資料

補遺録

(編注:この項の文章は、大陸三国志の断片を収集したてんきょういんみつあき氏の生前、本編を調査・研究していく過程でメモとして書かれていたものを子息のみついえ氏が清書したものです。そのため

『本編より中途半端な記述』

『本編と関係ない記述』

がありますが、原文のままで収録しています。ご了承ください。

 ここで記しておくと、われわれは満家氏と一度もお会いしたことはなく、メールや書面のみで原稿等のやりとりをしました。

また、天京院本家は当家に光昭及び満家なるものは存在しないというコメントが送られてきました)


5月14日:グラリス帝崩御。同じ日に『童話漫才』などで知られる詩人クラウンが生まれる。

3月15日:皇王シリウス、グラリス帝から先祖伝来の所領安堵。実質的な国境確定。その日、皇国に降っていた雪の残りが消えたと、文人フェアチャイルドが記録している。

12月12日:共和国初の民選により、あらためてバドが大統領就任。この日、詩猫ワイルダー、心不全のため死去。享年85。この日はかれのファンからワイルダー忌と呼ばれる。


〇〇年4月ごろ:帝国東部がシャドウ派と評議会派に分かれ、シャドウ派が勝利。盟友たちと諸勢力を相手に戦争への道へ進む。

〇〇年7月:家宰カンタールの尽力により、シャドウ勢力を撃破。帝国内を一時的に共有主義が席巻。

〇〇年10月:カンタール主導による皇国遠征失敗。カンタール死去。天京院春見とルッグを中心に再度の内戦へ。このころ、共和国にてクーデター発生。後世に言う『8月革命』である。

〇〇年6月:春見勝利。帝国はかれを中心とした体制になる。

〇〇年3月:諸勢力による講和条約締結。

同年5月:春見の息子秋忠、平和と治安維持のための連合警察設立。


 いわゆる東方地域政府の崩壊によって、帝国の東方は無政府状態になってしまった。首都近辺こそ共有主義者の手によって安定したが、加速主義者や軍閥、都市近辺だけ守れていた自治体が乱立している。とくに東方地域政府の残党や東方に派遣された旅団を名乗るならず者や狂気の科学者は帝国や周囲の勢力を荒らし回っていた。中には罪の無い住民を守るために収容所から脱獄した神父ひきいるものたちや、ムング教徒の集まりもあった。

 結局、騒擾は東方を所領とした領主たちや、おこぼれにあずかろうとした諸勢力の力で大半が平定された。

 しかし、トリニティや共有主義者の同盟リーグといった少数ながら要素が残ったものや、潜伏したものもいた。特に北東部は戦災で荒れ果てたのもかり、誰が統治してるかわからないような状態になってしまったという。


「公、わたしは今、あなたの眼を見てますが」

 笑みを浮かべながら、わたしは言った。

「あなたには、心というものがないようですにゃ」

 公はわたしの顔をじっと見つめてから笑みを返し

「お互いに、わかり合えたようですね」

と、言った。

 たしかにその通りであった。

―ある共和国外交官が、帝国東部の政治家にあったときの回想


「連中がなぜ共和国にキミを引き渡したか、理由はわかってるのか?」

 ある捕虜に軍事裁判の担当者が質問した。捕虜は怪訝な顔つきでこう答えた。

「おい、そっちだってわかってるだろ?オレの故郷じゃ端金で買収できるんにゃ。ましてや5000だって、聞いて黙ってられるか?」

「では、キミはカネで売られたというかね?」

 そんなことは想像してなかった、という風に担当者は尋ねた。

「ああ、そうにゃ」

―近年開示された記録情報


 北東部に新たに表れたムング教徒について説明します。かれらは文明を否定し、蒸機馬車ではなく生身の馬車を使用しており、機械を使わずに農業に従事、女性に限って看護師や助産婦の資格を得るための教育が許されてますが、基本的には独学であります。

 もともとは再臨派と呼ばれる、来訪者の中の少数派であった、十字をシンボルにした信仰を持つものたちがムング教徒になったものが、北東部の混乱の中でさらに変化していったと考えられています。

 コミュニティごとに異同はありますが、神父や牧師と呼ばれる坊主たちが主導しているようです。

―帝国の人口に関する報告書


 カンタールの病気が重くなり、皇国から撤兵するための交渉役に天京院春見が派遣されるだろうと思われたが、実際はルッグが派遣された。皆は

「ルッグが後事を託されるのだろうか?」

と、ウワサしあったが、フクロウ男爵だけは

「ルッグはこの仕事を誇るため、妬まれる。そうなれば、春見氏の仁徳にみな靡くことになるだろう」

と、語った。


 ニューラグーンに造られた商業自治区はもともとそこを統治していた秋月国と同じように、主に帝国から進出した天京院の一族である安井と初芝、秋月国からきた大江、地元民と協同で設立されたサニーの4財閥すなわちフォーシスターズを中心にして担われている。

 この四龍は時期によって変動しており、かつては1財閥としての天京院や京極といった財閥もそうであったという。


 むかしのことである。子どものいない農家が

「親指くらいの大きさで良いので、子どもをください」

と、祈ると、ある日、家の前にその通りの子どもが捨てられていた。その子は何を食べても大きくならなかったが、利口ですばしっこい子どもになった。

 この子どもがのちに土御門帝に仕えた密偵であるという。

 そしてかれらの子孫は代々帝室に仕える直属の密偵となった。


 帝国北東部におけるイフというものの人気はホンモノで、こんな話がある。

 ある村を治めるために来た官吏が、イフを祀っている石碑を見て

「反逆者を祀るなど、言語道断。取り除け」

と、命じたので、怒った村の住民たちが

「そんなこと言うなんて、なんとヒドイ官吏だ、やっつけろ!!!」

と、村からその官吏を追い出してしまったという。

 以後、帝都の政務者たちは、この村を住民たちの自主管理に任せたという。


 ラスト・バロンと呼ばれたAT乗りがいた。

戦争は騎馬や重歩兵から、ATによる銃撃や砲撃、爆撃に移っていく。

 そんな中、かれだけは一騎討ちにこだわっていた。

「なぜでしょう?」

と、記者に訊ねられたラスト・バロンは、こう答えた。

「わたしの戦場がそこにあったから。それだけです」


 ある日、南洋諸島にあった済島で反乱があった。共有主義者たちに煽動されたと確信した帝国の駐留部隊は、戒厳令を布告し、住民たちを弾圧した。その惨状は駐留部隊司令のメリルがこの反乱があったときのことを

「グラリス帝以降の軍事行動でもっとも血なまぐさい時期であったニャ」

と、述懐している。


 帝国北東部のもはや砂漠になった土地を旅していたものが迷った。道もなにもない。しかも砂嵐の中。

 しばらく歩くと、砂塵の中から自転車に乗った少女が忽然と現れた。旅をしていたものは

「あととれくらいにゃ?」

と、尋ねた。少女は答える。

「それほどでもにゃいよ」

 そして砂埃の中に消えた。


 むかし、あるものが

「笑いは狂気だ、にゃんの役にたつ?」

と、言った。異世界の救世主は生涯一度も笑ったこのがなかった。

 帝国北東部にいたムング教のお坊さんは笑いながら生まれたという。かれ曰く

「明るくしていにゃさい。悲しい顔、仏頂面、冷笑は控えにゃさい」


 大戦期、大陸から逃げた猫たちの一部はいわゆる『温州ミカン猫』と呼ばれていた。もともと東部のミカン産地にいた猫たちであったが、戦乱の中、秋月国の目土呂に猫街を造ったり、ギュフィ公の領地に移住したのであった。

 かれらは商才に長けていたため、拝金主義者として蔑視されていた。


 帝国と皇国の境にある山中に1つの村がある。

 世界から隔絶され、村に入るには足元のおぼつかない小道を通り、地獄の橋と呼ばれる桟橋を渡る。

 この村の住民は重い荷物を運んだりや遺体を埋葬したいとき、麓へそれを送る大きい滑り台で滑り落とすという。

 住民曰く

「わしらは長生きで、10000歳のものもいる」


 ダージリンはニューラグーン北部にある山脈にある小さい自治国であった。

 もともとは王政であったのだが、共和国や皇国によって狙われており、結果的に帝国領ニューラグーン州に編入されてしまった。

 麓には、天京院春見が幼少期をすごした寺院がある。天京院の親族でも皇室と密接な繋がりがあることで有力だった範国が建てた寺院であったという。

 範国は法律家として知られ、帝国法が創られるにあたって、その基礎を担った1名であった。


 フィニアスと名付けられた猫は、長じてサーカス団を創設した。

 サーカスは珍獣と怪物の博物館として始まって、大勢駆けつけた。

 観客は、豚の顔をした二足歩行のヤツ、本物の念動力者やカメレオンめいた巨大のヤツといったものたちに熱狂した。

 かれのこううそぶいたという。

「皆さんが楽しんでいますニャ。わたしはその手助けをしたにすぎにゃい」


 カイザー氏は、大陸内陸部に巨大な鉄鋼帝国を作り上げ、『ミラクル・マン』とあだ名されるほどであった。自身曰く

「ワシは天才であるからして、鋼鉄の城を作り上げられるのだワン」


 秋月国我那覇島の住民、竹緒というものは徴兵され、帝国北部を転戦し、戦後も我那覇島に帰ることはなかったという。竹緒本人が述懐して曰く

「自分のような人間は、もはや我那覇島にはいにゃいほうがいいにゃ」


 皇国の使者ラザノフが秋月国に交渉に来たとき、応対したのは松永景晋という役人であった。

「あくまで、恫喝ではなく、通商を求めているのです」

と、いうラザノフに景晋は毅然とした態度で

「それはお断りいたします」

と、断じた。ラザノフの顔色が一瞬にして変わった。

「これはあくまでも勧告ですぞ。貴国の実力をもってすれば、我々が本気であることくらいわかるでしょう?」

 しかし、景晋は動じない。

「通商とは互いの信頼の上に成り立つもの。その相手を脅迫して無理矢理通商を求めるなど聞いたことがございませんな」

と返す。

 結果としてラザノフが折れる形で、キチンとした通商条約が締結されたといゔ。


 ソルティ帝の領地である半島の南端に、猫と亜人中心に来訪者や刻人、耳付きといったものたちが集まって、港町を形成した。大陸と南洋諸島の中継地の1つであったという。ソルティ帝国の領土が東部の影響をモロに受けて変貌しつつある中、帝国や資源財団の拠点として孤塁奮闘していた。


