19. 書けない時はコレに限る

 久々に、カラオケで。

 歌う。歌う。

 叫ぶ。叫ぶ。

 普通に歌うのは、何かつまんないから声色を変える。

 普段出さない声だから、消費が激しい。

 結果、

「お疲れ様、でしたぁ…」

 ムダに疲れた…。

「はぁ…」

 しんどいな。アニソン。

浅木あさきの声、好きだなぁ…」

 ちょっと離れて勉強してる深森ふかもりが呟いて、

「その萌え声は、卑怯だろ…」

 そう呟いた羽佐はさが、隣で演歌を歌い始める。

「羽佐、ジャンルが広い…」

 ジャズ、シャンソン、演歌…次は、何、歌うんだろう?

「浅木…」

 深森が手招きするから、そちらに体を傾けた瞬間、

「ダメッ!!」

 その声の方へ向き、そのまま深森の体に身を預けた。

「羽佐、今は歌えよ…」

「そうだよ…」

 羽佐の大声は、凶器かな。耳がキーンとする…。

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