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「え?」
「私はてっきり、みっちゃんとあんたが付き合うことになったから、他の女と連絡取らないようにブロックしたのか、って思ってたのに……そうじゃなかったら、なんで……」
「それは……お前が斎藤と付き合い始めた、と思ったから……お前と連絡とったら、まずいよな、って思ったし……」
「なんでよ! そもそも私、斎藤君と付き合ってないし! 仮に付き合ってたとしても、連絡するくらい、いいじゃないのよ! 私……あんたにブロックされて、結構ショックだったんだよ……」
史奈が泣きそうな顔になる。
「……」
困った。ここで俺の気持ちを伝えてしまうのは……非常にまずい気がする……
だけど、やっぱり言うしかないか。
「俺もさ、ショックだったんだよ。てっきりお前と斎藤が付き合い始めた、って思ったから……もうお前のLINE見るのも声を聴くのも、辛くなるな、って思ったから……」
「え……なんで……」
やっぱ、そうくるかよ……
ちくしょう! もう、なるようになれだ!
「そんなの、お前のことが好きだったからに決まってるだろ!」
「!」
史奈が息を飲む。恥ずかしまぎれに、俺は畳みかけた。
「そもそも、なんでお前、卒業式前日に送った俺のLINEを既読スルーしたんだよ! 俺はそれでお前を体育館裏に呼び出して告るつもりだったんだよ! だけどそのまま返事がねえから、どうしたんだろう、って思ってたら、当日お前と斎藤が体育館裏に行くのが見えたから……そうか、そういうことか、って……」
「ちょ、ちょっと待ってよ。私、その話初耳なんだけど」
史奈の顔には、困惑が浮かび上がっていた。
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