 帝国東部都市間鉄道は、過疎地域を補填する優等列車である。メインの路線や幹線から離れた駅の運行を担っている。なぜかトイレだけが最新式であることで有名。


 ニューラグーン州は大陸諸勢力のちょうど真ん中にあるため、どのような処遇にするか、協議を重ねた。

 結果、各々の勢力が切り分け、ニューラグーン警察が州の紐帯となるという形に落ち着いた。


 ニューラグーン北部のかつてあったヴァブネという村で数万の周辺住民が、帝国から来たと称する軍隊によって虐殺された事件をヴァブネ事件という。

 カンタール親衛隊の隊長ルイトボルトに命じられたトリスタンがあらゆる手段を使って調査したものの、真相は不明。


 トリスタンの夫人であったリナは、晩年にトリスタンについてインタビューを受けていた。そこにいたのは書斎で背筋をピンとして身じろぎもせず椅子に座り、優雅で落ち着いた様子で、地味だが洒落た服、平然として感情を抑えた口調で答えていたという。


 オストの南には、全体を氷で覆われた土地があるという。オストにもいるペンギンの故郷であるということで、ペンギンの土地と呼ばれる。


 宝扇庵庭園は帝国側のニューラグーン州にある、茶室を中心とした庭園である。近くにこの庭園の所有者の家だったというテラスを備えた洋館があり、独特だが落ち着いたコントラストになっている。


 ニューラグーン市郊外にある倉庫は、地元でとれている軟石が使用されており、地上7段までは厚手の軟石組積造り、上部が木骨軸組構造の外壁に軟石を積み上げる構造になってる。


 黄竜河の上流は渓谷になっており、Y字型の2又に分かれ、大小さまざまな湖沼や滝、急流がある。水は深いエメラルド色。紅葉の時期はコントラストが秀逸と評判だという。


 グリッサ自治区はニューラグーンの北東部にある平野地域にある自治区である。いちおう帝国領であるが、実質は帝国東部を統治している勢力の管理下で、指導者直属の親衛隊が派遣されて統治される形であった。


 南洋大学は学園都市がセントネービス島に創設した教育機関で、ニューラグーン大学の海外分校を前身としている。人文学、自然科学、ビジネス、法学等、幅広い分野の学位プログラムを提供している。


 ハイパイン市内にある家はかつて差別されていた耳付きのフレデリック氏がはじめて購入した一軒家であった。現在では差別とそれを解消しようとした時代のアレコレを展示している博物館になっている。館長曰く

「耳付きのフレデリック氏が差別と偏見に打ち勝ち、それを克服した軌跡を見ていくことで、自由や権利のことを考えてほしいですね」


 河浦はかつてオルドを支配していたカン・ヨンが率いていた騎兵に使われた馬産地で、現在ではサラブレッドの産地として知られている。牧場主の1名であるドトウ氏曰く

「うちの仔たちは強いですよ」

 土地のほとんどは平原だが、東部はロフカ山脈に囲まれている。ロフカ山脈最高峰はラッコ岳で標高は1600。積雪期には荘厳な風景が広がっているという。登山口にはラッコ山荘があり、登山客や修行者と宿泊場となっている。険しい道を進み、途中で修行者向けの神威山荘で休憩した後に、山頂まで目指す。

 河浦にある郷土博物館には、この地の開拓に尽くした加藤清の事績を表敬した資料や、清がオーナーであった、伝説の5冠馬と言われたアグネスタンの剥製等が展示されている。館長曰く

「こんな素晴らしい馬がいて、その主人がこんな凄いことをやったんだからね」


 バーデンのカジノは著名な作家、音楽家が足しげく通っていたという由緒正しいカジノである。21歳以下は入場禁止。服装はフォーマルなもの、例えば男性はジャケットにネクタイ必須。オーナーはその雰囲気について曰く

「当店ではドレスコードを設けております。カジノでのマナーを守れないお客様にはご退場頂いております」


 山の中にある温泉郷ヌルツペツは、獣人ではない人語を解するクマがいることでしられるが、かれらが言うには、むかし何処から来て倒れていたものを助けた折、かれが

「うん、だいたいわかった。キミたちにお礼をなにかしたいが、手元に何もない……。そうだ、こうしよう!」

と、クマたちに人語を解し、単純な道具なら使えるようにしてくれたという。

 かれは、そのまま何処かへと去っていった。

 現在では、かれを祭っている神社という施設と、かれが住んでいた家を改築した築50年くらいの山小屋がある。


 大仏山は秋月国において一ノ谷山と双璧を成す山で、標高は807ほど。名前の由来はある偉いお坊さんが『正法眼蔵』というチキュウから来訪した本を筆写したお寺がそこにあったからという。その弟子が修行のためか、山を登ったことがある。曰く

「この道はわたしの師より受け継いだものですにゃ」

と、いうことであった。かれが造った道は山登りのコースとなる。


 聖林市はニューラグーン州からみて北西にある山に囲まれた小さな都市である。

しかし、戦乱を逃れたい映画人や会社がここに避難したことで、スタジオやオフィスが造られ、映画の都とまで呼ばれるようになった。その中の1名グローマン氏曰く

「この山並みの真ん中で、私達を見張る者などいないのです」


 ニューラグーンの学園都市近くにある港は漁師の波止場というあだ名の通り、もともとは漁港であった。観光地となった今も、茹でたカニやエビを食せる出店がある。店主曰く

「新鮮な海産物を手軽に食べたい観光客向けのサービスだよ」

と、いうことである。

 また、この港から、セルハウス島という流刑地に行くことができた。というか、この港からの船がセルハウス島へ行ける唯一の移動手段である。


 北東部にあるスターヴ寺院は、円柱を建てて梁を釘や金具を使わず壁に厚紙を張って強化している。屋根はウロコ状の木片の瓦を鎧のように貼っていて、全体は腐らないようにタールが塗られて黒くなっているという。案内するガイド曰く

「このあたりでは、建物はみんなこんなだったみたいですよ。例えばここの屋根は、近くにある昔の農家跡の屋根と同じですね」


 ランプの露天風呂は、皇国南部にある部屋数3室の小さな温泉旅館である。照明がランプであることからその名が付けられ、プールや空中展望台も併設している。


 皇国の首都にラベールという武勇に優れた女傑が祀られた霊廟がある。そこにある碑文にはこう書かれている。

『ここに眠るはその身を賭して皇国を救った英雄。彼の者は戦場にあって常に先頭に立ち、誰よりも早く敵陣を駆け抜ける。彼の者に従うは歴戦の兵、皇国軍随一の豪傑ラベール将軍が率いる黒備え』


 ムング教徒ラコネス派はショウニョという指導者の代に全盛であったと言われる。

 ある日、農家によったとき、ショウニョは真っ赤な干しピーマンをお粥に入れてじっくり炊き上げたものを出された。農家の夫人は

「今日はお肉がにゃくてごめんにゃさい」

と、謝ったが、ショウニョは

「いえいえ、今日はもう何もいらないな」

と、笑いながら言ったという。


 そのころショウニョのもとでラコネスの執政をつとめたのはウルドというもので、かれはその10年前からラコネスの軍の総司令官、そしてラコネスの防衛責任者となってから、執政を務めることになった。4年ほどして、市長が着任すると、かれに権限を移譲して、悠々自適な隠居生活をおくっている。ムング教徒やラコネス市民からは『ウルドおじさん』『ウルド同志』と信頼され、親しまれたという。曰く

「彼はその知恵と勇気によってラコネスを守り抜いた。また、彼の指揮する軍隊には敗北の二文字はなく、常に勝利をおさめてきた」


 加速主義は、オルリンズで始まった、前衛的政治・文化運動のことである。命名者のアンドレは

「われわれは、もっと加速しにゃければにゃらない」

と、宣言し、かれのライバルであり、同じ加速主義者のジャンは

「もっと、驚かせてごらん」

と、語っていたという。

 詩猫であるダンヌンツィオというものが私兵を率いて、オルリンズ近辺に自治区を作ると、かれらの運動はニューラグーン地方全土に広がっていった。

 加速主義は、芸術から始まり、イデオロギー、テクノロジー、宗教など広範囲に影響を与えたが、総じてこの標語で語られるのがすべてであると言える。つまり

「さらに先へ、もっと先へ、われわれは加速し、進み続ける」


『美術館の床には、砕け散ったガラス、花瓶やツボの欠片、彫刻の破片などの高価なゴミが厚く降り積もってる。黒く焦げた木片や骨片に混ざって、陳列品を収蔵していた棚や台や箱の木端も転がってる。砕いたり焼いたりできるものは何1つ原型をとどめていない。すべてが叩き壊され、焼かれてしまった』

―帝都新聞の特派員の報告記事


  関口焼は安達盛見がソルティ出身の陶工たちを秋月国に連れ帰り、かれらが近くに磁鉱を発見、窯を築いた。以後この地の窯から大陸に白磁染付、赤絵を伝わっていく。しかし、陶工たちは故郷に帰ることなく、その中のある者はこう述懐したという。

「我々はこの国が好きになって来た。だが故郷の海も恋しい」


 芦屋免先生は戦争で退廃した帝国北東部を復興支援したことで知られる宗教学者でムング教の神父である。曰く

「ああ、あるさ。真に人間らしく生きるには、過去と向き合い、自己の感情に誠実であるほかない。皆、その原理を忘れてしまったのだ」


 あるとき、耳付きたちが家に集まって勝手にパーティーをひらいた。メニューはコールドチキン、スコーン、いろんな種類のパイ、チーズ、赤ワインといった感じである。


 ニューラグーン州の家庭では、素焼きの土鍋に水とお米を入れてオーブンで固めの粥にして、それにニンニクのみじん切りに加えてバターをかけたものが食べられている。


 ハイパインのお菓子屋さんに、いわゆる和三盆のクッキーを作る職人がいる。かれは来訪者であったという。職人曰く

「これは和三盆と言ってな、讃岐で作られる高級砂糖なんだ」


 秋月国首都にある香取亭のジャムは自家製造のハチミツとブンタンのみで作った、豊かな風味と甘みで知られていた。店主曰く

「材料を厳選しているからこそ、良い物が出来るんにゃ」


 宇井島にあるひやみ亭は宇井島産の新鮮なタイの身を3枚におろし、しょうゆ、ミリン、タマゴ、ゴマ、出汁で調理したタレに漬け込んで、タレこと熱いご飯にかけて食べる、いわゆる鯛めしが食べられる。店主曰く

「宇井島のタイは身が大きく味もしっかりしているから、タイの身の厚さに合わせるくらい米は薄く炊いてある」


 我那覇島にある唯一のビヤガーデンでは、腕自慢の大将が作る料理が評判である。特にカニ汁や味噌を巻いた軍艦巻、カニソバなどが知られている。大将曰く

「海の上でしか作れない物もある」


 帯島菓子舗の鵜卵素麺は新鮮な卵で作られていて、初代が来訪者からその作り方を教わった伝統のお菓子だという。手作業で沸騰させた黒蜜の中に卵黄を流し込む。現在の店主曰く

