9. 急過ぎる告白

「俺、好きだから…」

 ……ん?

「コレ?」

 ソフトフランスチョコパン…?

「違うわっ」

 相変わらず、ツッコミが雑だな。

浅木あさきが好き」

 深森ふかもりの真っ直ぐ素直に見つめる眼が見れなくて、逸らした。

「ありがとう」

 思わず、感謝の言葉が声に出たけど。

「はぁっ?!」

 何だ、その急展開。

「浅木、顔が…」

 酷くもなるよ。元が良くないからねって自虐もすらすらと言葉が浮かぶこの展開。

 頭を抱えながら、走馬灯のように深森と会ってからのことを思い出す。そんな要素一切なかった気がするんだけど…。

「浅木は俺のこと好き?嫌い?」

「好きだよ」

「じゃあ、何でそんなに驚くの?」

「そういう好きじゃない…」

 隣で見たことない甘い顔の深森に、右手を挙げて、

「深森くん、確認がありますっ!!」

「はい。浅木さん、どうぞ」

 その手を握りしめて、深森は指を絡めてくるから振り払う。

「私、男嫌いなの知ってるよね?」

「うん。知ってるよ…」

 ソウイウコトハ、カノジョトシテクダサイ。

「嫌がらせ?」

「本気だよ…?」

 状況把握するには、まだまだ時間がかかりそうだ。

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