17. FREE MESSAGE

浅木あさき…?」

「こう…よりも…こう…かなぁ……」

 作詞って考えるの、大変なんだなぁ…。

「浅木っ!!」

 あ。

 そう言えば、学校だった…。

 マナさんからの依頼に、どっぷりハマっていた。

深森ふかもり、ごめん…」

「また?」

 恋愛?とでも言いたげなその顔に、

「特に決まってないよ」

 真っ直ぐ笑顔で微笑むと、

「そうか…」

 目線を逸らすから、謎の単語が埋まった紙切れに視線を戻す。

「深森、先に行ってていいよ…」

 次、教室移動だから、遅れるよぉ。

「じゃあ、お先に」

「いってらっしゃい」

 この紙切れを片付けて、私も行こう。

「浅木、無理するなよ?」

「うん」

 紙切れを片付けながら、返事をしたけど。そう言えば、深森の声が近い。

「待ってる」

「そう…?」

 顔を上げると、深森の顔があった。

「一緒に行こう?」

「うん」

 少しでも動けばキス出来る距離に、ドキドキした。

 何で…?

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