「昔にゃがらに作ってるから、ちょっと変わってるかもにゃあ」


 ソルティ水屋敷は、ある商人が建てた家を退役軍人の絵馬が買い取って改装したお茶屋である。湧き水にコイが泳ぐ池に面したチキュウでいうところの和風の座敷で白玉ぜんざいなどが食べられるという。団体はダメ。2階では商人と絵馬の共通の趣味であるという招きネココレクションを見ることができる。絵馬曰く

「この招きネコもなかなかのモノだろうワン」


 天許園は守備部隊の隊長であったテイラー氏が隠居所として造った池水廻遊式の小さな庭園である。下に垂れず上向きに白い花が咲くノボリフジが知られる。テイラー氏曰く

「庭の手入れは雑草取りと池に藻を湧かすだけ」


 帝都に葬儀博物館という施設がある。

 骨壷や葬儀用礼服、遺灰で造ったダイヤモンドまで、それこそありとからゆる葬儀に関するものが展示されている。館長は語る。

「死者とは生者のためにあるワン。その生涯も、最後の言葉も、死して後まで価値が残るものであるワン」


 秋月国湯の川は、いわゆる秋月国の国造神の降臨した土地として知られている。そこのお土産屋で売っている縁結ばれというお菓子は一口サイズの胡桃入りの紅白団子をクシで結んだもので、あっさりした甘さと可愛らしい見た目。お土産屋の店主曰く

「これは、国造神が天よりこの地に舞い降りた際にいっしょにやって来た不思議な動物を模したものです」


 ハイパイン市長であり、境域開拓団の辺境開拓都市市長会会長でもあったクレール氏の夫人は常々

「会長なんかにならないでください。不幸なことが起きてしまう」

と、懇願していた。実際3名の子どもたちは

長男:生まれてすぐ死亡

長女:4歳で死亡

次男:10歳のとき交通事故死

と、不幸に見舞われていた。夫人は

「あなたのせいよ!」

と、非難し、以後の生涯を喪服で過ごした。

 周囲は困惑や止めさせようとしたものもいたが、夫のクレール氏だけは彼女の苦しみが分かっているからなのか、黙って彼女を支えていたという。


 秋月国北部にある下手渡城の城主だった氏家氏の姫である邑楽はある日、母に連れられた少年を見て

「なんてカワイイ子なの?!」

と、一目惚れしてしまう。名を為信という少年と邑楽は同い年ということもあり、愛し合うようになった。為信が婿養子になることを条件に彼女たちは結婚する。

 すると、偶然にも父が急死してしまい、為信が氏家家を継ぐことになった。

「こ、これからどうなるんだろ?」

と、心配する為信に邑楽は

「大丈夫、イケルイケル!!!」

と、励ます。

 こうして、秋月国北部に梟雄が誕生したのである。

 氏家家は大崎の家臣のそのまた家臣というような地位であったが、ならず者を嗾けて敵の町を襲わせ、敵兵が自分の家族に気を取られている間に、奇襲をしかけたり、謀略の限りをつくして、勢力を拡大した。

 しかし、出る杭は打たれる。反氏家の大軍勢が下手渡に襲来した。戦場から

「武具が足らない」

と、報告がもたらされる。留守居の邑楽は

「まかせて!」

と、城内にある鉄製のものを集めて、手製の武具を作らせ、戦場に送った。すると氏家勢は体勢を立て直し、反氏家勢を撃退することができた。

 そののち、氏家為信は帝に謁見することができ、北部での勢力圏の安堵状を得て、改めて領主の地位を確立したのである。

 そののち、猫ヶ原の戦いでは、東軍、つまり天京院の側について従軍した記憶があるが、詳細は不明である。そもそも秋月国帝の名代として派遣された倉成勢は西軍として従軍しており、また氏家家にルッグの遺児を匿った記憶もあり、謎は多い。

 ともあれ、氏家家はこの功績で、土佐港の権益を維持しつつ、帝都住みの近衛隊長の一員となる。ルッグの子どもは土佐港の代官を務めていたようで、当地の寺院にはかれらが帝国から持ってきた神像が納められているという。



 クラウスはカベの抜け道造りの名人だったが、妻から

「もう劇的な日々はたくさんにゃ」

と、言われたので引退した。


 皇国当局の密告者をしていた女性に、あるものが小声で訊いた。

「そんにゃことがあってから、あんた、どうやって生きて来れたんニャ?」

 すると、彼女はそれより小声でこう返した。

「わたしが生きてるにゃんて、だれがあなたに言ったニャ?」


 あるとき、共和国の役人がかれの勤めていた村役場で村民たちをまとめる方法を上司に訊いた。

「頭の悪いムング教徒ばかりでね、1日中瞑想してるんですよ」

「そこに戻って瞑想しにゃさい」

と、上司は答えた。


 大陸でもっとも古い銀行であったヒエロニムス銀行が破綻した。かれらは

「わたしたちはみな、生まれたときから借金を背負っているにゃ。ヒエロニムス銀行は土地を買収し、名士にカネを貸し、戦争の資金を調達したにゃ」

と、被害者に言われる繁栄をして、けして死なないと思っていた。


 結局総一郎は『caterpillar』を書くことによって、人生の一大事と文学の一大事を解決した。

それに対して、寝とった側の秋生は、生涯知乃の尻に敷かれたままであった。


 大門駅は大陸東北部にある『秋月国大陸鉄道』の駅であり、かれらの大陸での根拠であった。


 ドストル川東岸には、共有主義者の領域化にある地域がある。当然のように主要勢力からは承認されていない。


 アンベルマン氏はいつも帽子を被っていて、まるでロボットのようにキビキビ歩いていた。そのため、帝国と共和国の境界にあるリヒテンベルクにはかれを模したピクトグラムが信号機に使われていたと言う。


 オストの北西部にクスノキがある。中に空洞があり、そこにはジゾウと言われる異世界の神像が祀ってある。


 ニューラグーン州にある皇国基地には、絶滅が危惧されている白黒熊の保護、繁殖、研究する施設がある。


 ベルギカにある観覧車は全面白で、街並みに美しく溶け込んでいる。昼はベルギカの街を一望でき、夜は夜景も堪能できる。乗った者曰く

「空に浮かんでるみたいで楽しかった」らしい。 


 バーデン市の郊外にある船山という標高50ほどの小高い山がある。名前の由来は帝国の皇女がこの山の麓にある池に浮かべた船が、何処かへ飛んで行ったという伝承が元であるという。やがて、池と山の断崖を生かした庭園が造園される。この庭園ではツツジ、アジサイ、モミジ、フジなどの花が四季折々に見ることができる。また断崖にある洞窟には帝都から絵師を招いて描かせた絵や、ゲツインというお坊さんが彫ったというチキュウでいう仏像が保存されている。管理者曰く

「ここの管理は大変ですけど、それだけの価値はあると思いますよ」


 リィスは、ムング女性教徒むけの寄宿学校で社会的な公正を目指す活動をしている女性である。その活動はムング教における新たな潮流となっていく。リィス曰く

「『平等』とは、人の数だけ存在するワン。それを見つけることこそ、私たちの活動の真髄だワン」


 カーソンのカジノマンダレイのディーラー廣介は、ブラックジャックの名手として知られ、マンダレイはかれ目当ての客が多かった。曰く

「あの方ほどカードの魔術師はいませんよ」

と、言わしめるほどであった。


 壁の街で、東方の兵士がこんなことを話してた記憶がある。

「ボクは、兵隊以外に仕事がにゃかったから、今ここにいる。にゃんでこんなとこにいるのかにゃ……?」


 クロードは帝国西部出身の獣人で、苦学して帝都大学の経済学部を卒業し、ある都市で不動産屋出身の市長を支えた。曰く

「僕はみなに支えられてここまできたワン。恩返しをしなければならぬワン」


 アルはラコネスの貴族であったが、兄弟の弟だったので、継承権はなかった。

 しかし、兄が継承権を剥奪されたため、跡を継ぐことになる。

 継いだ後、ラコネスにサッカーの大会誘致に成功したり、ラコネスにスポーツ都市としてのイメージをつけることに注力している。曰く

「俺はサッカーやバスケなどのプロリーグをつくりたい」


 ゲオルグ氏は共和国ルネージュ州14代首相である。

 帝都に留学し、経営学修士(MBA)を取得。後政界入り。

 ルネージュは帝国との境界であり、たびたび武力衝突が起きている。

 ゲオルグ氏たちのグループは帝国との関係改善を訴え、州民の支持を受けた。ゲオルグ氏はいくつかの要職を務め、首相になる。しかし、帝国に近すぎると反対派もいた。それに対してかれは

「我々は帝国を滅ぼせるニャ。だが、それはしない。にゃぜならば、帝国が強大なので手を出したくにゃいからだ」

と言ったという。


 ダルトン氏は南洋諸島の小島アロフィ州の知事である。

 父も州議会の議長を長年務めた大物政治家で、いわゆる2世政治家。

 スポーツマンとして知られ、大陸陸上大会の出場経験もある。本人曰く

「私ほど郷土愛にあふれた人間はいない」


 チャン氏は犬の獣人で、共和国の警察学校を卒業し、スラナンで警部として活躍。

 スラナン警察本部長時代にはスラナン州知事の殺人事件を始め、汚職や麻薬密売の取り締まりで『保安官』とあだ名された。

 その後、知事戦に勝利、知事となった。演説でかれはこう語る。

「私はこの国をもっと住みやすい国にしたいと思っている。そのために、まず悪徳政治家や悪徳警官を追放した。そして、次に、汚職に手を染める公務員どもを排除して、そのあとに、真の国民のための政治体制を作るのだ」


 ピエール氏は共和国出身で、共和国政治学院や帝都大学で学んだのち、共和国や帝国の地方行政に携わる。ベルギガ市長を皮切りに、25年にわたり、共和国や帝国を行ったり来たりするコスモポリタン的な官吏であった。のち帝国側のルネージュのバーデンのいう都市を所領とするフランク太公に任じられ、バーテン公国国務大臣に任じられた。住民の評判は

