5/11(水)対ギョッズ勝利 3-1 【15勝23敗1分け】

5月11日(水)21時半——。鳴尾浜球場


9回表。2OUT2塁。


スクイズが失敗して、あと一人。そのバッターがファーストゴロに終わり、試合は終わった。


『御覧の通り、3対1でキャッツが勝ちました。勝利投手は……』


これで、今シーズン初めてのギョッズ戦勝利。ホッと胸を撫で下ろすと同時に、今日の慌ただしい1日を思い出して、疲れがどっと押し寄せてくる。


『キャッツ、ついに桐浪を放出か!?』


日日新聞さんのこの記事に、朝から球団事務所の電話はパンク状態。


「おい!!おまえらなめとんか!!桐浪を放出ってどないなっとんのや!!よう育てれんのやったら、さっさと身売りしろや!!」


「いっそのこと、東院の北谷監督に監督やってもらえや!!バット投げの辛井よりかは勝てるやろ!!」


……ファンやら、OBやら、本当に、ひどいものだった。それなのに……


「えっ!?糸谷と高川と定石が……北海道に?」


「代わりに吉野投手と白宮選手を獲得する。つまりトレードだ」


蓋を開ければ、桐浪の名は全然上がらない。本部長からは、カモフラージュのためにわざと流したガセだと説明を受けたが、釈然としなかった。


しかし、だからといってどうすることもできない。直ちに球場に戻り、練習中だった3人を監督室に呼んで説明。登録を抹消したうえで、今日はそのまま帰宅させた。


「それにしても、そんな状況で良く勝てたものだ……」


代わりのセカンドに久万を入れたが、よくやってくれた。初回の勝ち越した後の追加点といい、6回表の併殺に仕留めたプレーと言い、見事だった。


こういってはなんだが、糸谷を使っていれば、きっと2-3で負けていただろう。初回のチャンスでは内野フライでチャンスをつぶし、6回表のピンチでは併殺を取れず、逆転のきっかけを作っていただろう。これまで何度も見た光景だ。予測はできる。


「それにしても、この3人でよくとれたな」


なにせ、どちらもドラ1のまだ若い選手である。しかも、今年ブレイクの兆しが少しだけある……。個人的な感想だが、うちの方が得しているような気がした。

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