21. 耐えきれない気持ち

「できたぁ…」

 ようやく出来たぁ…。

 今日一日、自習でよかった。授業の進み具合が違う進学クラスで。私は、一般コースの生徒だけどこのようにその恩恵が受けられるので、自習は執筆に時間を割ける。進学に挫折した生徒は数名いるので、私のようにするべきことがあるヒトはしたいことをして、ないモノは復習をして、進学するモノの邪魔はしない。暗黙の了解。

「お疲れ様…」

 顔を上げると、目の前には深森ふかもりがいて、

「じゃあ、今日は遊べそう…?」

「うーん…」

 今から、マナさんにはメールでお届けしようかなぁ。

「遊ぼう…?」

 深森の顔が迫って来て、

「いいでしょ…?」

 正々堂々とイチャイチャしてるようで、嫌だ。

「深森、こういうの好きじゃない」

「俺は好き、だけど…」

 そのまま何事もなかったかのようにお喋りする深森に、

「本当、ゴメン…」

 何故か謝ってしまった。

「いいよ。俺は好きってだけだから…」

 伏せている顔が、どんな表情なのかはわからないけど。声は、いつもより落ち込んでいるのだけはわかるから、

「ゴメンなさい…」

 もう教室ココにいるのが耐えられなかった。

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