『おっとりして温厚』

とのことであった。


 そのむかしのニューラグーンではミカエラを知らないものはいなかった。

 父は資産家で、街の大ホールや公園の再建に尽力した慈善家であった。

 彼女はお転婆で、結婚した先の義母と口論になった挙げ句、

「アイツを殺して、わたしも死ぬ!」

と、ミカエラを撃ったのち、自殺したり、また婚約しては自身の浮気で破談とスキャンダラスな日々を送っていた。

 その一方で、孤児院を設計、建設に携わり、ズボンをはいて現場の足場に上がり、指揮しているというエピソードもある。晩年の彼女曰く

「女だからといってバカにされるのはごめんだわ! 男にも負けないぐらい仕事をこなしたしね」


 マル氏は東部の貧しい村で育ち、十分な教育も受けられないまま、裸一貫で海に出た。これまでとまったくことなる環境で低賃金の肉体労働者として奮戦していた。節約して貯めたわずかな金で行商をしたり、露店で物を売ったり少しずつ稼いで、やっと小さな自分の店を持つ。そののち、いろいろしていくなかで、自分の店を大きな企業に育てる。そこには家族や親戚、同朋の猫たちの助けがあった。自分の経験を常に忘れずに、郷里や今住んでいるハイパインの猫街発展のために多額の寄付をしていた。氏が自分が今までの生き方を省みて曰く

「わしは若い頃は勉強嫌いにゃったし、働くことが好きだったから、この歳まで商売をしてきたにゃ。それで充分満足しているんにゃよ」


 リー嬢が、気の毒なことに蒸気馬車の車内で倒れているのを知ったものたちはさもありなんと思ったという。母親は

「彼女は好んで危険と隣り合わせの生き方をしてましたにゃ」

と、言い、異父弟はある雑誌に

「聖女とは程遠いヤツでした」

と、語り、姉は

「彼女はアイドルや俳優をしょっちゅう追いかけ回してましたにゃ」

と、振り返った。


 Katu bustiak lurrean itotzen dira

(編注:濡れた猫は、地上で溺れ死ぬ)

 ti fi frèz se yon sèl pitit

(編注:イチゴ娘は、ひとりっ子)

 yuxudakı son oğlan

(編注:夢際の終わりの少年)

 BUM KURACIE

(編注:臆病者の一撃)

 olion traed coll

(編注:失われた足取り)

 Ech war reincarnéiert als Béis, déi nëmmen d'Zerstéierungsfändel vun engem otome Spill huet

(編注:笑う門には福来る)

 kitabsevər

(編注:リベンジャーの好きなモノは本)

 imati hrabrosti znati

(編注:勇気を持って知れ)

 list nie doręczony

(編注:届かない手紙)

 Wann d'Dämmerung wäit ewech schéngt

(編注:曇り空の向こうから輝く光)

 tshepo e tuka botala

(編注:一宿一飯の恩)

 li titlef ir-raġuni minħabba nuqqas ta’ raġonevolezza

(編注:ムリを通して道理に負ける)

 Gun dachaigh airson cadal ann, no futon

(編注:寝るときの家もなければ、布団もない)

 pet plemena republika

(編注:大陸全ての種族が共に平和になる)

 Valpuržina noc

(編注:魔女たちの祭り)

 L'uccello che alza la testa per primo viene colpito per primo

(編注:出る杭は打たれる)

 E tatau ona e malosi e tu'i uamea

(編注:鉄は熱いうちに打て)

 gogoratu eta ohartarazi

(編注:3度目の正直)

 dhiigni lafa irraa iyyaa jira

(編注:それを隠そうとしても、染み込んだ血は土の中から叫んでいるのである)

 níl aon duine foirfe

(編注:画竜点睛)

 Aua e te tagi ua e leiloa a'u, ua e alu mamao, ou te ola i se vaega taua o lou olaga

(編注:死してなお、生きているものたちを動かす)

 tillsammans igen

(編注:死がわたしたちを別つことなし)

 Fear nádúrtha agus fíor, codladh sámh anseo

(編注:ここに眠るもの、真義あるものなり)

 Bí le capall nó asal

(編注:ウマでもロバでもいっしょにする)

 ქაფი კოი

(編注:うたかたの恋)

 Machu runaqa ñuqamanta aswan allin

(編注:オヤジはオレよりトシが上)

 Če jo stisneš, če razpreš pest, je to tvoja dlan

(編注:握ればコブシ、開けばテノヒラ)

 გატეხილი შოჯის ეკრანები, მხოლოდ ძვლები

(編注:細い窓枠のように、あなたは痩せている)

 بلی کے بچے کی طرح

(編注:動物を飼うために、もらうわけじゃあるまいし)

 blása vindhviðu

(編注:お金持ちは風を吹かせる)

 Viens jūras plaudis nav labs

(編注:美味しい食べ物も、孤独に食べては美味しくない)

 sólin kemur upp úr vestri

(編注:朝の日が逆から昇ってくる)

 meulah kai atah

(編注:恋人たちを無理矢理別れさせる)

 ბამბუკი სიცოცხლეს ესვრის

(編注:タケノコのような生活)

 სასოწარკვეთილი იანპაჩი

(編注:はっちゃんの自暴自棄)

 Dyn golygus, dim arian a dim pŵer

(編注:色男には、カネもパワーも無かったりする)

 dostać gwiazdkę

(編注:星が見える前から働き始める)

 وہ پرندہ جو ابھی رویا تھا پہلے ہی ہنس رہا ہے۔

(編注:今泣いた鳥がもう笑う)

 A fyddech chi'n bwyta madfall gyda'r llais hwnnw neu hototogisu

(編注:あの声でトカゲを食べるホトトギス)

 ایک پھول بھی کھل جائے تو پھول ہی پھول ہے۔

(編注:一輪咲いても花は花)

 Qu'il s'agisse d'un médecin ou d'une source chaude, la maladie dont vous êtes tombé amoureux ne partira pas

(編注:お医者さんも温泉も、恋の病は治せない)

 იპონსუგი ნონაკაში

(編注:だだっ広い野っ原の中に、一本杉が淋しげに佇んでいる)

 ოსტატი არ არის, რომ არაფერზე მოვიდეს

(編注:なんでもやれるものは、なんにも名人になれない)

 Agorwch a difarwch y blwch trysor

(編注:玉手箱は開けてもくやしいという者がいる)

 محبت کا اندھیرا

(編注:恋は視野を狭くする)

 ომისთვის მზადება მშვიდობის შენარჩუნების ერთ-ერთი ყველაზე ეფექტური საშუალებაა

(編注:備えあれば憂いなし)

 وہ سب اچھا جس کا اختتام اچھا

(編注:終わりが良ければ、帳尻が合う)

 gwybod dy hun

(編注:自分自身を知ろう)

 yfory fydd fy eiddo i

(編注:明日は我が身)

 ბუდა ჯოჯოხეთში

(編注:地獄に行っても救いはある)

 tiroedd twr ifori

(編注:象牙の塔の境地)

 پیلا گھوڑا

(編注:蒼ざめた馬)

 Gwnewch y dyfodol yn dusw

(編注:未来を花束にして)

 خالی گھر، صرف غصہ

(編注:空っぽの家、怒りのみ)

 Arian yw'r gwas gorau a'r meistr gwaethaf

(編注:カネは最良のメイド、そして最悪の主人)

 მუშაობა, მშვიდობა, ბედნიერება

(編注:平和、労働、幸福)

 کنڈور کا گھونسلہ

(編注:コンドルの巣)

 დიქტატორი არის ის, ვინც ბრძანებს

(編注:独裁者とは命令するものである)

 آنکھوں کا مکین آنکھوں میں منعکس نہیں ہوتا۔

(編注:瞳に住むものは、瞳には見えることはできない)

 A all rhywun nad yw'n actor wasanaethu fel pennaeth y wladwriaeth?

(編注:俳優じゃないものに、共和国の大統領が務まるだろうか?)

 নিৰ্বাসন

(編注:アウトサイダー)

 coeden afal aur

(編注:金の林檎の木)

 იმღერე თავიდან ბოლომდე

(編注:最初から最後まで歌う)

 I bobl heb wlad, gwlad heb bobl

(編注:国のない民へ、民のいない国を)

 ტანჯვით მოდის სიხარული

(編注:悩みながら、喜びに進んでいく)

 جب عقلمند چاند کی طرف اشارہ کرتا ہے تو احمق اپنی انگلی کی طرف دیکھتا ہے۔

(編注:賢い者が衛星を指さすと、愚か者は指を見る)


「よくわからない言葉の羅列、言葉の煙幕」

「わたしはわたしが老衰で死んだとされていることは承知しています」

「……そして、かれらの学知がもとめる至高の悦楽とは、驚嘆し、尊敬し、崇拝するのみなのだ!」

「選べないが、心身の中で闘争し続ける……終わりなく」

「学校教育や寺院での教育における国語の純粋性という点からも大いに保存されるに値する」

「それは生きた瑞々しさであって、決して乾き物ではない」

「そのほか、なお新しい試みが多分に盛られている」

「その上かれは淫乱な目的をもって、あまりにも多くの女性のところに出入りしたというので非難された」

「あなたは女嫌いというのは、ホントなのですか?」

「どうしてわたしが、貴女が属する性を嫌いなわけがありましょうか?」

「かれはわたしの最初の、最高の先生だった」

「わたしは彼女に、『もしお前があの男を好きにゃらばだれにも耳を傾けてはにゃらないよ』と、言いました。そして彼女はわたしの助言を聞き入れたのです」

「そこでは、機能の多様性へとつながる順応性が徹底的に限定された形で調和しているのである」

「技術教育が帝国民になにか有用なことを教えることができるという一般的認識は、まったく欠けていたのです」

「これは、労働者または資本家それぞれの組織が、ほかとは異なり、その組織に加入しているものの利権の擁護、主張のみのために存在するのでなく、まずなにより『組織の繁栄利幅のため』にというのが、第1目的であります」

「そしてたくさんの警告にも関わらず、かれはなにが自分に待ち構えているか、また自分がどれだけ学び、忘れ、またもう1度学び直さなければならないか、ほとんど認識してなかった」

「文学は失われたときから始まり、見出されたときで終わる。映画は回帰することから始まる」

「わたしたちは遠くから来ました。そして遠くまで行くのです」

「ここじゃ、これで巨万の富を得たヤツらが多いらしいぜ」

「『本来の勉強の妨げににゃらない程度にゃらば、やってみるのもよかろうにゃ』と、いつも条件付きで許してくださったように覚えている」

「小生は毎日のように、公園に行き遊んでいる家族の中に座って読書していた」

「わたしの文章などは、文章として支離滅裂なものでしょう」

「世の中を指導する立場にある方々は、その指し示すものの名前を正しく言って、皆に教える責任がある」

「他者を知り、その共通点を見つけて、この世界に生きるものたちに変わらないものは何かを考える」

「成功を収めたかったら、クローゼットの中でおとなしくしていろ」

「それはマイノリティの問題を解決するためにマジョリティ側に移れば良いとする発想です」

「諸君が達成し、また発見するものはすべて、真の学者がそれぞれ違った立場から探求していた大いなる真理の巨大な広がりの中のたった1つの断片であると考えよ」

「試みれば、われわれは高みにのぼる」

「われわれの文学は、その同じ種から生まれにゃければにゃらない」

「かれになるのでなければ、何にもなりたくない」

「我、汝を見捨てることなし」

「時代は新しくにゃったけど、密告者たちは昔通りにゃ」

「今に新聞やらテレビの報道をわたしの特集にして見せます」

「かれは『法廷新報』に載っていた同郷の学生の話に感動した。学生は前に家庭教師として住み込んでいた家の、裕福な婦人をピストルで撃ったため、死刑を宣告され、処刑された。作家から見れば、学生はこの殺伐とした時代に、プレ大戦期の社会において、苛烈な意欲を持ち、求めるところの多い、貧乏な青年の精力を表わす恰好のモデルであった」

