題かと」
そう言われて、思い返す。うちのチームの場合、スコアラーやスカウトといった仕事は、引退したOBたちの再就職先になっているということを。
しかも、人手はギリギリで、数年前、女性のスカートの中を偵察していたベテランスコアラーがクビになったときは、一人で2チーム掛け持ちするという、アホなことをやっていた。
10年以上前から専門の職員を置いて取り組んでいるラビッツとは大きな違いだ。
「わかった。球団にはそのことを伝えて、早急に対応してもらうことをお願いしよう」
何人か、仕事を失うかもしれないが、明日は我が身なのだ。悪く思うな……。
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