「かれは、勲章といえば正直な顔だけ、制服といえばしシワだらけでダブダブの古い洋服一式といった、独特な性格をもっていた」

「それが、わたしたちにとってのランチでした」

「植民計画の遂行には、どうしても領土の獲得が必要になります」

「すでに、諸将に意見を聞いたのなら、かれらの意見通りに判断するがよかろう」

「いつか、目の前に起こった事件に対して、世界はわれわれにそのやり口の責任を負わせるだろう」

「かれは服装を季節だけでなく、毎日の天候に合わせ、また相手の趣味や気分に合わせて変えた」

「官吏は大陸鉄道精神の最高熱烈なまでの体得者たるべきものなのである」

「そして、他のものたちよりもいっそう酷い泥をわれわれに投げつけているのだ」

「かれの口は白い泡でまだらになり、目はギョロつき、白目は湿っていた。この男はヒステリー状態だった」

「かかる行動は皇帝陛下に反抗するためのものではない」

「刑務所のほうが、刑期がわかってるだけマシにゃ」

「もしどこかに自分の名声のために身を滅ぼすものがいるとしたらそれはかれだと思われた」

「にゃんのために戦うかは重要ではにゃい。いかに戦うかが自由にゃのだ。われわれが勝つか、戦死するまでは目的を拒否しにゃければにゃらない」

「かれについてこう書いたものがいる。『清廉潔白で、祖国を深く愛し、帝制と共和制を仮借なく糾弾し、対等しつつあるブルジョアジーの反動者たちには厳しくのぞみ、国内の敵のみならず連合を組んで帝国を包囲する諸勢力に立ち向かうために義勇軍と共有主義政治を組織する卓越したスキルの持ち主』つまるところ、これは書いたものの自己像であった」

「かれは病気ではなく、ただ疲れ果てていた」

「かれは粗暴すぎる。この欠点は、われわれの環境及びわれわれ共有主義者の間では許容できるが、かれの役職の機能をはたす上では許容できない。これが枝葉末節であるとすれば、決定的な重要性を帯びる可能性がある枝葉末節である」

「そこでかれらは、いちおうケンカを始めてみて、その上でどちらも自分を殺す意志のないことを知って、その後に仲良くなれれば、仲良くなることができるのである」

「経済的発展こそが安定につながる」

「拡大は需要を待っていては果たされない」

「そこにある。受け取りたまえ」

「わたしにとって、これは苦悩の瞬間であります。なぜならこれまでの生涯をかけて、わたしは2つの地域が統合されることを信じて進んできたからです」

「映画について語ることができる唯一の連中は、映像作家であり、または映画評論家であり、つまるところ映画が好きな連中だにゃ」

「もし帝国がふみ切り、われわれに参加要請するならば、われわれはキンギョのフンのようについていかないといけないのか?まさに、それはまったくその通りだ」

「まったく、拍子抜けだな」

「されば、臆病者チキンの諸君、前進したまえ。後は奈落の底だにゃ」

「これからにゃにが起こるか、わからにゃいんですか?」

「さあ、誰にもわからにゃいわよね」

「われわれとかれらとの闘争は、敵対的矛盾の闘争であり、旗幟鮮明にして対決し、主導的に対処しなければならない」

「われわれの指導者は明け方まで皆の幸せのために働いているのだ」

「帝国の民であることはわたしの誇りだ!」

「わたしはカンタールを敬愛する!」

「この地はわれわれのものだ!永遠に!」

「東方諸侯の苦境は、帝国東西の力関係が変わらない限り変わることはないだろう」

「試みられ、口にされ、約束されたことも随分あるが、戦争が起こらないとは言い切れない」

「例えば我が街の沿岸部は沿岸部で何軒かの店や呑み屋があれば生活が出来る状況を作りたい。山の限界集落もふくめて、住民にどこかにまとまって住んでもらう方策もあると思う」

「もう半年くらい、他の地域に出稼ぎにでれば良かったのに」

「かれらは、小さな荷車に押し込められて我慢することになるワン。我慢のしがいがあるかどうかわからないがな……」

「この地域の安全保障上のリスクを減らし、経済的なダイナミズムを共有しあいます」

「居間で、床にいくつも穴があるのを見つけたんです」

「急進的であることが理想的であるとしたら、その通り、わたしは急進的です」

「あなたにお話したいことは、愛についてなのです」

「猫作家と呼ばれることはまったく気ににゃらないけど、その質問をされることにはウンザリしてるにゃ」

「悲痛な文化は楽観的な文化より質の良いものを与えてくれる」

「やつをやっつけろ!」

「かれは2つのまったく別の物語の交差点に踏み込んだのであった」

「執筆終了。これを書いたのはジョウを楽しませるためワン(書いてるうちに、僕も楽しくなってきた)」

「わたしたちは何1つコントロールできなくなりました」

「今度こそ、わたしのこと、信じてくれるよね」

「今回は外野で手を振って応援したくらいだったが、次は上着を脱ぎ捨てても入っていく」

「野心的な合意は、細かい合意の交渉にくらべて必ずしも難しいことではない」

「一体わたしどもはどうしたらよろしいのですか?」

「この脆さにつけ込む連中もいるわけです」

「かれに伝えてくれ。これで問題解決だ」

「正しいことをするのに、早すぎることはない」

「公然たる敵は、恐るべき箱を開いたあの少女と見なしたまえ。変装した敵は、その致命的な奸計を肚に天国へ這いずり込むヘビと見なしたまえ」

「ことを成すために必要なのは適切なアドバイスと信頼できるパートナー。われわれはそれを提供する」

「かれがそうしたいと言うのなら、領土を譲り渡しても良い」

「帝国はカオスが支配しているのです」

「帝国北部に訪れたとき、住民に『南部はどうなってます?』とたずねられた。南部に行くと、今度は『北部はどんな様子ですか?」と聞かれた」

「政治家と実業家が組んで、良からぬ方法で資金を集め政界財界を腐敗させることは断じて許してはにゃらぬ」

「ノウハウはわたしどもがすべて提供させていただきます。必要ならスタッフを出向させても良い」

「でも、まさに、それこそが『ホンモノ』なのです」

「かれったら、隠れて『わたしのファン』だって言うのよ」

「世間ではご主人より奥様がエラクにゃられている方もおられるそうですが」

「否定し続けて結論がでるのか?」

「つまり、カルトとは、個性と批判的思考を押さえつけ、あるものに対する信条への集中的協働と服従を要求、世界観や主張を支持し、個人の自律性を制限または排除する関係性のことである」

「生徒の皆さんにとって、多様な視点があることを知り、その中から自分で選ぶことは重要です。つまり、われわれ空飛ぶウドン・モンスター教を信じることも自由なのです」

「神がそんな杓子定規な考えにおちいるはずがないではないか?」

「かれらのすべてが闇に隠れている。まるで黒服をまとい、闇の中にたたずむ男のように」

「政府としては、ご指摘のような約束の存在については承知してない」

「われわれはみな、権力は銃口より生ずるという真理を体現せねばならない」

「この町が、文明の光をくまなく浴びる日はいったいいつになるのだろう?」

「すべてのことが、無から産み出されたと言いながら、世界が永遠であると言い張るのは、まったく真理の理性に反している」

「だからこそ、かれはのように見えた」

「彼らにとって家以上に重要なものはない」

「むかしはあいつらともサッカーやら野球で遊んでた。ところが今日は『この土地はわれわれのものだ。それを取り戻す』だもんな」

「これはわれわれにとって生存を賭けた戦いになった」

「時間がたてば、残りはついてくる」

「かれらが殺害されたこの事件は、町中の関心を集めた。そしてその惨たらしさは、ほぼ確実にメリージ氏の絵にも影響を与えたのである」

「それは、味方を獲得し、自分の立場を正当化し、相手の立場を不条理にするために役立てられた」

「大がかりなパフォーマンスと気前の良さは、幸運にもこの娯楽に参加したものたちの賞賛のマトだった」

「大陸は平和と権威を必要としていた」

「かれらを内側から弱めた」

「かれらを煮て食おうと焼いて食おうと自由だ」

「外部からの軍事的、政治的、経済的、社会的、人道的など、いずれにせよ、われわれへのあらゆる侵略行為に対し、断固抵抗する」

「つまるところ、やれる、必ずやれるという信念がかれになかった」

「作戦行動にともなう被害および部隊行動への影響を局限する」

「帝国諸侯のあらゆる領土を防衛する決意がある」

「革命家のテロと国家のテロは、同じコインの表裏である」

「旦那様が殺されたにゃ!」

「犯罪であり、母国に敵対するあからさまな裏切りと紙一重です」

「異常なのは法廷が明らかに、正義を行おうという意図からではなく、『死刑の判決を下そう』という意図で動いていたという事実である」

「わたしからすれば、極刑がはたすのは復讐だけだ」

「功績があれば、それは神徳に属し、功績を自分のことのようにするべきではない」

「双方に怒りの批判を募らせている」

「帝都生まれを打倒せよ」

「帝都生まれは帝都に帰れ」

「そして、いっしょに工場で働いてたみんなにどうかよろしく伝えてね。すぐにお返事ちょうだい」

「これ以上はもうペテンにかけられたくにゃい」

「なんということだろう、これでは無秩序が解き放たれて、世界を覆ってしまう」

「これは、あなたにとってと同じく、わたしにも異様なことなのです」

「政党政治に対する庶民の関心は選挙が近づくと高まるが、党派的な自己認識は、政党間競争の盛衰にかかわらず、残り続ける」

「皆の自己犠牲と多くの英雄的精神は、その戦争の目的が高潔であったこと(少なくともそのように振る舞った)から、生み出されたのである」

「わたしの命があるかぎり、かれらの不誠実な和平条件を受け入れることはできない」

「つまり、皇国の特殊性を強調し、歴史を通じた本質的傾向が連続していると言う見方を相対化したいのである」

「われわれはこの地におけるわれわれの安全と権利に対するあなたの配慮は高く評価する。だがわれわれはこの地を2つに分けてその片側を併合することによってことなど望んでいない」

「いずれにしても、共和国は、それまでこの世界が体験したことのないことを、これからしようとしている。それはまさしく壮大な実験と言って差し支えないだろう」

「わずかに残った国の制度に頼るしかない」

「かれらとの相違点について集中対処しないかぎり、概して問題を消し去ることにはつながらない」

「個人の鏡より信頼における集団の鏡を構成したのである」

「軍はいまだに優勢で、いまだに恐怖政治の独裁制を構えている」

「その傾倒は宗教的な崇拝に至って、それに対する離脱は神学的憎悪になる」

「家族の一員と組織の一員では、物事が違ってくる」

「そんなことは、教わって身につくものではない」

「懐疑的な意見はあまりウケないからにゃ」

「自分たちの汚れた生から抜け出せて高みへ引き上げてくれる存在としてヒーロー頼っていたものたちが、やがてはヒーローを引きずり下ろしたいと思うようになる」

「だまされやすいものを陥れるための偽りの説明は簡単に手に入る」

「この面でのわれわれの後進性の理由の1つは、われわれの産業の側からの科学への援助が相対的に少ないことにあります」

「本計画の目的は帝国と構成地域の空域・海域・宇宙空間における優越を保護することである」

「学問の自由な研究と芸術の自由な発展を妨げる国は栄えるはずがない」

「作戦アクセスの難しさを決定するのは、おおむね戦闘作戦開始より以前に存在する条件である」

「この作戦は、本国の特別指令によってのみ開始すること」

「そもそも、当時はアソコに行ったことにゃいし、アソコはクソ暑いにゃ」

「開店休業の状態です」

「俳優であるかぎりは、その俳優を使ってなにかすることはできる。わたしが実践したいのは、つまりそういうことなのです」

「帝国およびそれを構成する各地の政府は、帝国法で定められた手続きに従い、施設および区域への適切なアクセスを提供する」

「ここにソルティの統治権を以前より親信依仰する帝国皇帝陛下に譲与し、外は平和を強固にし、内は民生を保全しようとしている。ただ汝、民たちは、情勢と事宜を深察し、煩擾することなく、おのおのその業に安んじ、帝国の親政に服従し、幸福を享受せよ」

「自分自身を鏡でよく見て深刻に反省し、自分たちの深刻な権利問題を解決する措置をとるようにご忠告申し上げる」

「その後はこの世の終わりですから、計画しても無意味ですね」

「また戦争をするんかにゃあ?」

「かれの治世の悩みは、水先案内するものがいないこと、絶対的支配者が欠けていたことにある」

「わたしたちはかれらを罰しているのです」

「やめてはダメだと、わたしはそう思ったのです」

「1つの議会が、住民たちの政治的権利と経済的なものを含めた一身上の安全をこれほどまでに完全にあるものに渡してしまった、ということは歴史的にたびたび起こることであるのだろう」

「やり返せ!反撃しろ!」

「かれらはゾンビに変えられてしまったので、自分たちでモノを考えられにゃいのだ」

「かれらそのものが、われわれに対して用いるためにやつらが魔法をかけて、大急ぎで創り上げた幽霊たちなのだワン」

「あんた、そんな大金持ってんなら、バイト代をウチに入れなさいよ」

「かれの皇国への亡命は、永年の友情に照らしてみれば、無論残念だと思います。しかしながら、今は多くを語りたくないのです」

「結局、それでかれは、もっと孤独になった」

「わたしはもうダメですにゃ。義勇軍はもうイヤですにゃ」

「わたしは宗教上の理由で、殺すことは許されないのです」

「子どもたちにどんな罪があると言うんですか?」

「合併と殺しは同じにゃ」

「あなたがわたしに讃えられますように」

「忘れるべきではない。忘れる必要はない。決して忘れてはならない」

「芸術はモダンではありえない。芸術は根源的に永遠である」

「無から生まれて無に帰る、そしてこの短い合間に衝動によって方向づけようとするんにゃ。だが、にゃにもにゃい。無。わかるかにゃ?無にゃ」

「才気を誇る普段の気分が、惜しいところで無くなったのです」

「経営者は、同時に優れた教育者でなければいけません」

「良識はこの世でもっとも平等に分配されているものである。そして、独裁もこの世でもっとも分配されているものである。つまるところ、この明瞭な2つのがしめすことは、両者が等価であることをしめしているともいえる」

「ここは地理的に特定不可能。どこにあるかわかりゃしない」

「いにゃいいにゃいばあ。キミは運の尽きにゃ」

「兄さんと表彰台に上がることが夢だったにゃ。父さんと母さんはぼくらがスゴく誇らしいに違いにゃい」

「彼女は、奥さんにないものをすべて持っていた。美しく、洗練され、いろんな言葉を操り、また生来の帝国民らしい優美さ、女性らしさに恵まれていた」

「あの獰猛なライオンも老いて、ついに穏やかになった」

「ましてや、東部の住民たちとかれらを統べるものを肯定的に見ることはとても難しい状況です」

「情け容赦なくおこなわければ、土地の争奪はけっして成功しない」

「あなたたち、あの子を知ってるの?」

「わたしのココロは切ない想いで引き裂かれおあなたを想うこの友のココロは、片時も安らぐことはありません」

「そこにいるあにゃた、あにゃたたちはわれらの兄弟にゃ。われわれを撃ってはいけにゃい」

「かれは風にゃんだ」

「あんなに怒りまくってるヤツを見たのは初めてだ」

「ひとつではなく、複数いたりして移動したりもする、どこがどう動いているのか、どうとらえられているのか、容易にはつかめないそれ」

「僕は急いで故郷に帰るんだ」

「そっちか?」

「どっちだよ!」

「わたしの事件の取り調べにおいて、かれがもっとも同情があり、かつ、もっとも親切であったことに、深い感謝を述べたいとおもいますニャ」

「いや、ここからの眺めが良いのです」

「どこにも無くにゃってにゃいのね、無事にゃのね?」

「そうすることによって、作品が表現したいことと、深く繫がることができるということができる訳です」

「かれはわたしにこう言った『やつらのような徒党の中から殺人者を捜し出せ』」

「瓦礫の中から見つけることが出来たのは、それだけでした」

「ああ、神は、神はいにゃい」

「神様はいるにゃ、大丈夫」

「皆があなたを使ってどこかへ行って、そこで降りられるように?」

「ロクデナシだが、それでもわれわれの側のロクデナシだ」

「彼女は、まさに無実のものたちを襲った男とわれわれが友情を育むべきだと主張している」

「結果としてわれわれは新たな悲劇の歴史に1ページを付け加えざるをえなかった」

「かれらの復活は、決して実現することのない希望だ。まさに幽霊船のようなものだ」

「かれらは快楽に溺れることなく、眼は、意識はかれらを包囲する外界に身構えている」

「お前に言っておきたいことがあるんだ。知ってるか?オレは1度もヤったことがないんだ。それを知らずに、オレは今、殺されようとしてるのさ」

「ふざけんな!何年もたった今になって、どいつもこいつも利口ぶりやがる!!!」

「心配しにゃいでください。ここは景色が綺麗で落ち着いたとこです。家の周りにはにゃい花がたくさん咲いてて、木たちにも花が咲いてて、小鳥たちが囀ります。魚もたくさん」

「味方同士で、血を血で洗うのも、これで最後にしよう」

「あの子、砲撃を受けて両脚をにゃくして、死んだんにゃよ」

「時よ、進むにゃ!」

「もうここに財産と呼べるモノはありません」

「現場のやつらが汗かいてる。クールじゃあねえか、うん、まったくクールだぜ」

「味方だからって油断しないもんだ。こういうときは食糧がなくなって味方でも奪い取るもんだ」

「あの人たちは英雄で祖国を守ったという。じゃあ、俺たちはなにを守ったのいうんだ?」

「土の中に眠っているのは英雄なんだ、英雄なんだよ!」

「殺された下の娘の服も、なにも見つからなかったのです」

「すべての民衆は、殺された被害者たちに対し、デモ参加者とともに哀悼の意を表する。このような犯罪を処罰する日がかならずくるであろう」

「ウミを出し切るには、健康な皮膚にメスを入れねばにゃらない」

「わたしは同僚ではなく、わたしの言うことを忠実におこなうものを必要としているのだ」

「あの場でかれを始末するのは簡単だったはずだ」

「帝国東部におけるかれらの絶滅は、もはや追放によっては達成出来ず、特別収容所のの使用によってのみ遂行されるのである」

「勇気あるムング教徒の政権批判が4万もの生命を犠牲にしたことを思うと、教団の指導者であるわたしの弾劾は20万の命を奪うことになろう。そんな発言はできない。わたしは公には沈黙しようと思う」

「多くの憎しみと戦争を経験してきた地域に長期的な平和をもたらすためには、かれらに敬意をもって然るべきだ」

「オレたちもかれらのようになるんだろうよ」

「いくらなんでも、それはオカシイだろ!」

「あのときの傷が、まだうずいてね」

「死んでいくとわかって、故郷から追い出されて、そして文句の声は通じにゃいと。あまりにひどいじゃにゃいか。みんなにゃげ出されて死んでいったんにゃ」

「わたしはそれに慣れ、それを良いと思った」

「とうとうにゃにもかもおしまいにゃ。このゲットーがいくつものブロックに分けられて、みんなどこかに移されることになってます」

「わたしは死神になってしまった。世界の破壊者になってしまった」

「じゃあ、お前自身の罪はどうにゃんだ。撃つか撃たにゃいか選択できたんじゃにゃいのか?……にゃんだ、返す言葉もにゃいのか」

「それがどうした。死ぬヤツらには死ぬにふさわしい理由があるんだ」

「たしかに寒かったけど、寒さにゃんてかんじにゃかったもの」

「河の方からかすかにボートの音が聞こえるんです。しばらくしたら河幅ギリギリに5艘ぐらいのボートが迫ってきて、軍人の搭乗のATが乗っていたです。で、軍人たちが搭乗してたATがその村に上陸して、まず空に向かって威嚇射撃をバババババッ!て撃ちました」

「キミがだれであるかは問題ではない。キミが逃げだしてないかどうかってことが問題なんだ」

「結局、かれが寛大なのは、その破局に対する自分の個人的責任を自覚していたからである」

「ボクはにゃんてツイテるんだろうにゃあ」

「安全通行は保証する」

「さあ、ご注目!命や手足を守る最後のチャンスかもしれません!」

「父はたいへんよく教えてくれました。妹には読み書きから。そのために父は仕事を犠牲にして自分も勉強したのです」

「有罪判決を受けたものだけではなく、かれらの妻子もいっしょに流刑地である農村に送られた。住民たちはかれらに好意的ではなく、もっともキツイ仕事を割り当てられた」

「ああ、助かった。わたしは明日も生きていける。命を危険にさらす心配はもうない。そして、青い空はこんなにも美しい!!!」

「もしにゃにかもらえるなら、この手に直接届けてほしいにゃ」

「オレはね、この世界を輝かせたいんニャ。それがこの世界をオレたちの手に取り戻すのににゃくてはにゃらにゃいんだ」

「できることはしたな。あの子も喜んでくれるね」

「ボクの苦悶は次のことに尽くされる。つまり、どうしたらボクがナニカよいことが出来るようになるのか、ナンラカの目的に貢献する、ナニカの役に立つ者になれないのだろうか?」

「異郷にいながらもくつろぐこと」

「故郷にいながらもくつろがないこと」

「未来の自分の子供たちにも、こんな生活はさせたくありません」

「殴るときは素手か蹴りです。警棒みたいな武器を使っているのなんて、見たことありません」

「これもまた、哀しい現実なんです」

「ここで生まれ育ったボクたちの痛み、苦しみに同情するのではなく、いっしょに取り除いてほしいのです」

「夢と言えば、かれも夢に出てきました。かれとはいっしょに従軍しました。そのかれが地位を守るために汲々しているのは気の毒でもあります」

「いま、そういう条件は熟していません」

「つまるところ、われわれのようにゃものは、ときどきしか勝たにゃいということに我慢できにゃい」

「こちら側の家とあちら側の混沌や野蛮を隔てる境界線にしておきたいという基本的欲求があるのです」

「加賀屋さんから合計1450の入金あり」

「多分、にゃにもかもうまく行くにゃ。ウソをつきとうそうと思うにゃ」

「地震の後は駅舎くらいしか残ってなかったよ」

「彼女はわたしたちと逢えたことを喜んでいましたが、完全に彼女ではなくなった彼女を目の当たりにしたときのショックは大きいものでした。それはー長いこと逢わなかった子どもと再会したようなものです」

「だが、それがそいいうときの心理なんだ。それが戦争なんだよ」

「そんな世界をわたしは見たかったんですよ」

「おまえは自分もわたしも破滅させる気かニャ」

「彼女が走り回って応援してくれます」

「大丈夫、大丈夫、問題ない」

「そんなことやっちゃダメだって、あんたは教えられるにゃあ」

「わたしたちを助けてくれるの?」

「まだ、わからない。話を聞いてみないと」

「お前さんのことが、心から、それこそ心から好きだからさ。キミが誰か別のヤツといっしょになるなんて、考えられないんだよ……」

「眺めることは絵師でもできます。見ることはしかしながら、それ以上です」

「でも、それができるかどうかは演出家しだいにゃんだ」

「正体不明の民衆たちによって、蒸気馬車に押し込まれ、そのまま連れ去られた」

「どこか途方にくれ、薄汚れた外見の、目に荒々しさと哀しみをたたえた者がそこにいた」

「ただ、なんらかのカベによって隔てられているだけで、このカベを通して、わたしはすべての存在を今ここに感じることが出来た」

「それは脅威的発展を招来した」

「われわれにアニマ兵器はいらない。ムング教徒は賢い。諸勢力がアニマ兵器を2万持っていようとも、われわれは2発のアニマ爆弾すら作らない」

「関心にゃいだろうと思うけど、こういうとこに住んでるってことを知って欲しいにゃ」

「これでは、死せる有名人については言いたい放題ではないか」

「かれは圧倒的なエネルギーと能力、ユーモアと共感力を持つ、他に類を見ないケースだった。とくに優れた性質ととてつもない苦悩とが手を取り合っていた」

「俗悪で得体の知れない情景」

「それを創り出そうとしない限り、彼女たちは存在すら許されない、どんなに辛いことだろう?」

「かれらはシャンパンが酒の1種であることを知りながら、知らないふりをして、『炭酸水』と呼んでいた」

「次にはもうわたしとあなたは100年の知り合いのようになっていました」

「いかなるものに対しても悪意を持たずに、すべてのものに慈愛を持って」

「わたしたちは、母親として言いたいのよ。子どもたちは殺されたというのに、それを金儲けのタネにする連中がいる。わたしたちは子どもたちを守るために来ました。あの子たちがお墓のなかで安心して眠っていられるように……」

「いままで本を読むという行為は義務だと思っていたけど、そうじゃないということがわかって、心が軽くなったんだよ」

「わたしたちは連続しない存在であり、わかることのない運命の中で孤独に死んでいくものであるが、しかしなくなってしまった連続性へのノスタルジーを持っているのだ」

「それらすべては、ただ1つのこの自由を愛するという精神の、多様な顕れである」

「わたしはむかし、皇帝陛下の恩顧を蒙ったものです。そのため、皇帝陛下のために死ぬことこそ大義なのです」

「このことから分かるのは、そうした模造品と比べ本物が如何に優れているかということである」

「禁忌に挑戦するのは、芸術家の特権だから」

「もとより、これはいわゆる歌でも詩でもありません。むしろ小説に似ているのです。でも、それでもこれは詩です。わたしはこのようにして自分の詩を作り始めたのです」

「それは、現実を否定し、それを置換しようとする衝動である」

「感情を捨て去り、精神の絶対的主人であり続けにゃければにゃらない」

「これはわたしだけの勝利ではない。寛容と敬意に基づく、差別のない未来を信じるものたちにとっての勝利である」

「バイアスがかかった同化および極端な態度のプロセスにより、暗殺の犯人に関して個人が唱える説は本質的に不変であり、したがって、首相の暗殺を巡る議論は果てしなく続くことになる」

「この厳格な連合警察の担当者の尽力によって、『歴史』は報復を試みつつ、今日までこの事件を、冷静に知り、教え、判断できるのである」

「国家の自由は法律のみによってではなく、国民が光を照らし、使いこなす知によって支えられる」

「中央と現地軍との間にある意見の不一致は討議検討によって除かねばならない」

「にゃにかがおこります。それは事故のように見えるかもしれにゃい。ホントににゃにがおこったかだれも気づかないでしょう。かれは死体で発見されるだけよ」

「帝都と東部、あるいはそれに相当する勢力は密かに社会に張り巡らされた『組織』を介して、いわゆる『血統』によって所有されている」

「わたしは最後まで秘密を守り続けた」

「女性や子どもたちは疎開していったから、街は空っぽだけとも、僕はここを動くことはない。ここには祖先の墓もあるからね」

「家族を失った方々に比べて、わたしは幸福です。金は取り戻せるけど、家族は取り戻せませんから」

「われわれの独立精神は衰弱してきた」

「これは即興演出にゃんかじゃにゃい。最後の瞬間ににゃってからつくりあげるということにゃんだ」

「わたしはついに偽りない自分を見いだすことができた」

「このようにゃヒゲがあると、目の前のヤツが恐怖に陥って土下座するほど、激しくテーブルを叩くことが出来るニャ」

「1日太陽が一周するまでボケ〜としてたワン。そしたら、答えが出たワン」

「それは世界に贈られたギフトではない。それらは、世界に欠かせない必需品なのだ」

「食あたりでチカラが出なかったワン」

「かれの脚本家としての能力はきわめて低い。それに、作品にはイデオロギーも芸術的価値もなく、いかなる観点からしても明らかに受け入れがたい」

「わたしがそれまで生きてるか分からないけど、貴方の手に引かれて階段を上がるかもしれないですね」

「聴衆は、愛人の共犯者となる道を選び、そのかたわらで死んでいく運命を選んだ女の亡骸を食い入るように見つめていた」

「闘争の規律に違反したいわゆる『モグラ』の案件も取り調べ、処分しなければならない」

「こうして、1つの社会体制が、才能豊かでけっして妥協しなかった詩猫を殺した」

「われわれはにゃくなった線路を敷き直し、機械を造って再出発しにゃくればにゃらにゃかったのだ」

「問題は神がわれらの側にあるかではなく、われらが神の側にあるかだ」

「しかし、歴史の修正から逃れゆるのは、ただ事実の重みしかない、という想いからわたしは脱することができない」

「『迫害を受けたものは他人が受ける迫害を理解できる』というのは事実ではありません。普通は逆に2度と同じことが起こらないように自分を防衛しようとします」

「外交が失敗し、殺戮が止まないのなら、皆は自分の身を自分で守るしかありません」

「かれは捕まる恐怖と悪夢の住民となってしまった。それこそ罰であろう」

「かれらの計画は明らかにあってはならなかった過去を攻撃することにある」

「むしろ足を引っ張っているのではと、葛藤の日々でした」

「かれの主な関心は、モノや観念にあったから、かれはしばしば孤独であった。しかし、かれは愛や仲間に深く憧れていた。おそらく、友情のはじめ方をかれにとって容易にするために」

「東方地域のような政府はもうゴメンこうむりたい。引退して帝都で暮らしたい」

「わたしたちがとうやってあれだけのことをこなせたのか、どうやって誰にも支配されることもなく、抵抗し続けたのか、想像もできないほどです」

「とんなお父さんがほしい?」

「お父さんに似てるお父さんがいいわ」

「この場で拍手することなどありえません。特に、組織側の立場で拍手をすることは、権利侵害の犠牲者のためにも絶対に許せないことです」

「雪崩のような処方箋が発行され、競合商品を埋め尽くすだろうにゃ」

「1番安いから、このピンクの電灯でデコレーションしたイルミネーション蒸気汽車にするニャ」

「かれらの違いは、店や建物の外観を写すか写さないかだ」

「建物の外側が、非難の暴風に逆らい、変化を拒み、時間を超えて存在し続ける力を表しているのなら、その内側はエゴ、つまりかの美少年が長く見つめすぎた泉よりもはるかに深遠な自己愛を表している」

「この作品を撮ってるときに思ってたことは『何かガラッと変わったことをやって解放感を味わいたかった』ということです」

「最終的に、彼女が成した貢献は、夫であるわたしのそれを上回るでしょう」

「彼女の顔には、怒り、切なさ、虚勢、優しさ、哀愁、高らかな笑い、そして深い悲しみが浮かんでは消えていった。それは彼女の真の感情なのか演技なのか、彼女にもわからなかっただろう」

「そんにゃことは、知ってるよ。でも、あまりに多くの悲劇があった。ボクには止められにゃかった」

「歴史とアイデンティティは、それゆえに根絶されるのですにゃ」

「いつかきっと、この街をクモの巣のように地下鉄で張り巡らされる日がくるだろうにゃ」

「物見の塔が戻ってきた。頼もしいシルエットが、何ごともなかったかのように空にそびえている」

「それほどまでに巨額のカネには、みんな度肝を抜かれて、脱帽しました!」

「かれはパトロンにとって、生涯最大の夢となっていた」

「わたしはただ命令されてそうしただけ」

「かれらは現地で住民を殺し、爆弾を投下していたんだ……」

「でも、もっとも衝撃的なことは、このような事件は後を絶たないということです。そう思いませんか?」

「これにより、われわれはかれらに、かれらがかれらの敵に拒絶したものを認めさせるのです。つまり、法の保護というものを」

「それもみんな話したがらないにゃ。あの話はタブーにゃ」

「仰向けに倒れて、クラクラとめまいのするアタマを抱えるのが、やっとでした」

「だれがかれのために涙を流すだろう?」

「止めたまえ、もう水を汲まなくていい。帰ろう」

「わたしたちは無事です。朝から爆発の音が聴こえてとても怖いです。でも、どこにも逃げ場はないし、家族みんなで支え合って、なんとか耐えることができました」

「死ぬな、死んじゃだめだ、耐え続ければ、いつか春も来るんだ。耐え抜け、生き続けろ、あの連中に、一矢報いるまでは」

「法を作りながら破るのは、世間に嘲笑されるだけである。この法はただかれのためにあるのか。みな目くばせをするだけだ」

「わたしはあなた方特派員が検閲から解放されたいと思っていることを知っています。もしわたしが互恵を条件にしてそれに同意したなら、一体あなた方は何を書くのでしょうか?」

「こんな戦争がはじまるなんてホントに考えもしなかったんだよ」

「軍隊が通過すると、すぐに向かいの家の住民が飛び出してきて、『ようこそ、〇〇のみなさん』という表札を家のドアに掲げた。『この20年でにゃん回表札変えたかにゃ』と、かれは言った」

「それで、われわれがしてる悪事の続報はどうにゃっているかね?聞かせてくれにゃいか?」

「暴力だけが、暴力と暴力に結びついた名付けがたい混乱だけが、全体に喝を入れることができるのである!」

「不幸な特性を持って生まれたのです」

「太陽こそは、われわれの貧しさのなかで、偉大な自然の富を象徴するものであった」

「犠牲者を追悼するモニュメントと、加害者のやったことを記録したモニュメントとの間には、大きな落差があるのです。わかりますか?」

「うん。でも、それは言わない約束でしょ、という話ですから」

「こうした考えはマトモとも思えないが、どうすればこの状態から解放されるのか、その問いに対する答えは存在しない」

「本法のいかなる規定も、これまで獣人ないしその継承者との間に締結され、および批准された条約によって課された義務を無効とし、または減ずるものと解釈されてはならない」

「われわれの祖先はその陰謀の犠牲者だったが、われわれは犠牲者ではない」

「わたしは敗北が悲惨な結果に繋がるのはわかっていました。しかし、敗北による不幸がこれほど長引くとは思ってもみなかったのです」

「もはや他に国を救う手段がないという自明の確信から、自分たちを犠牲にする意志のあるものたちによる特攻だったのです」

「かれの名誉回復は、数年後、なんの騒ぎも興奮もなく、しれっとおこなわれることになる」

「すごく頼りにしてたんだ。今でもあの方に連絡したくなる自分がいる。これからはかれの力なしでやってかないといけない」

「そんにゃ、わたしもおばあちゃんも、貴方に手をあげたことにゃんてにゃいのよ、ホントに小さいころから」

「あの方は、実は母親をかれらに殺されたのです。かれが11歳のときに」

「それを残すことで、われわれの集合的記憶の明確化と解明に深く寄与することができる」

「街は美しくなければなりません」

「記念するような立派なことをしたのですか?戦争に負けたことですか?あの戦争が誰にとって必要だったというんですか、カンタールですか、将校たちですか、それとも共有主義か加速主義の狂信者でしょうかね?」

「家はわたしのお城。返してもらわなきゃ」

「この罰当たりが!!てめえらみんにゃ罰が当たっちまえ!!!」

「問題を退けるのはたやすいにゃ、またあらたにゃ問題が起こる。結局、議論するものが倒れることににゃる」

「あの老紳士はオーダーメイドのスーツを手にしたが、縫い目があちこち緩んでいることに気が付かなかった」

「わたしが和解のことを言うのは、老若男女の命をキズつけたくにゃいという思いからにゃ」

「かれらの行為が悪臭を放ち、哀れなのは、皆を修復不能なまでにキズつけているからではなく、それを真の革命的課題に取り組んでいないじぶんたちへの煙幕にしているからである」

「許されるためには、記憶し、再訪することによってのみ可能になる」

「共和国はわれわれのパートナーだが、手本にならない。手本は帝国だ」

「住民たちはいまや爆弾のようにゃものです」

「はい。まあ小さい子どもたちも観てますから。カッコよくやったらいいんじゃないのって感じで。それでカッコよくやってくれたんです」

「ホントにドラマと同じように撮ってるとこに、皆驚くんですよね」

「今と違って、昔はどんなヘタなヤツでも、芸を磨くよりスターに取り入った方が仕事にありつけていたんですよ。それが、演技とかそういう力が必要になってきてるんです」

「その仕事ぶりは素晴らしく、国家の義務や機能を肩代わりしていることが頻繁にある」

「でも、きっとお母さんほど上手にはできないでしょうにゃ」

「たまたまそこに居合わせただけにゃ」

「影響について予断することは控えます」

「間違ってたのはどっちか、判断してほしいにゃ」

「今では寝室での友達よりは看護師さんが必要だったのだろう」

「それはたぶんプラスに働いているのだと、そう思うのです」

「あらゆるものを国家のような組織などに包摂されることに反対し、社会の生き生きとしたパワーが形作られていくようなこの自由な集団を、わたしたちは率先してやっていかなければなりません」

「男のまま生きる方がニセものだったでしょう。わたしにとって、男として生きることは、虚構の人生を生きることでした。わたしは、天がくれた最初の贈り物、つまりはホントの自分を見つけたのです」

「知るのだけでは十分ではない。使わなければならない」

「話をそらそうったってそうはいかにゃいぞ。にゃんであの戦争をキライににゃらにゃきゃいけにゃいんだよ。オレは課せられた使命と義務をはたしたんだ」

「これからも、ずっと、ずっと交流していきたいのです」

「地元で稼ぐ道があるにゃら、その方がよほど良いにゃ」

「そこには皇国製の写真機が、スパイ活動の痕跡として、何十年も埋められたままになっている」

「わたしはこれらのものに対してなんらやましい気持ちはない」

「かれは職務の遂行においても、また決断においても、大いなる孤独であった」

「最初に壊してしまったものの中と続いていってしまうものの中に、だんだんと自分が無くなっていくのである」

「ボク自身の良いところを認めたのだ、そう、純粋なところ、毒され取り返しがつかないほどに穢れてしまう前のボクの純粋さだ」

「女は美しい。わたしは彼女たちと寝たいといつも思う。そして、男はわたしも含めて、美しい神なんだ。わたしはいつも、どこかを歩くとき、かれらの肩を叩きたいと思う」

「まずは深呼吸をしてください。そしてそこにある水を飲んでください」

「紳士はにゃにも言わにゃい」

「昏い場所でにゃらわれわれは、禁じられた美徳や美を培うことができるのニャ。にゃんの役にも立たぬうす汚い片隅が必要にゃのだ。だからわたしたちは、ロバートが必要なのだし、東部劇も欠かすことはできにゃいのだ」

「わたしは、こうして開拓が続いている未開の地にいるのです。わたしはその開拓者になりたいのです」

「そんにゃのは、共生ではにゃくて強制じゃにゃいか」

「当たり前にゃ、おまえさんにケガでもされたら、明日から遊んでてお酒も呑めやしにゃい」

「いままで生きていて、一瞬でもわれわれの大義を疑ったことなどありません」

「いったいこのような政治を何と言うのだろう?」

「世界の歓呼が、自分たちの敗北という深刻極まりない屈辱に向けられるのは、にゃんとツラいことでしょう」

「つまるところ、ぼくたちが演奏しているのは、人生ってことにゃ」

「過去を理解しなければ、未来に影響する。そうしてまたしても新たに皆が騙され、血が流れる。過去とは、つまりはこれからのことであるということです」

「わたしたちは死んだ子どもたちの名誉を護ります。あの子たちの名誉を返してください、あの子たちに故郷を返してあげてください、崩壊してしまったんです、この世界でもっとも強い故郷が!!!」

「キミたちににゃにが出来るかと言えば、銃を撃つことしかできにゃい。知識と言えば、ピストルを持って皆を守るだとか、正義は武力でしか取り戻せにゃいとか、そんにゃことでしかにゃい」

「かれら、かの女たちは遠く離れた2つの地域を結び付けてくれる架け橋となる存在です。とってももろくて壊れやすい橋だけども」

「彼女は、やっぱり孤独になった」

「そのときはとにかく早く終わってほしいと感じたわ。おばあちゃんにもう会えないかも知れないと思うととても哀しいし辛い」

「あの方のことですか?色々ポンコツでしたが、愛すべき方だったのを、よく覚えていますわ」

「ええ、毎日行ってます、もちろん。もし生きていたら、毎日会えていたんですよ」

「たしかにオレたちは現地での行いを裁かれなきゃいけないんだろう……」

「やれよ、そんな話は25回目だぜ、おまえは嘘ばかりだ」

「カノジョがいたころはまだ元気だったし、お酒も呑んでなかったでしょ?それが最近ずっと、素面に戻る瞬間がないのよ」

「早急にこの不利益を払拭し、皆さんの信用を高めるよう努力することが、国政関与者に対する期待であります」

「幸せと思ったことは1度もありませんでした。だからわたしにとって、幸せは当たり前のものではなかったのです」

「痛烈なヨロコビの感情が湧き上がってくる。世界に向かって叫びたかった。僕たちはふたたび自由になったのだ」

「気は長く、勤めは硬く、色は薄く、食は少なくして、心は広いのが良きことなのです」

「親父はガキのころこんにゃ丘からオルリンズの港をにゃがめていたんだにゃあ」

「それはたしかにわたしが産んだ忌まわしい子どもだったのです」

「わたしは我慢強く、頑固かもしれにゃい。無為のまま、ただあきらめることはしにゃい。わたしの中にいつもなにか『衝き動かす力』があるのです」

「あなたが悪いのではにゃい」

「それは生物の尊厳を毀損するものではありませんか?」

「そうです、子どもに考えさせるということをした方こそ、1番教師として優れています」

「次の世代には、今より良い状況になっていなければいけない」

われわれが被告たちを今日裁定するために用いる同じ基準で、われわれ自身もまた明日、歴史のまえで裁定を受けることであるのでしょう」

「そのとき、政治から革命性といって良いようなナニカが無くなってしまったのではないか?」

「伝えたかったことは1つだけではありません」

「その先は?」

「それじぁあ、まったく進歩がにゃいではありませんか?」

「目覚めの技法。眠らないまま1世紀が過ぎました。そして今日、その2世紀目が始まろうとしています」

「『明日も声が聴けますように』と、家族へ祈りを捧げ、眠る」

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